暗雨視点 錬金術-10
『海竜幻矢の海王紫弓』
・製作者 ティア
・属性 闇・水
・At + 380 Ma + 620
・水魔法威力 + 900% 弓術アーツ消費MP - 90% 幻影付加 + 10% Wアーツ『海竜の矢』『幻海神の矢』『災厄の雨矢』『一の矢・水平線』『未開放×5』
・MP10 → 1本
・耐久値 ∞
・海竜と海神の起こす災厄を全て飲み込んだ『幻矢の紫弓』が進化した姿。9つのWアーツを秘めている他、強力な力を持ち、まさに災厄と呼べる威力を持つことがある。魔力で作る矢とそれ以外の矢を使うことが出来る。未開放のWアーツはモンスターを倒し続けることで開放されていく。
あの『ビッグウェイブ』から出来たなら文句を言う人間は少ないだろうが、『神光剣ワルキューレ』に引けを取らないほどの武器だった。Wアーツというある意味ユニークな能力が一つついているだけでも大騒ぎできるのが、まさかの4つ、最大9つ。
幸い、ここには純粋な弓以外を使うプレイヤーしかいないので取り合いにはならない。むしろ譲り合いが多くなるような………しかし、この武器を私が持っているわけにもいかないだろう。『弓術』も『水魔法』も持っていないし………。
という事で、この武器はヴァルツにあげる………もとい、押し付けることになった。いや、だってこの武器が作れたのはヴァルツの『ビッグウェイブ』があったからだから問題ないだろうよ………そう思いながら。
「正直私も持ちたくは無いんだが…………まぁ、あの『ビッグウェイブ』よりはリスクの少ない奥の手になるのだから、心配はいらないか………。ただ、製作者の欄にティアの名前と一緒に私の名前があると、デイブラックが発狂しそうだが………。」
「その辺はどうにかしてください。まさかドロップアイテムじゃなくて生産アイテムとしてカウントされるとは思ってなかったんです。」
「でもこの方法なら荒稼ぎ出来そうだけどな………。でも、これの武器の条件ってなんなんだろうね?もしかしたらボスドロップでないといけないとか?ちょっと実験して見ようよ?」
リザがそう言ったので、言い出しっぺのリザがリグル地下闘技場で売っていた『アイアンシューター』を購入して私に渡してきた。そして、私とリザで再び闘技場のフィールドに向かう。
「『アースショット』!!」
「…………『属性精錬』・『進化合成』」
あの開始キーを書くのは省略して、結果だけを話そう。結果は失敗。理由はやはりボスドロップの武器では無いからと、威力不足である事、あの複合アーツは現実時間で1日に1回しか使えないという誓約が存在していたからだ。
「……………まぁ、良い武器を買ったから損はしなかった』……はず………」
「そうですよね………あ、これは返しておきますね。私のロムで買ったものではありませんから。」
リザは少し残念そうな顔をしながら、『アイアンシューター』を受け取っていた。その後、リザはヴァルツとフレンド登録が出来たことを喜び、先ほどまで落ち込んでいたのが嘘みたくなったのを見てから、解散するのだった。




