暗雨視点 紅の水晶と唐辛子-2
「……………でも、『レッドポーションDX こんなの飲める奴いねぇ!!』の味も気になるような…………。いくら?」
『ティアさんだと半額で800ロムですから、ジラさんだと1600ロムですね。正直一番作りやすいのがこのポーションですから。普通に使えば20回分となっています。安い代わりに獄炎が吐けそうな程辛いですけど。』
私は辛い物が苦手なので遠慮していたが、安さに引かれて1つ購入し、ジラは3本買っていた。ジラは『地雷』アイテム好きだからなぁ………とスカーレットとマリンは溜息をついていたのだった。
ただ、先ほど買った『レッドポーション』の瓶よりも格段にでかいと思える大きさなので、どれだけ売れないんだと思ってしまうのだった。『レッドポーション』の瓶が試験管ぐらいだとすれば、『レッドポーションDX こんなの飲める奴いねぇ!!』は大きめのボウルレベルだ。
「…………じゃあ、早速飲んでみようか……………ほら、2人も。………スカーレットは辛いもの好きだったでしょ?………マリンもこれぐらい飲めないと年下扱いされたままだ世?」
「逃げ道塞がれた……………確かに私は辛党寄りだけどさ…………………。あくまで寄ってるだけなのに………」
「と、とととととととと年下扱いされるのは嫌です!!さぁ、どんと来いです!!ジョロキアなんて怖くないですよ!!」
そして、ペズミオスやウロボロス、ルギオグルも合わせた6人が、いっせーので飲み込んだ。そして、ペズミオスとウロボロス以外の4人が顔を酔っぱらったように赤くして、ダラダラと汗を流した後、火龍を吐いた………様な気がする程の勢いで叫んでいた。
『辛い!!辛いです総督!!いえ、辛いなんてものじゃなくて…………舌が!!舌が燃え尽きそうです!!誰か水!!水を!!』
「………………ここまでとは予想外すぎ!!…マリン!!水を!!早く!!お願いだから!!早く!!」
「無理です!!魔法となひぇひょうひょしても辛さで舌もイメージもむひぃです!!」
「だからやめようって!!止めたのに!!辛い!!ってウロボロスちゃん気絶してる!!辛いもの苦手だったけどここまで!?ても納得!!舌まだヒリヒリ所かさらに痺れ………。」
『………………………………………………。』
『あぁ…………大丈夫ですか!!総督!!(一口目で味覚が麻痺して良かった……………そうじゃ無かったら総督を落ち着かせようとする事もできず………。)』
まさに阿鼻叫喚と言える騒ぎになったため、私は好奇心に負けなかった自分を褒めてやりたいと思えてきた。効果が良いとしてもこの様な騒ぎが毎回起きるなら不評て安くなるのも分かる気がするなぁと思う私なのだった。




