優視点 派生クエストの処理作業です-1
「そういえば残っている派生クエストも処理しないと……。」
そう思いながら画面を開くと《海の女神を説き伏せよ》が消えており、《副神の社を建てよう》《ピエールを拷問してドSに目覚めよ!》の2つだけが残っていました。
『消えたのはセイを説き伏せる必要が無くなったから……。プリンを返させる必要も無くなったわけ。』
『所謂どちらかをクリアするとどちらかがクリアできなくなる仕様という訳ですね。』
そんなこんなで残り2つになった訳ですが……建築スキルが無い今、達成すべきは《ピエールを拷問してドSに目覚めよ!》なのでしょう。芸の女神を拷問しても良いのかは分かりませんが、他の女神達と違って名指しされているのには何か意味があるのかもしれません。
『ピエールは既に拘束してある。』
『まぁ、少し時間がありましたからね。』
アークスさんとリューナクさんがそう言いながらピエールさんらしき人をとある空間から引きずり出しました。ピエールさんはタキシードにマスカレード、黒のシルクハットという姿をしており、再放送されているアニメで見たような見た目だと思えました。いや、女性の筈なのになぜその格好を……と思っているとリューナクさんが『今は男装に嵌まっている』と耳打ちしてきました。
『……くっ、殺せ。』
「なんでそこで女騎士になってるんですか!」
『俺はドMじゃない!ただ楽しそうな事が好きなんだぁー!』
『だからこれから痛みを楽しい事に変えるのですよ。あんな茶番に私を参加させた報いです。』
ピエールさんはそう叫びながら魔力で貼り付けにされているのでした。その様子を見て困惑している私にリューナクさんは鞭と七面鳥の丸焼きを持って私に近付いてきます。
『ウィップorチキン?』
「なんで機内食風なんですか!?」
『良いから。ウィップorチキン?』
「え、え~っと……それならチキンで……。」
なぜ七面鳥の丸焼きが……まさかアレルギーが?と思いながら見ているとどうやら違うようでした。小学生には見せられないのかモザイク加工してある事、殴る役が私では無くリューナクさんである事もありますが……その光景はあまりにも衝撃的でした。
『脂が!七面鳥の脂凄い!凄いヌルヌルしてる!肌ギッタギッタになる!辞めて!せめて顔を拭かせて!脂すっごく気持ち悪い!』
『………。』
『無言辞めてください!顔を!せめて顔を!仮面もなんだかヌルヌルしてきたぁ!』
ピエールさんが叫んだ後、リューナクさんがアークスさんにバトンタッチしていました。その関係で七面鳥は顔を殴ったので衛生的に不安な事もあり廃棄され、アークスさんの手には鞭が握られていました。
ちなみにそこからは音声にも規制が入ったのかミュート状態で進んでいったので私は知らなくて良い世界を知らないままの状態でクエストをクリアする事となったのでした。
 




