優視点 初めての探索です-7
あれから{草原}フィールドに戻ってきましたが、雑草の刈り取り等をしていて気がつかなかったのか〖微薬草〗の群生地を見つけたのでそのままクエストに必要な数を取った後、私は本当に知らなかった光景を目の当たりにしていました。
「いやぁー!誰か、誰か助けてぇー!」
「くっくくくくく来るなぁ!こっちに来るなぁ!」
「やめてくれ、やめてくれぇ!俺は悪くねぇんだぁぁぁ!」
「OBUTUは消毒ネ~。」
「ゾンビ怖いよ!なんでここまで造り凝ってるの!」
「草原に現れても自滅しねぇ!ただ余計に怖さが増してるぅぅぅ!」
「気持ち悪いよぉ……怖いよぉ…。」
「カサカサカサッ!てゴ〇ブリかよ!なんで骨の音がそんな音なんだよぉ!」
「うぅ………おっかちゃぁーん!!」
まさしく阿鼻叫喚と言える様な光景が広がっていました。それも私のいる場所と町の入り口の間で起こっているので迂回する事も出来ません。いや、直進しても問題ないですけど〖腐魔避けのお守り〗を盗られたくないんですよね……。これを無くすとクエスト失敗という形で違約金払う事になりますし……。
「……そもそもなんで太陽の光で弱体化してないんですかね……。一部物凄いアグレッシブなゾンビいますよ……。もうあれゾンビじゃ無くてグールとかに名称変わっているでしょうけど……。」
迂回する為のルートについて考えながら私はアグレッシブなゾンビが次々とプレイヤーを光の粒子に変えていくのを見ていました。するとそのゾンビが叫び声をあげながら姿を変えていきました。……ただ、その変化を見て私は探索に行くの早まったかなぁ……と感じたのでした。
〔グール・of・ベルセルク〕 Lv.120
タイプ:レイドボス S-0+10
このモンスターは変化前は〔グールナイト〕という名前でしたが進化した時点で異質な名前に変化していました。それに身長が160と平均よりも低い男性だったのが進化した事により4メートル程にまで巨大化し、さらには体から常に何かの霊体……鑑定の結果〔ミニレイス〕という物を放出しており、レイドボス感を醸し出していました。
「………〔プリンセスビー〕に〔エアショットトレント〕、挙げ句の果てに〔グール・of・ベルセルク〕に遭遇するって……どれだけ波乱の展開なんですかぁぁぁ……。」
私の心が折れそうになったその時、天空から炎を纏いながらキックを決める人が現れました。その女性は「RYU-SEIキックネー!」と叫びながら〔グール・of・ベルセルク〕に一撃を喰らわせていました。ただ、私はその場から動けないというか動いたらすぐに巻き込まれそうなので近くにある物をせっせと採取する事にしたのでした。




