第二の戦争
結局
ハットリと女警官が、
何を話していたのかは、まだ わかっていない。
女警官があれだけビビっていたとみるに、相当なレベルの高い
いや 最低な会話だったんだと思う。
僕達は今
喫茶店の巨大地下街に立てこもっている。
僕と
中野さんと
化け物
でだ。
なんの部屋かは知らないが、小さめの部屋にあったテーブルの下に、隠れている。
喫茶店にこんなに入り組んだ
巨大な地下街があるなんて、知らなかった。
知ってるわけがなかった。
どうやら
今は使ってないが、
昔は 活気のある地下街だったようだ。
何故
こんな地下街で
隠れているかと言うと、話は、少し前まで遡る。
「これでも食らえ~!! ファイヤ~!」
化け物がそう叫ぶと、そいつは 両手を万歳みたいにして大きく振りかぶって殴り、同時に片足を思いっきり蹴り上げた。
トリプルアタックの完成だった。
その地獄のトリプルアタックの行く末は、
突然押し掛けて店をめちゃくちゃにした、
強盗犯達だった。
だが
当たっていなかったのが、かなり恥ずかしい。
「なんだコラ!
クソみてえな攻撃しやがって、俺達をおちょくってんのかコラ!」
強盗犯達はキレたようだ。 無理もない、
あんな なめた攻撃されたら 誰だってかんにさわる。
「おい !
ハットリ!
遊んでんじゃないぞ!」
「そうですよ!
ちゃんと本気 だしてくださいよ!」
僕達は、
どうみても 遊んでいるハットリに カツをいれた。
「はあ~?
なにが~?」
…
化け物はどう足掻いても、
化け物だった。
あの攻撃が この化け物の 本気らしい。
と
ここで、聞き覚えのある音が聞こえてきた。
パトカーのサイレンだった。
不安になった。
逃げたくなった。
だが、
面白くなってきた。
案の定
喫茶店の前で止まった。
強盗犯を逮捕しに来てくれたみたいだ。
助かったな。
けれども、
こっちには、
手におえない化け物がいたのを 忘れていた。
「おい!
お前らも その強盗犯の仲間だな~!!
容赦しねえぞ~!
みんな 吹っ飛べば~?
ガハハハハ!
」
お前が 月の裏側まで吹っ飛べば と思ったが、それどころではない。
強盗犯はとうとう我慢の限界が来たようだ。
僕達もだけどね
「死ねコラ !
カマキリ!」
そう言うと強盗犯は
ハットリに襲いかかった。
「おっと
これは ヤバいヤバい。
みんな~
… 逃げろ~!!」
そう叫んで、ハットリは一目散に、逃げていった。 僕達も ハットリについて行った。
ついて行っている途中に、 銃声と 声が 後ろからきこえてきた。
「警官がお前らカマキリの味方だと
思うなよ!」
どういう意味だ?
何を言っているんだ?
僕は、その言葉の意味が わからなかった。
わかりたくもなかった。
だけど多分 こういう事だろう。
僕達は、 警察をも、敵に回してしまったらしい。
おそらく、ハットリの今までの悪行が ばれたのだ。 そうだろうよ
だって 生きてるだけで 犯罪だもんな。
けれども 僕達はその 犯罪者と友達だ。
友達を大事にするのが僕の流儀。 中野さんだって わかってくれるはずだ。
その頃、
やっと ハットリに追いついた。
「ハットリ どこに向かって逃げているんだ?」
「そうですよ
私はもう 疲れてしまいました。」
僕達はそう言った。
犯罪者はこう返した。
「この 喫茶店にはな~
巨大地下街があるんだぜ~!!
そこには 武器や戦車も眠っているんだぜ~
そろそろ 俺も
逃げるのに あきたこまち。 なんちゃってな~!!ガハハハハ!
ここらで 反撃開始と
いくかな~!!」
ふん
面白くなってきやがったぜ。
中野さんは、面倒そうな顔をしていた。
僕達は階段で 地下街に行き、 奥にあった小さな部屋に入った。
ここで 作戦会議らしい。
強盗犯と警察官VS生きてるだけで犯罪者とその愉快な仲間達
の 戦争が幕を開けた。