秘密の会話
午後8時。
僕と中野さんは、
喫茶店にいて、
喫茶店の隅っこの方にいた。
椅子に座りながら、
ジュースを飲みながら、
僕と中野さんは、
会話をしながら、
喫茶店内にいる、男女を見ていた。
その男女は、
椅子に座っていて、それぞれむかえ合っている。
さながら
カップルのように。
だが、違う。
そこには、女警官とカマキリがいた。
楽しくお茶をしているようだ。
たまに、ハットリが笑っている。
キモい。
何を話しているのか
気になる…
だが、
今は待つしかない。
後で
聞くとしよう。
今はただ、
時間が流れるのと、
ハットリの顔を見てると、ちょいちょい来る猛烈な吐き気を、我慢するだけだ。
隣の中野さんと、
僕は、時間潰しに
何気ない会話をしていた。
「いつ見ても、ハットリ先輩は キモいですね」
「そうだね~」
「なんであんなに、キモいのでしょうか?」
「知らねー
カマキリだからじゃね?」
「あ~ なるほどです。でも それでしたら、カマキリに失礼ですよね~」
「ごめんごめん
そうだったね~
死ねばいいのにね」
「そうですね」
と、会話をしていると、ハットリと女警官は、
椅子から立ち上がった。
…
どうやら楽しい会話じゃなかったようだ。
女警官は足をガタガタと震わせていた。
ハットリは笑っていた。かなり怖い。
女警官は逃げるようにして、出入り口に走っていった。
だが 自動ドアが 開かないようだ。
女警官は、慌てていて
こう 叫んでいた。
「助けて~!
カマキリに殺される~!」
…
ただ事じゃない。
僕達が助けに行かないと、 だが僕達は ハットリのあまりの怖さに 足が震るえて 動けなかった。
他のお客さんを見ると、ハットリのキモい顔面に失神しているようだった。
一般人には刺激が強過ぎたようだ。
どうりで、喫茶店内が静かなわけだ。
ハットリは笑いながら、女警官に近づいて、
こう言った。
「おっとお客さん。
トイレはそっちじゃ
ね~よ~
ガハハハハ」
そう言えばハットリは、この店の店長になったんだったな。
大切なお客さんを、
帰らす訳には行かないようだ。
その女警官は、
ハットリにこう叫んだ。
「ちょっと!
あんた 扉になんかしたでしょ!」
するとハットリは
言い返した。
「さっき
細工をさしてもらったんだ~
残念だったな~
もう お客さんに
逃げ場は ねえ
コーヒー位飲んできな~」
ハットリは勝ち誇っていた。
すると 突然出入り口の
窓ガラスが 勢い良く割れた。
「はあ~? なんだ~?」
ハットリが 口をポカーンと開けて 呟いていた。
女警官は、
扉の近くにいたので、
吹っ飛ばされて、気絶したようだ。
「おいコラ!
大人しく 金出せコラ!」
そう 叫びながら、
マスクを被った強盗犯が、数人きた。
どうやら 扉が割れたのは、この連中の仕業のようだな。 売り上げを盗みにきたらしい。
だが、強盗犯も可哀想だな。
この店の店長は、
化け物だった。
「はあ~?
なんだ
お前ら? 俺の店の扉を、派手に壊してくれたな~?
もう
お前らは、うちの店から逃げられね~ぞ~!」
化け物はそう言って、戦闘体制にはいった。
強盗犯達はこう言っていた。
「なんだお前!
そこどけカマキリ野郎!死にてえのかコラ!」
強盗犯達は、持っていたバットやナイフを構えたが、
化け物は動じなかった。
「はあ~?
笑わせんじゃね~よ~!先に 死ぬのは どっちかな~?」
こうして
カマキリVS強盗犯の
戦いが 始まったのだ。
「僕達も 店長の手伝いにいくか 」
「気は進みませんが、仕方ないですね」
そう言うと僕達は、
足の震えも おさまってきたので、
店長の手伝いをするために 立ち上がったのであった。