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暗雨視点   VS 空組-3

『神光剣ワルキューレ』て三人を攻撃し続け、虫の息になった所で、アミエスは私の方に振り向いた。さっきから三人への攻撃に夢中で気付かなかったらしい。


「………………さて、ようやく黙りましたか…………って、なんですか?PVPは無駄になりますから、やらなくてもちゃんと『空組』には入れてあげますと言ったはずですよね?」

「……………………って、ようやく気付いたのか、外道。さっきから開始の合図がしていたはずなんだけど。」


すでに現実時間で丸8日………ゲーム内時間で48日と、一ヶ月以上牢屋にいなければならなくなっていたアミエスは、『神光剣ワルキューレ』を私の方に向けた。それに対して私は『全鉄製の薙刀』を取り出し、装備する。


「外道には不意打ちする必要は無いからね………。デスマッチらしく、全力を持って叩きのめしますから。」

「ほほぅ?レベル12がレベル38にかなうと思っているんですか?それに武器の性能も、雲泥の差です。僕の勝利は確実なので、武器を壊されない内に降参した方が良いですよ。」


そう言いながら、アミエスはアーツ名を静かに言った。そのアーツの名前は『ライトニングブレイド』…………アミエスの種族、光人なら『剣術』のスキルが低レベルでも覚えられる様になる高威力で速度も速い。


当然『神光剣ワルキューレ』のスペックの高さから新規プレイヤーには避けられない一撃必殺と言った所だろうが……………私はそれを簡単にかわしていた。なんせ、上から下に叩きつける動作であり、さらには方向を直前で変更できない。


レイドボスなどの動きの遅い奴や、格闘技などに精通していない一般人には通用するだろうが、生憎私は格闘技は少しだけかじっているので通じなかった。


『ライトニングブレイド』というアーツは、そのアーツ発動の直前に横に逃げられてしまうと、見事な空振りという結果になる。だが、レベルが自分より低い相手に、自分の一番強いアーツがあっさりと避けられた事でアミエスの表情は変わる。多分、『ライトニングブレイド』のクールタイムは長いのだろう。


「……………まぁ、手加減とかは必要ないしね………。私の方も、多少は卑怯と呼ばれても仕方のない事はするかもしれない。でも、これはデスマッチ。運営から直接抗議が無ければ、正攻法となるし対策も後で判明する………実際、ありそうだしね。」

「何を独り言言ってるんですか?次は避けないでくださいね?痛くはしませんから。やっぱり、このPVPは無駄です。そんな実力があるのなら、ますます『空組』に入るべきですよ!!」


アミエスの金切り声がやかましいが、私は気にせずに右腕と右手のみを使って、『全鉄製の薙刀』を持ち、左手をフリーにした。これからやろうと思っていることには、薙刀を両手で持つという事が出来ないからだ。


「……………じゃ、『空組』に私が入る価値も無いようになるか試してみようかな?」


小さく呟いたので、その声は誰にも聞こえずに消えていくのだった。

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