優視点 探索用の準備です-9
ミカグラさんは{ルート防具店}の方は入れましたが、{ミゾカ細工店}を認識できていませんでした。これは私がドアを開けても同じになっていました。
「………ルートクエストの可能性ですか……条件は何か分かりますか?愚兄達は連れてきていないので思う存分話してください。」
「推測しかできませんが、メモ機能に書いたデザインを見せる事が条件だと思います。ただ、{ルート防具店}では装備を作って貰えましたけど{カル裁縫店}では何も貰えませんでした。」
「成るほど、それならすぐ出来そうですね……。少し待っていてください。私も{ミゾカ細工店}とやらに入れる様にしてきますので……。」
それから数十分程でミカグラさんは戻ってきました。ただ彼女は新しいウエストポーチを腰に付けているのでした。
「検証してみたのですがデザイン画を渡した時に素材の一部を持っていれば作って貰えるそうですね……。私の場合は{カル裁縫店}でこのバッグを、ルート防具店では戦闘用の装備一色を貰う事が出来ました。」
「そうだったんですか……。私の場合は素材が無かったから{カル裁縫店}では紹介だけだったという訳ですね……。」
ただ、{カル裁縫店}と{ルート防具店}でデザインを見せて満足して貰えば{ミゾカ細工店}を紹介して貰えるという事なんですよね……と思いました。
「……でも{ミゾカ細工店}では鍵穴やクエストはありませんでしたけどね……。条件が揃っていなかった可能性もありますけど。」
「でも色々な事が出来る万屋みたいな所ですから紹介されただけでも充分だと思います。問題はβテスト終了後は行けなくなる可能性がある事ですね。」
その事に気がつくと私はやはり自分で色々とやらなければならないのか……と思いながらミカグラさんと別れました。ただミカグラさんはお礼として〖初心者ポーション〗を5本ほどくれました。
「……少ないけどお礼です。」
「ちょうどこれから探索に行こうと思っていたので助かります。私は自力で調薬出来ないので……お金も500Gしか無いですし。」
まぁ、なるべく使わないように探索したいなぁ……と思いながらミカグラさんと別れました。それからしばらくして私はフィールドに出るための門の所まで行こうと走り出しました。
そんな時………ワールドクエストに関しての通知が届きました。そこには{荒波の雫}の事では無く……《WC・ファントム・アーチャー》という新しいワールドクエストが開始されたという通知なのでした。
 




