暗雨視点 住居とか採掘とか戦闘とか-1
「さてと、じゃああの豪邸………今は私のマイハウスになった場所に入りますか………。」
『総督、あれだけ大きければ掃除が大変だと思います。』
「ウイングハート、よく分かってる。家族が多かったりしなければ豪邸なんて掃除が大変なだけだからって事、よく分かってるね……。」
そう言いながら私は扉を開ける。すると、次回ログインからここもスタート地点に選べるようになった。まぁ、そうで無かったらマイハウスというシステムの存在意義が薄くなっていくしね…………。
そう思いながら私はVWのマイハウス状況という物を見る。外からの見た目は三階までなのだが、十階は軽く越えていた。しかも一階分の面積が広いため、とんでもない量のビル娘が住めそうだと思ってしまう。
多分、6畳ほどの大きさの個室が、1階に100ぐらいはありそうだ。もっとも、豪邸の真ん中は吹き抜けになっているために部屋の数はかなり減らされたのだろうと思う。
……………いや、名前を覚えきれないほど使役しようとは思っていないのだけどね?と思いながら、りゅーほーとこううが自分の部屋を決めに走っていき、ウイングハートと風鶴は私の後ろに待機している。これ以上増やすなというプレッシャーは感じない。むしろ、増やさないとこのマイハウスの空き部屋が増えてかわいそうだというプレッシャーは感じるのだけどね…………。
1階にはビル娘というか居住者の個室と私の部屋に簡易的なキッチンに大きな倉庫があるだけだった。……………VWを見ると、地下室もあるらしい。そこには個室は無く、生産に関する場所が続いていた。上から順に『調薬』と『合成術』、『錬金術』用の作業所、『裁縫』と『装飾』用の作業所、『料理』用の台所、『爆薬製作』などの危険物を取り扱う物という物が続いており、一番下は『鍛冶』用の炉がかなりの数置いてあった。
炉の近くに置き手紙があり『これからもおつかいクエストなどご贔屓に。地下部分はサービスという事で無料で作りました。スキルレベルを上げる加護も付けたので誰でも使えますよ。』と書かれていた。つまり、地下部分は私が支払った500万ロムの内から1ロムも使われてないのである。
それに、地下では未修得の『鍛冶』などを覚えていなくても補正が出るようにしてあるらしい。『建築』スキルの最終進化系である『超建築』の恩恵凄いな…………と思った後に気付く。
リグルの商業ギルドからここまで一時間も経っていないはずだ。その間にこれだけの物を作り出すとは……と、感心を通り過ごして恐怖を感じた。いや、チートでは無いことは分かっているのだけどね…………。




