謎の女子高生
エアガンショップの内装は、けっこう綺麗だし、広かった。 エアガンの種類も豊富みたいだ。
ハットリの
テンションも、最高潮みたいだ。 山に帰ればいいのに…
「おい 見ろよ~
エアガンがあるぜ~」
ハットリはそう言ってるが、
エアガンがあるのは当たり前だ。 やっぱり頭が腐っている。もう どうしようもない。
と、
僕がハットリの言動に呆れていた
そのとき、
店内に 悲鳴が響き渡った。
「キャーー!」
最初は、
とうとう
手におえないレベルで
ハットリの頭が、おかしくなったのかと、思った。
が、
それは 違ったようだ。
店内はざわついていた。
ハットリは 相変わらず気持ち悪くキョドっている。
しかも
ブツブツ言っている。
「なんだ~
さっきの悲鳴は~
上等じゃね~か~」
また 変な事を言っているハットリだったが、
今はそれどころではない。
悲鳴の声の主を、
僕は探していた。
すると、
ひとりの
女子高生が、
ハットリを指差していた。
その 女子高生は、信じらんないモノを見てしまった みたいな表情をしていた。
女子高生は
足が震えていた…
どうやら
悲鳴の主はこの子のようだ。
ハットリを見ると、
指をさされて
不機嫌になっていた。
バカな単細胞だ。
そして僕は、
その女子高生に、
恐る恐る聞いてみた。
「この
カマキリ野郎が
何かしましたか?」
すると 女子高生は
少し落ち着きを取り戻して、僕に言った。
「今朝
このガイコツ野郎に、
痴漢されたの!
でもこのガイコツ野郎は、 は? やるわけね~だろ~ 頭腐っているのか~ って言ってくるし、
私
どうすれば
いいのでしょうか?
犯人は絶対
許さないです!」
…
う~ん
ハットリが悪い。
だって 痴漢顔だもん。
だが
さすがのハットリでも、痴漢はしていないだろう。
僕はクラスメートを
信じている。
と
僕が 何も言えないでいると、
馬鹿なハットリは
その女子高生に、
喧嘩を売った。
「おい!
そこのJK!
俺と勝負しろ!
だが
胸は大きいみたいだから、手加減してやっても、いいけどな~」
…
決定的だった。
信頼を裏切られた。
それを聞いて
女子高生も
怒り始めた。
ハットリと女子高生は、店内にも関わらず、
喧嘩をし始めた。
周りのお客さんは、
逃げるようにして
店の外に出て行ってしまった。
されど
ハットリは、
相手が女子高生にも関わらず、ボコボコにされていた。
「痛くも痒くもねぇ」
そうこうしている内に、パトカーのサイレンの音が聞こえてきた。
だんだんと
サイレンの音は
大きくなっていく。
やがて 音は止まり、
男の
若そうな警官が、
店内に入って来た…
「そこ!
動くんじゃねえぞ!」
警官はそう叫び、
迷わず
ハットリを拘束した。
「やめろ!
離せ~!
ふざけんじゃね~よ~!」
…
ハットリ…
アーメン…
警官は
女子高生を含む、
僕たち 3人に
こう言った。
「君たち!
署の方で
事情聴取が待っているぞ!」
…
なんてこった。
僕たちは
それぞれ顔を見合わせて、溜め息をついた。