暁美視点 チュートリアル前-4
間が悪いので、暁美視点のキャラメイクとチュートリアル前を統合しました。
「姉さんっていつも重要な事を忘れている時があるよね………。今回のAtとDfの合計値の事や、小学校の時の陸上大会でのコール、さらには中学時代には予約してたのを忘れていて百合ゲーをダブらせてたし、高校だと狩りゲーで集会所一つもやらないで村全クリして老殿出て来ないって泣いてたような…………」
「…………別に良いもん。これからは全てAlとLuに全振りするもん。」
キナは、そう言いながら私の肩をポンと叩いていた。だが、私のテンションは下がっていく。慰めようとするならせめて古傷を開かせないで欲しかった。
「杏~。キナが虐めるよぉ~。」
「大丈夫、そんな所も含めて、僕はデイブラックの事が好きですから。」
「杏…………私も、杏が大好きよ!!」
それから、私と杏はお互いを抱きしめ合った。杏はリアルだと黒の髪なのだけど、今の杏は黄緑色の髪でありながら、髪の色と同じ色の薄い羽が背中についていた。
ちなみに、キナは短い髪にアホ毛、視力が悪いためにかけている薄いフレームのメガネという、髪の色以外はリアルそのままだった。まぁ、髪の色はアホ毛だけが黒、残りは灰色と、かなり変わった髪色だった。
「あ、あの~………いや、姉さん狙いで声をかけようとしていた男性プレイヤーが一気に退いていったのは良いけどさ………。せめて、私がいないときにやって貰えません?」
キナか何か言っているけど、私はVRMMOの中でも変わりない杏の暖かさを感じている私の耳には届かなかった。しかし…………。
「杏さんはどんなアバターにしたんですか?」
この言葉には反応しなければならなかった。前回一緒にゲームしたときはキナの様なタンクだったような気が………。
「前回は、デイブラックを守るためにタンクにしたんだけど、回避連打型って知らなかったから………。同じ失敗は繰り返さないように、今回はヒーラー構成にしてみたんだ。」
そして、ステータスを見させて貰うと、こんな感じだった。
杏 フェアリー 僧侶
Lv.1 SP Ma + 10 St + 10
装備
武器 フェアリーロッド Ma + 20
ハイバックラー At + 3 Df + 9
防具 僧侶の服 Md + 30 Lu + 10
HP 200 基礎値 30
MP 100 基礎値 10
At 2 + 3 Df 6 + 9
Ma 4 + 30 Md 8 + 30
Al 2 De 5
St 2 + 10 Lu 10 + 10
メインスキル
『回復魔法・5」『浄化・5』『光魔法・5』『テイム・5』『料理・5』『祝福の光』
サブスキル
『紋章制作』『盾術』『祈祷』
残りSPP 0
所持金 1000ロム
「……………ど、どうかな?デイブラック?」
「最高よ!!やっぱり杏は私の運命の恋人よ!!」
私は杏に抱きついた。前方で翻弄しながら、後方で回復や魔法での追撃…………かなりバランスが取れているわ!!そう思いながら、私と杏は抱きしめ合っていた。
「……………もうこの二人は放っておいて、チュートリアル終わらせて早くママと合流しよう………」
キナが何か言っている気がしたけど、気のせいだったのだろう。私と杏はラブラブしながらチュートリアルに向かうのだった。