雪奈視点 逃亡中コラボの打ち上げ-1
巫女ウサギがお決まりのセリフを言った後、そのまま前回迄の『逃亡中』のDVDの宣伝に入るかと思っていたら、いきなりミニドラマが開始された。…………しかし、配役はVWの社員達であり、本家『逃亡中』とは別の物語となっているらしかった。
「……………α、まだ『罪人』達のクーデターは抑えられないのか?下手をすれば、この企画にも支障が出てしまうぞ………。」
「も、申し訳ございませぬ。あの企画により、大半の民衆は暴動を起こす気は無くなっているのでござるが、悲しい話、未だに暴動を起こす民衆はおります。」
「そうか……………。ならば、Fよ。任務が終わった後に悪いが、暴徒達に我々『世人』の技術に屈することしか出来ないことを教えてこい。」
「……………了解。」
いきなり始まったミニドラマに呆然としていると、メールが届き、このドラマの中途半端な設定が分かった。そのため、私はそれを上手く要約してナレーションを始めた。
〈ここは××××年の地球によく似た環境だったとある惑星…………。この惑星は技術の進化に伴い、『進化継続教』という思想が国のトップの間に広がっていった。しかし、『進化継続教』の考えは、いずれこの惑星を滅ぼすという考えから、国のトップや一部の富裕層以外の人間達はその考え方を否定した。その結果、国のトップ達は『進化継続教』に入信しなかった人間を全て『罪人』とし、二度と空の見えない地下へと幽閉したのである。〉
…………………内容は一部無茶苦茶かもしれないけれど、あの設定集はもっと滅茶苦茶なので別に良いだろう。それに、ミニドラマの設定に一々突っ込む人は少ないだろうし。
〈しかし『罪人』達もそれをすぐに受け入れるという事はせず、『罪人』全員で反乱を起こした。しかし、『進化継続教』の信者………後に『世人』と呼ばれる者達にとって、『罪人』達の反乱は簡単に潰せるが、潰すのが面倒な物でしかなかった。そのため、『世人』は『罪人』に娯楽とチャンスを持ちかけたのだ。それが、この『逃亡中』だ………。〉
まぁ、このチャンスの部分は役者のアドリブに任せよう。そう思いながら、私は配役を見てみる。『『逃亡中コラボ』運営責任者・マオウ』=マオンこと黒田弁護士……。何やっているんですかあなたは………と思いながら、他の配役も見てみる。
マオウの部下・α → コードネーム 鴉
マオウの部下・β → コードネーム ベル
マオウの部下・γ → コードネーム ホークアイ
『闘争中』運営責任者・サタン → コードネーム マリン
黒服開発部主任・マイン → コードネーム ジラ
紺服開発部主任・ムラサキ → コードネーム 花魁
反乱軍の英雄・コベット → コードネーム エンペラー
英雄の娘・メット → コードネーム スカーレット
反乱軍学者・ドール → コードネーム ニーズヘッグ
英雄の姉・ノベット → コードネーム パンドラ
反乱軍武器開発者・オレ → コードネーム ソルジャー
…………………配役多いなぁ………後、今回出演しない人のもあるのですが………と思ってしまう私なのだった。まぁ、決めておけば良い事もあるし、『闘争中』もコラボするという事も分かるので失敗は無いだろうなぁ………とも思うのだった。




