暗雨視点 ダンジョンクリアと後始末-4
最初に確認したのはMVPドロップの『緑竜刀・楼閣』だった。見た目的には『銀狐刀・灰呂』と変わらないが、『緑竜刀・楼閣』の方は刃が少しだけ緑がかっていた。この武器の性能は…………そこまでぶっ飛んでいなかった。
『緑竜刀・楼閣』
・属性 火
・At + 172
・『跳躍』効果 10%上昇 『飛行』効果 50%上昇
・Wアーツ『竜縛結界』
・耐久値 5000/5000
・幼き竜の炎によって鍛え上げられた刀。竜が人間に炉として利用されたという苛立ちが刀身に伝わり、結界を生み出せるようになった。
「良かった……………。普通の武器だよ、うん。」
「いや、どう考えても普通の武器じゃありませんよね!?」
急に叫ばれたと思ったらマリンがそこにいた。なぜここにいるのかと聞くと、クエストを終わらせて来てもう一つのギルドが気になったからこちらに来ようとしたらしい。
「え?これ普通じゃないの?確かに私の今持ってる武器の殆どは性能では劣ってるけど…………。」
「Wアーツが一つあるだけでも充分普通では無い武器と言えます。それにAtの上がり幅も今の時点ならば強い方ですよ……………。」
私はマリンから正論を言われているのだろうが、私はアミエスの使っていた奴やヴァルツとのPVPの間に出来た弓の性能をじっくり見たために感覚が麻痺しているのだろうと思えてくる。マリンの言葉にはいはいと頷くことしか出来なかった。
『総督、この方はこの程度では驚くよりも安心する程の武器を見てきたのでは?(贅肉総督め……………どうせ色仕掛けで見せて貰ったに決まってるわ。あのタプタプな贅肉で誘惑して…………。)』
「あ、マリン。この武器を手に入れた時に倒したモンスターの倒し方を実演したいからペズミオス貸してくれないかな?PVPにしてくれればロムを少し払うから。」
「倒し方………ですか?気になりますし、PVPならペズミオスも倒れませんし…………って、駄目ですよ!!せめてクエストについて行かせて貰ってとかの方が良いような………。」
マリンが一回承諾しようとしていたが、結局は撤回したために私はペズミオスに私の事を贅肉総督と呼ばせないという事を徹底させられなかったな………。後、私は誘惑とかしていないし。姫プレイなんて出来るかよソロプレイヤーとして!!
心の中でそう叫びながら私は次の武器の確認へとを進む。これが終われば『ビル娘オーブ』の大判振る舞いとなる。いや、三人しかいないのだけどね…………。大判振る舞いと言うには少ないかもしれないが、まぁ使い方は間違えていないと、思いながらVWをタップするのだった。




