表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/1154

暗雨視点  始まりの街-7

私は、支給品を持って作業所に進む。なぜ『初級回復薬』では無く『回復薬』なのかというのには理由がある。


ぶっちゃけると、『回復薬』の方が『初級回復薬』よりも簡単だからだ。なぜなら、『初級回復薬』は『薬草』の消費を抑えるために水を使って薄めているのだ。


大量生産できる工場のような設備があればドカドカ作れるのだが、一個一個作るとなると、微調整が大変なため、かなり疲れる作業になるのである。…………まぁ、そんな話は後にして、私は『初級調薬セット』を取り出した。


このセットには擂り鉢と擂り棒、ガラス瓶が一本入っていた。このガラス瓶はただのガラス瓶であり、形などは変更できるが、効果は無いし、中の液体を使い切ると消滅する。


簡単に言えば、ご都合主義な瓶というわけだ。もっとも、ハンドメイドの瓶を使えば、追加効果もあるし繰り返し使うこともできる。どちらで生産するかは人それぞれだ。


私は『回復薬』を作ろうとして………………固まった。そういえばレシピが無い事に気が付いた。しかし、ここで退くこともできない。


私はとりあえず、提供素材の『薬草』を五つ程まとめてゴリゴリと擂り鉢と擂り棒で潰していく。すると、『薬草』は緑色のドロドロした液体になり、さらに潰していくと少々すっきりした緑色の液体になる。


私はその液体をガラス瓶に入れて、『鑑定』した。すると、この様な表示が出て、『薬草』を入れすぎたという結果となった。…………次は三枚で試そう………。


『中級回復薬』……………HPを500回復する事が出来る。青汁味。



VROでは初級、下級、中級、上級、超級となり、超級の後には二式と数字がついていくという物で、下級=無印となっている。『調薬』のレベルが高いからか、失敗はしなかったけれど、数が多すぎたためにこうなってしまったのだろう。


しかし、VWの『調薬図鑑』という項目の中に登録されたので、覚える必要は無いのだろう。一々素材と手順を覚えなくて良いのは良いことだと思う。

 

私は次に、三枚程で試してみる。すると、今度はちゃんと『回復薬』となった。ただ、提供素材は30であるとすると、普通にクリアしたら五個分余る計算となるが、この場合どうなるのだろうか?そう思いながら一応『回復薬』の『鑑定』で出る説明部分を書いておく。


『回復薬』……………HPを300回復する事ができる。青汁味。


…………私は同じ行程を四回繰り返して、『回復薬』を四つ作る。どれも回復量は味は同じかと思えば、一つだけ回復量が320になっていた。まぁ、味は全て青汁味だったけど。


もしかして『調薬』のレベルが上がったのだろうか?と思いVWを見てみると!『調薬』のレベルは上がっていなかった。


「とりあえず、余った『薬草』については朝丸に聞くことにしよう…………」


私はそう思いながら、『回復薬』をアイテムboxに入れて持って行くのだった。手で持ったら絶対に落としそうだしね………。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ