優視点 初めての探索です-2
あれから数十分が経過した頃……私は{草原}フィールドを越えた先にある{森}フィールドまで来ていました。その過程で〖石ころ〗を規定数まで集める事が出来たらしく、クエスト名が青色に変わっていたので、このままの勢いで【微薬草】も集め終えようと思ったのですが……現在息を潜めながらある物が森の奥に戻っていくのを待っていました。
〔プリンセスビー〕 Lv.50
タイプ:モブチーフ C-2+0
モンスターが出てこない事で油断した私は大きな羽の音が聞こえたので身を潜めると、木の奥から〔プリンセスビー〕が飛び回っているのを確認しました。……ただ、今回の目的の中にはハチミツ系のアイテムは入っていないので現在こうして闘わなくても良いように隠れているのです。
「………早く戻ってくれませんかね……。少なくともあのアイテムを回収したら戻っていくでしょうしね……。」
私は〔プリンセスビー〕が持ち出そうとしているアイテムを確認しました。するとここがゲームの世界である事が分かる様な説明文があるのでした。
【鑑定士見習い・3】→【鑑定士見習い・4】
〖蜂の金巣〗
品質 A/A
・役割を終えたビー系モンスターの巣。蜜と働き蜂のしがいなどが固まった事で金色に輝いている。基本的に新しい〔クイーンビー〕となる〔プリンセスビー〕の栄養食となる事が多い。金色ではあるが金とは別物である為に加工出来ない。複数の〔プリンセスビー〕がこれを取り合う事は珍しいため見れば幸運になると噂されている。
気がついたら【鑑定士見習い】のレベルも上がりましたが今はそれどころじゃありません。あのままだと私は〔クイーンビー〕になった〔プリンセスビー〕によってやられそうだからです。実際持ち帰ろうとしているのでは無くしがみついて囓っている感じですからね……。
ちなみに〔プリンセスビー〕は普通の蜂のサイズでは無くらランドセルと同じくらいの大きさなので普通に視認できます。……危なくなったらどうしようかと思いながら私は慎重に後ろに下がりました。大丈夫、まだ死角、まだ死角にいると自分に言い聞かせながら下がる事は得策でした。しかし、私は想定外の事が起こる事を全く予知していませんでした。
「痛っ!!何これ痛っ!」
HPは全く変化していないのにも関わらず激痛が私を襲いました。その原因がなんなのかを確認すると………それはとても小さな……蝿の様に小さい蜂が原因でした。
〔イタタビー〕 Lv.1
タイプ:モブ G-0+0
完全に痛覚への刺激メインと言えるモンスターを見て私は噛まれていたうなじの部分をパァンと叩きました。するとこの〔イタタビー〕はHPが低いのか消え去りましたが………先程〔イタタビー〕から与えられた痛みで出した叫び声によって〔プリンセスビー〕に気付かれてしまうのでした。
 




