暗雨視点 スキルについての情報交換-7
「………もしかしたら………あの……CM……尻尾………じゃ……なくて………胸………狙って……いた……?」
「流石に犯罪行為に繋がることはしないと思いますけど…………それでも、あの胸はずるいですよ。システムで盛っている訳でも無さそうですし。」
そう言いながらロザリーとラグナは自身のまな板とも呼べる程平坦な胸を掴んでいた。いや、中学時代には私もそれよりも僅かに大きいぐらいの胸だったはずなんだよ。洗濯板と呼べるような感じのね………。
「システムで盛っていないのはデイブラックが指摘しないことから明らかだ。しかし…………なんであそこまで胸が大きくなったのか………気にはならないか?」
「……………ティグレ……も………胸……大きく……したい……でしょ………?同じ……ペチャパイ………同士……ティアに………ご教授……願おう?」
「いや俺男だからね!?もう何回このセリフ言ったか分からないけど男だから!!胸無くて良いんだよ!!つーか気にする人多すぎて嫌になるぞ!!バイト先でよく話題にでるけど、VRMMOの中で話すことは無いようにして欲しかったよ!!」
ティグレの叫びは確かにティグレが女であることを否定しようとしている言葉だった。しかし、本当に男なのか分からないため、ロザリーとラグナ、後デイブラックにも同情されていた。
「でも、この中で他に胸が大きい人ってヤマト先輩とルラフ、ヴァルツしかいませんよね………。」
「私は普通クラスのCカップですからね……。でも、ハンマー使うときに邪魔になりやすい時もありますね……」
「姉さんが反応を面白がって毎日毎日揉んできたからか、無駄にDカップまでなってしまったんだ……。」
「おなかに脂肪が行っていないことは良いことなんですけどね…………。」
そう胸の大きい人の一部が話していると、その発言から心がさらに折られたのか、はたまた嫉妬の感情が爆発してしまったのか、ラグナが怒ってしまった。
「胸はそこまで簡単に膨らまない………。恋しても、マッサージしても、オススメされた食べ物を食べても………ペッタンコのままの人もいるのに………。……それを駄肉と言う人の気が知れない……」
「………なんで胸というか、巨乳と貧乳いう概念があるんでしょう…………。皆平等な大きさなら誰も文句を言わないのに……。中学で成長する兆しが無ければ負け組になる可能性の多い世界なんていらないですよ……」
いや、私は高校の時から急に大きくなった訳で………駄肉とまでは言わないが動きづらいけどさ………皆平等は無理だと思うよ………と思ってしまう。そしたら人間=量産品のロボットになっちゃうから……。
「でも大学生である私にはもう将来は無いかもしれない………。だからせめて、コツだけでも教えてほしい………」
「私もお願いします。胸を少しでも大きくできれば、明夫が他の女性に迷惑を掛けるという事が少なくなると思うんです……。」
二人はそうやって懇願してきたけども、私は何も教えられそうに無いため、ヤマト先輩達にアドバイスを任せることにした。………だって高校に入ってから原因不明で今の大きさまで大きくなったのだから、説明のしようが無いのだから。




