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暗雨視点  ササンペルシャ-3

「そういえば、ティアはあの『空組』のCMを倒してましたよね…………。」

「あぁ~、確かに。あれは凄い迫力だった。首絞めていたからなぁ…………。明夫とリュグルは知らねぇかもしれねーけど。」

「仕方ないだろ…………。あの武器がチートすぎたんだよ………。まさか武器の引き継ぎであそこまでの奴を持ってこれるとは思わねぇじゃねぇか。」


まぁ、明夫もリュグルもPVPで負けた後だった事とPAをしなかった事もあったのでボロ負けして気絶するのも仕方ない事だ。まぁ、そのおかげでティグレが『空組』に強制加入させられずにすんだのだから良しとする。


「明夫やリュグルの言い訳は聞かないとしても、あの攻撃力はβテスト時代から変わっていませんでしたからね………。多分、武器の性能だけならアルカナプレイヤーになれていたかもしれませんね。」

「そうだよなぁ………βで手に入れた武器で、俺達が手に入れたのはAtが120アップする奴だけだったしなぁ……。しかも、殆どのステータスが低下する奴だったし………。」


どうやら、『神光剣ワルキューレ』はかなりレアな武器だったみたいだ。しかし、現在それは私の『全鉄製の薙刀』の合成素材に使われて消滅している。それは、スレを見れば誰もが知ることになるだろう。


「そこで疑問に思ったのだけど、ティアはなんで『空組』のCMの武器だけを消滅させたのかしら?生産系のスキルならクールタイムも無いはずなのに………」

「……………いや、『薙刀術』の実験として明夫とは闘ったからなぁ…………。それに、アンシュの時は最初余計な横槍入れてきた奴がいたし。」

「つまり、元々『合成術』のスキルは使わないと思っていたって事?」


それに頷くと、ルラフは納得したような表情を見せた。正直言って『合成術』使わなくてもアミエスには勝てたのだろうけど、面倒なので使ったというか、アミエスの外道さに憤慨して使ったというか…………。


「私としてはPVP関連でも気になる所はまだあるけど、一番気になったのは、あのマフラーについてよ。βテストの時にはマフラーは無かったし、どのスレでもマフラーに挑戦したという記事はあっても、あの色の毛糸は無かったもの。」


どうやらルラフが私に聞きたかったのは、『幻影色のマフラー』についてだった。…………そういえば隠しエリアでのフィールドボスだったね、うん。


すっかり忘れていた気がするような………まぁ、アカイワ村で村長のカレートンと話したり、父さんのアバターと会ってそのアルカナの能力に驚いたり、クランに入る入らないを決めるPVPしたり、ついさっきまで『鍛冶』で実験しまくっていたという事もあり、これがかなり貴重である事を忘れていた。


チートやらを疑われたくないので、私は朝丸に説明をしてもらうように求めた。暇を持て余していた朝丸は仕方ないなとでも言うようにこの施設の説明を始めるのだった。

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