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暗雨視点  ササンペルシャ-4

そのまま朝丸は私に話した事と同じ内容のまま、商業ギルドについての説明をササンペルシャの五人にしたが、私が『アカイワ村』に行ったという事もあるため、その方面の話も追加されていた。


「まず、VROの設定ではリグルに来る前には別の村にいて、そこからチュートリアルを終えながらリグルに来たという物だが、この商業ギルドではその村との交易も行っている。」

「他にある名のある商人が兼用している商業ギルドではしていないんですか?」

「アイツ等の場合、高く売れる物が無い事と手間がかかるという理由からクエストなどはやっていないな。元々このリグルとは別の国と取引をしているからなぁ………。」


そんな訳で、少しでも利益を多く取ろうと『素材提供』クエストを隠蔽して素材集めをプレイヤー任せにしたり、その素材をQPで売ってしまうという事が多いのである。


「この商業ギルドでは、素材は提供されるクエストがあるし、素材を手に入れやすい場所にも行けるじゃ無いですか!!すっげーすよ!!」

「まぁ、そうだろうな。『アカイワ村』は鉱山があるし、『アオウミ村』では釣りし放題、『リョクシン村』では伐っても伐っても生えてくる木材の森があるからなぁ………。基本有料だがな。」

「私は鉱山の無料パス貰いましたけど、あれは運が良かったような…………。お使いクエストなんて滅多に出ないでしょうし。」

「カレートンはそんな奴だ。こっちで報酬はやるっつってんのに渡しやがるからな…………。まぁ、プレイヤーではティアが初めてなんだがな。」


確かに、採掘場の無料パスはクエストの報酬には書かれていないもんなぁ…………。そう思いながら私は、『釘』の納品クエストを探す。もう少しで『錬金術』が入手できそうだしなぁ………。


「あの~、そういえば村に入るための許可証は、お使い以外ではどう手に入れるんですか?お使いクエストはたまに所か極稀にしかでないんですよね?」


ロザリーが的を射た発言をすると、朝丸は壁に貼り付けられているクエストの紙を指さした。そこには『釘』のクエストも少しあった。しかし、軽く100を越えていると思えてくる。


「とりあえず、あそこのクエストの紙を片付けて新しいクエストを貼れるようにしてくれ。そうすれば『アカイワ村』と『アオウミ村』、『リョクシン村』への通行許可証をやるよ…………。」


気持ちは分かる。大量のクエストの紙を片づけたいという気持ちは分かるが、貴重な物をポンポン出さない方が良いような………と思えてくる。


「…………あれだけの量を!?いや、生産スキルは全員持っているからやることは出来るけどさ…………」


アザネかそう言うと同時に、クエストを大量にクリアしろというクエストが開始された。…………まぁ、未知のエリアに向かうことが出来るようになるので、クエストをクリアするクエストという事には突っ込まずに『ササンペルシャ』と共にクエストの紙のある壁に向かうのだった。

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