優視点 派生クエストの処理作業です-5
あれからさらに数時間経過した所でアークスさんの社が完成しました。まぁ、素材が良いとはいえ私の図工レベルはそこまで高くないので箱を作った後、屋根っぽくなる様に板を打ち付けたレベルの物で、今はログハウス風の教会の中に入れてあります。
「細かい作業をするのが凄く大変でしたよ……。」
いくらなんでも鉄兜の形のトンカチを使って精密作業出来る人なんていないでしょう。その為かなり不格好ですがアークスさんは私にお礼を言った後、報酬として社にご神体らしき物を置いていきました。
まぁ、鑑定するまでも無くご神体なので放っておく事にして私とアークスさんはピエールさんの所へと向かいました。すると、ピエールさんのモザイクがかなり凄いことになっていました。何かに座っている様ですがそれがなんなのか全く見えません。
『拷問に使う道具は児童誌等のギャグ漫画とダークな青年誌では見え方が全く違うんだよ……だからモザイク付く訳。』
「そうなんですか?」
『最近の小学生は青い狸がメインの漫画雑誌はあまり読まないのかな?』
段々とレベルが下がっている様な気がして見ることが出来ていないんですよね……。とある人は小学五年生くらいまでは読んでいましたが、別の分厚い少年誌に乗り換えてからは読んでないそうですけど。
『物凄い名前の長い名前を読者投票で付けられたキャラや発音できない名前のキャラが出ていたギャグ漫画ではデフォルメされまくっているけど、リアルに描写すると現実よりも恐ろしく見えるから。』
「それには同意しますけど……。」
『ちなみに拷問している時に粋なBGMを流すのもまた一興。』
リューナクさんはそう言いながら有名すぎる肉焼きのBGMを流し始めました。初代からあまり変わらぬ音楽と変わらぬまま表示されるモザイク。そのモザイクにオレンジ色が加わり、ピエールさんが何をされているのかがなんとなく想像できました。
それから音が消えて少しした頃に棒に括り付けられたピエールさんが香ばしい香りと美味しそうに見える焼き色を付けながら掲げられました。
『上手に焼けた。これを食べれば一発でスタミナ全開。胃もたれもありません。』
「でも時間が掛かるのでしょう?」
『そこはまぁ……プレイスタイルで補おう。』
『というかあれはCEROで15歳未満はプレイできない筈では…?』
今の時代、CEROなんて18禁以外ほぼ飾りですよと思いながら私は段々と元の姿に戻っていくピエールさんを見て安堵しながら思うのでした。




