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暗雨視点  始まりの街-1

チュートリアルが終わったので、私はフレンドリストの位置情報を確認する………と、ものすごい勢いで近づいてくる反応があった。


ドドドドドドド!!とオノマトペの出るような走りを見せるのは暁美ねぇことデイブラックだった。Alがかなり高いらしく、遠く離れていたはずなのに、一瞬で私に抱き付いてきたのだ。


「ティアちゃん可愛い~!!狐耳に銀髪、九尾のフサフサ尻尾!!たまらん…………。ずっとモフモフしていたい…………。」


そう言いながら私の尻尾を触ってくるデイブラック………誰かデイブラックを止めて!!この尻尾、かなり敏感なの!!と叫びたいけれど、ビクビクと来る感覚で言い出せない………と思っていると、デイブラックに『警告』という文字が出る。


「………………運営のいじわる…………。」


そう言いながらデイブラックは私から離れた。VRO内ではセクハラに関しても段階がある。簡単に言えば、同性か異性かという事や、アカウントフレンドであるかどうかなどの基準がある。


家族同士のスキンシップということもあるが、今回のは私が止めてと思ったことが、警告の発生した原因となっていたのだろうと思う。


「いや、姉さん。あれだけの超スピードで抱きつかれてから尻尾を触れられたら嫌がる人多いと思うよ?」


鎧に盾とランスという重装備な格好で歩いてきたのはキナで、横にいるのは杏さんだった。心なしか、キナはとても青い顔をしていた。かなり憔悴しきっていると言った所か。


「……………いや、チュートリアル中ずっと後ろでバカップル全開にされたら誰だって疲れるから…………。」

「ご愁傷様です………………。あ、そういえば母さんと静は?」

「まだ来てないですよ。でも、そろそろ来るんじゃないですか?」


すると、母さんと静らしきアバターが向こうから歩いてきた。静は狼の上に乗って楽しているように見える。テイマー系のスキル構成にしたんだろうか?


そう思っていると、母さんは私達が全員いる事を確認する。すると、キナが母さんの所に着いていった。マザコンなため、タンクをやって母さんをサポートしたいという意志をキナが伝えると、母さんは着いてきなさい!!と快くキナをパーティに迎えていた。


パーティは六人までだが、召喚獣やテイムモンスターは数に入らない。なので、召喚系やテイマー系のスキル構成の人が不遇職だと言われることは少ないらしい。


キナが母さんパーティに入った事で一人ぼっちになった私をデイブラックはパーティに誘ってきたけど、基本ソロでやりたい私は断った。とりあえず後一時間ほどプレイしたらログアウトして夕飯を作らなきゃいけないからね…………。

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