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暗雨視点 NKMとMPK-5

最終的に生春巻きも春巻きも明日のために残しておいた生春巻き以外は全て食べ終わったため、私と雪ねぇ、雫は手を合わせた。…………いや、本当なら暁美ねぇと父さん母さんがいて何個か残るかなぁっていう量で作ったはずなのになぁ………と思ってしまう。


「「御馳走様でした」」

「お粗末様でした。……………にしても雫はよく太らないよね…………。」

「燃費が………悪いだけだから。それに、VROのトレーニングモードでカロリー消化してるし。ほら、少しだけ腹筋つい…………。」

「雫、それはおなかがぽっこりしてないだけだから。腹筋っていうのは薄い板じゃなくて堅い板だから。…………後、軽々しくお腹を見せないこと。雫は可愛い子だから用心しないと。」


そう言って雪ねぇは雫が捲っていたシャツを元の位置に戻した。そう言っている雪ねぇは可愛い………よりは格好いい系だしなぁ………。家で仕事モードがオフの状態になっている時は別だけど、髪は短くしているのもあってか女性用スーツでなければ男性と見間違える程だと思う凛々しさがある。母さんに甘える事がなければだけど。


「……………まぁ、母さんに甘える時間を少なくした原因作ったのには、私も責任があるしなぁ…………。」

「暗雨、その事は別に良いから。別に私はグレなかったし、親の愛情欲しさが生じて高校までなんの問題も起こさないし、優秀だから大学行ってみてと先生に嘆願された事以外は何も無かったから、母さんも甘えさせてくれるから。」

「……………いや、先生方が最高学年には就活のために試験休みを何日も取らない方が良いって事で全国模試を試験代わりにやった時に全国100位以内をキープしてた人が何を言いますか。」

「いや、タイの順位でだし、2位とかがとばさないタイプのタイの付け方だったからそこまで優秀じゃ無いような気もするけどね。」


そう言って雪ねぇは笑うのだけど、私や雫の世話に忙しかったり、雪ねぇがよくできた子で早々に1人で出来るという状態になったからね…………。それでも、私が中学生になった時には今みたいになったような気がする。


「でも雪ねぇは気が付かない内に色々とやってるからなぁ…………。高校でも気が付いたら生徒会長になってたよーとか、今VROで人気のアイドルであるテシカもスカウトしたのは雪ねぇだったって言うし…………。」

「親のコネなんて一切無い所か余計に厳しくなった面接に難無く受かってたしね…………。本音は隠してたけど。」


あの性悪弁護士も優秀という面では同じだが、性悪弁護士は自分の能力を自覚しているというか理解しているから質が悪いのだけど、雪ねぇは自分のスペックが高いことを自覚していないからその内会社内でとんでもないことを無自覚でしでかすのでは?と思う。もちろん、業績が上がる類のことを。

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