暗雨視点 真城暗雨の事情-4
「…………血塗れシルバーデビルというのは、私が中学二年生の頃から付けられていた二つ名でね……………。血塗れの部分は私が返り血をよく顔に浴びてたからで、シルバーデビルは銀髪なのと誤解から誰かが付けた奴なんだよ…………。」
「センスが無いような気もするけどね、その命名者。ウチならブラッドシルバーデビルとかの方にするよ。そっちの方が格好いいじゃん。」
「……………いや、これ汚名に近い経緯で付けられたのだからセンス悪くても仕方ない気もするけど……………。」
まぁ、そんなこんなで私の二つ名についての議論が発生しそうだったのだけど、少しだけ殺気を流すと静かになった。正直これぐらいの殺気で静かになるのには情けないと思えるのだけどね。
「じゃあ、私の体質についてだけど………………人間は自分の体が壊れないように、そして日常生活を送るために本来出せる全力の50%以下しか使わないようにセーブしているという説がある。この説を利用させて貰うと…………私は普通の人が日常生活を送るために全力の20%で生活しているなら、私は日常生活を送るのには全力の0.01%で十分な程の体になっている。」
つまり、私は力や反射神経などの能力が他の人間に比べて圧倒的に高いのである。ならば、私はさらに筋肉質な体でないといけないだろうが、私の体は普通の女子高生な体型だ。まぁ、なぜか胸がでかいけどね………。
それについてはこんな感じになっている。筋肉は極限まで引き締まり、胸の脂肪以外は殆どそぎ落とされている。まさに脳味噌まで筋肉で出来ているという言葉にピッタリな体だ。………………いや、私は脳味噌まで筋肉にはなってないけど。本能だけで行動しているわけでは無いけど。
「………………まぁこんな感じかな。私はある意味化け物だよ。本当の全力を出せば小学一年生の時に教師を何人も半殺しにしているんだから。」
「いや、普通に人間だと思うけど…………それ以上に化け物と言いたい人はいるし。それに、今平凡なら良いじゃない。…………まぁ、そんな時代に付き合い始めた彼氏さんについては気になるけど。」
「まぁ、私の彼氏も同じ様な体質だしね。ただ、私の愛も彼の愛も重いけどね。私も彼氏も、浮気をしたらその相手を地獄に堕ちるよりも恐ろしい目に合わせてから、監禁するという約束をしてるから。」
それを聞いたクラスメイトは、正直言って私の体質を話した後よりもドン引きしていた。しかし、冷村だけは「私の婚約者にもこれぐらい私を愛してくれれば……」と呟いているのだった。




