アリア視点 RPK達の優雅な日常-5
「……………ジラ、このアイテムはもう一個あるのかなー?あるなら譲ってくれない?それか取り扱ってる店を教えて。買いに行くから。」
「ニーズヘッグ…………お前は辛党じゃ無かったはずだよな?なのになんでそれを欲しがるんだ?まさか兄ちゃんと同じ苦しみを味わってみたいマゾヒストなのか?」
ニーズヘッグがおかしくなってしまったのかと心配したエンペラーは、必死に止めようとしていたのだけど、ニーズヘッグはそんな事を気にせずにジラから未使用の『レッドポーションDX こんなの飲める奴いねぇ!!』を受け取っていた。
「全然違うから、デュラ兄。ちょっと別の使い道を思いついただけ。この『レッドポーションDX こんなの飲める奴いねぇ!!』はイッキ飲みする様な物じゃ無いから、イッキ飲みすると凄い耐性がつくことが分かったから、それを布に『染色』したりして作れば良いパペットが作れそうだから使うの。」
確かに良い素材になりそうだよね………性能だけならと思うのと同時に、また今度『鍛冶』の方でも実験してみようと思う私なのだった…………いや、まずは『ビルダ』の冒険者ギルドでビル娘を増やすのが先なんだけどね。
「そ、そうかぁ~、良かった。妹がおかしくなりかけていたのかと心配だったぞ!!」
「デュラ兄はリアルでも心配性すぎるから、少しは抑えてよ…………。私はもう子供じゃないし!!自立できるし!!」
「…………なら、エンペラーお手製弁当の卵焼きと唐揚げ、月と水に追加されるポテトサラダは私が貰おう。」
「すみませんでした私まだ自立したつもりなだけでした。だからやめてくださいよジラ!!デュラ兄の弁当の中で一番美味しい奴をピックアップして取られるのだけは勘弁を…。」
……………ニーズヘッグがリアルでのエンペラーの唯一の妹だとしても、エンペラーはニーズヘッグをとても心配しているし、甘やかしすぎなんだよなぁ………と思ってしまう。エンペラーは意外な事に既婚者でありながら二児(双子)のパパなのに、よく奥さんと子供に嫉妬されないなぁ……と思ってしまう。
まぁ、奥さんはニーズヘッグの幼なじみで小中高同じで大学は違えども地域が同じで下宿先が隣の部屋だった程仲良しだったので、姉気分でエンペラー同様甘やかしているのだろうと思えるのである。
まぁ、妹は甘やかしちゃう事多いよなぁ………と、妹を持つ身として私はその気持ちが分かるなぁと思いながら、『魔剣ヒルドレラ』の耐久値の回復が終わったので、それをエンペラーに渡そうとした。
しかし、ニーズヘッグが『染色』しているのをガン見していたので中々受け取ってくれず、最終的に私は『魔剣ヒルドレラ』の持ち手の部分で彼のつむじの部分をグリグリとするのだった。ちなみに、髪が数本落ちた頃にようやく気付き受け取ってくれました。




