ミニスカポリス
「なんか…怖いな…」
それが僕の
警察署に入っての
最初の言葉だった。
中はけっこう広くて、
警察官が
忙しそうに
走り回っていた。
僕達は、
さっきまで運転していた警官に 案内されている。
事情聴取の部屋があるらしい。
まったく
面倒な事になったもんだ。
そんな事を考えながら歩いていると、
相変わらずのハットリは、 突然 大声をあげた。
「おい!
そこの ミニスカポリス~ 今夜俺と お茶でも どうだ~?
ガハハハハ」
どうやら
通りがかった
目の前の女警官に
言っているようだ。
ハットリと言う奴は、
なんて野郎なんだ!
こんな所で
ナンパだとはな。
成功するとでも思っているのだろうか?
成功するわけね~だろ。さっさとくたばりやがれ。キショクワルイ!
中野さんが どん引き していた。
だが
そう思っていた僕だったが、
その女警官は、有り得ない事を言った。
「別にいいわよ~。
じゃあ
近くの喫茶店で
お茶でもする?」
…
なんてこった。
地球が逆回りするんじゃないか?
中野さんは、
あまりの出来事に
アゴが外れたみたいだ。
やべえな。
これで また カマキリ野郎は 調子にのるぞ
僕は、
恐る恐る ハットリの顔面をみた。
案の定
ハットリはどや顔だった。 くたばれ。
「おい!
見ろよ~
こんな可愛いお姉ちゃんと お茶だってよ~
誰と お茶するのだって~? それはな
俺だよ~ 俺!
へへ
ザマアみろよ~
あ~あ
罪な男だぜ」
…
確かに罪な男だ。
殴ってやろうかな。
蹴ってやろうかな。
僕は、その女警官に
なぜ
OKしたのか
聞いてみた。
「だって 別に
やることないんだもん。
じゃ 私は仕事があるので。
そこの カマキリ?さん
8時頃に、近くの喫茶店で待ってるわね。」
そう言うと
女警官はどこかに行ってしまった。
ハットリは
さっきから、いつも以上に上から目線でブツブツ言っている。
本当に かんにさわる。
死ねばいいのに。
いや マジで。
中野さんは
さっきからずーっと
ブツブツ
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね…」と
ハットリに
呪いをかけているようだ。
中野さんの気持ちは わかる。
ハットリが死んでも、
悲しむような奴はいないと言うことだ。
と
はしゃいでいるハットリを、鬱陶しく思っていると、 案内していた警官が止まって こう言った。
「つきました。
この部屋で、話してもらいます。
ではどうぞ
おはいりください。」
警官は扉を開けて
手招きしながら、僕達を誘導した。
部屋の中には、
机と何個かの椅子が
あるだけだ。
部屋自体は狭い。
窓もないしな。
「さあ
お座り下さい」
警官がそういうと、
僕達は椅子に
それぞれ座った。
ハットリは、
「汚ねぇ 椅子だな~」
と ほざいていた。
中野さんは
「緊張するけど、
それにしても
カマキリ君は、キモいね」
と 僕に言っていた。
さあ
これから
事情聴取だ。
多分 ただ話すだけだから、
すぐ 終わるだろうな。
僕はそう思っていた。
だが それは少し
違っていたようだった