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暗雨視点  錬金術-5

リグル地下闘技場のフィールドを一つ貸し切って、私とヴァルツはそのフィールドに移動した。観客席にはアザネ以外の『ササンペルシャ』のメンバーがいて、お互いにどちらが勝つかを言い合っていた。


ヴァルツの持っている『海木の杖』はタクトというイメージではなくロッドというイメージの方であり、長さはヴァルツの頭一つ分短いという物で、魔術師として様になっている雰囲気だった。


「姉さんは、ティアと『闘い』の分野でハンデがある状態でも良いから勝てるようにしておかないと、私は姉さんの持つ強さには届かない………。だから、今回こそ全力で勝たせて貰う!!」

「あの性悪弁護士め…………またヴァルツさんに変な事を吹き込んだな………。ハンデがあるのは確かだけど。私とヴァルツのレベルは10も違うんですけど………。」


だが、あの性悪弁護士……ヴァルツのリアルの姉に憧れるヴァルツの気持ちも分からなくはない。あの性悪弁護士は弱者でありながら、戦いに勝つという人間なのだから。


簡単に言えば、あの性悪弁護士は無知である。幼い頃の障害?から痛覚が内臓を除く全ての部位に存在しない。また、霊感が無いため相手の霊能力の効果を受けず、気付きもしないよあな事もあるためか、彼女が勝利したという言葉は少ないが、彼女が敗北したという事は一度もない。


だけれども、ヴァルツにはあの性悪弁護士の様になって欲しくは無い。弁護士を目指すとかなら止めはしないけれど、あの性悪弁護士になるという事は止めて欲しいと思えるのだ。


………話が逸れてしまったので、ここらで場面を元に戻そう。私は『銀狐刀・灰呂』を取り出して装備した。そして構えを取り、親指に力を入れておく。私には開幕○○と言えるような強力なアーツは無いため、相手がどの様な動きをとってもすぐに対応できるように備えることしか出来ないのだけどね………。


「じゃあ、始めようか。」

「そうですね………。夕飯の支度やチョコケーキの仕込みの事もありますし。」

「………………大変だな、ティアは。だが容赦はしないぞ。」

「お互い様の様な気もしますけどね………。」


そう言い合った後、PVPのカウントダウンが始まったので私とヴァルツの会話は無くなり、静寂の時が流れた。そして、カウントダウンが0になった時、動いたのはヴァルツだった。


ヴァルツはPVP開幕早々言霊を伴ったアーツを私に向かって撃ち出した。それは、私がヴァンパイアである事を分かっていて、この言霊を使ったのだろうと思う。


「『穢れ無き水を放て』『アクアボール』!!」


ただ、私もこれを受けるわけにもいかないため、デスマーチ後に修得したばかりの『無属魔法』のアーツ、『インパクト』で撃ち落とすのだった。このアーツは使い勝手良さそうだなぁ……と思ったが、すぐにヴァルツとのPVPに意識を戻すのだった。


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