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油揚げは正義

魔法だっけ?

なにあれ、こわい。何で何にもないところから火とか水とか出てくるの。

ぱんって叩くだけで手からいろいろ物召喚するのやめて。そしてなぜそれをその辺に置くの。何かするのか。・・・は?いつも何食べてるかって?何だよ、急に。


『・・・これ』


『何ですか、その大量にある茶色い物体は?』


『見て分からんか、油揚げだ』


『他には?』


『ない。美味いぞ。おまえにも一つやる』


『そんなものばかり食べていては体に悪いです。というか生のまま食べないで下さい。お腹壊します』


油揚げバカにするな。油揚げは正義だ。いやいや私妖怪だから。食べてもお腹壊さないし、そもそも栄養いらないし体に悪いとか関係ないから。

・・・え?うわっ、何をする!返せ!


『没収です。今日から三食バランス良く食事をとって下さい』


誰が食うか!人間なんぞが用意した食事なんか・・・ぐぅ。うわぁああ、だ、断じて腹の音なんかじゃないぞ!違うといったら違うからな!違うからどっか行ってろ!・・・はぁ。

ううう、旨そうな匂いが悪いんだ。一口くらい。・・・美味し・・くなんかないかな!あー、まずいまずい。ほら、余りにもまず過ぎてもう皿に残っていないではないか!・・・本当は美味しかったんです、ごめんなさい。



* * * *


おそろしい。まったくもって、おそろしい。何が恐ろしいかって、毎日誰かと会話をして飯を食ってるのが。


「いいか、私が帰る前には出ていけよ!絶対だからな!」


「晩ご飯、いなり寿司と竜田揚げ、どっちにしましょうか」


「いなり寿司!紅生姜も付けといて・・・って、違ぁううう!」


「あ、やっぱり竜田揚げの方がいいですか?」


「・・・もういい」


「いってらっしゃい。お気をつけて」


今日は出かける。

引きこもりだって、たまには外に出るさ。・・・五百年ぶりくらいだけど。


妖怪たちの集まりがあるんだ。

人間で言うと・・・座談会?よく分からんが。まぁ、私が行けるようなところだから、たかが知れているが。


今日まであいつを追い出そうと、いろいろしてきた。靴の中に押しピン入れてみたり、寝てる間に顔に落書きしてみたり。

いやぁ、いい考えだと思ったのにちっとも効果がない。押しピンは見つかるし、落書きは朝になると何時の間にか消えてる。何?あいつ超能力でも使えるの?




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