優視点 初めての探索です-6
私がクエストアイテムについて話すと男性は「少し待ってくれ」と言ってチャット画面を開きました。まだクランを設立する事が出来ていないためメンバーを固定した連絡用の掲示板らしいです。どうやらこの男性の許容範囲を超えていたらしく他の人に話を聞くことにしたそうです。
その間に半セーフティエリアの概念について話して貰いました。これはセーフティエリアというモンスターが完全に侵入できない場所とは違い、モンスターに視認されにくくなる様な物らしいです。なのでトレイン等の行為に非常に弱いらしいです。まぁ、それでも普通のフィールドの中では重宝するらしいですけどね……。
「……まず赤い果実と言われている〖ツリーベリー〗と〖胡桃〗はこっちの森の木じゃなくて〔岩山〕フィールド側にある木で採れるアイテムらしい。こっちの木は木材用の木だらけだからな……」
「確かにそうですね……。」
「……で、〖米花草〗も{岩山}フィールドに群生地があるらしい。ただ、……〖上薬草〗はこの森の奥にあるらしい。……どうするんだ?〔プリンセスビー〕や〔エアショットトレント〕の討伐が完了する時期は未定だ。それに騎士団に応援を頼もうにもあの馬鹿な事したプレイヤーのせいで信頼度駄々下がりで話はできるが{草原}までしか来てくれないからな……。」
「………なら、先に{岩山}で攻略できる物をやっていこうと思います。」
私がそう言うと男性は「それが賢明だな。」と言った後に忠告してきました。「アンデッドに襲われないように気をつけろ」と。
「……アンデッドって{草原}に出るんですか?私は遭遇していないんですが……。」
「……もしかしてそのアイテムを装備しているからじゃ無いのか?」
男性が指さしたのはクエストで付けている〖腐魔避けのお守り〗でした。これを付けるクエストはかなりお得だと思って受注したのですが……、そういえばワールドクエストが始まってアンデッド系モンスターが出てくるようになっていましたよね……。
〖腐魔避けのお守り〗
品質 A/A
・アンデッド系モンスターが半径5メートルの範囲で出現しなくなる。また、発生しているアンデッド系モンスターに接近するとそのアンデッドモンスターが地中に潜ってしまい攻撃不可となる。その後、その場から離れると歳出減する。この時に相手モンスターのステータスは地中に潜る前と同じとなる。
「……これ便利そうだが持っているとワールドクエストをリタイアしますと宣言しているのと同じだよな……。」
男性が言った言葉に賛同した後、私は一旦町の方まで戻る事を決めたのでした。まぁ、帰り道も行きと同じで大した波乱は無いでしょうしね……。




