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従う
音が聞こえることが話題になってからだいぶ経つ。
音は何者かの声であることがわかり、さらに、その声の通りに行動することで危険から逃れたり、大金を得たりといった者が多くなり、声に従うことが自然なこととなった。
男は出社したところ、電車の大幅な遅延に出会し普段より遅くなってしまった。
周りの社員はもう出社している。音を聞いて遅延の発生を把握していたのだろう。
男は音の聞こえないものの一人。
最初のうちは、周りが羨ましかったが、やがて慣れた。聞こえないものは仕方ない。
時が流れた。
男は出社したところ、社員はごくわずか。
ここだけに限らない。
ある日、声に従ったもの達はすべてその人生を自ら終わらせた。世界的にも人口は大きく減ってしまった。
あの声はなんだったのだろうか。
男は、自分にも音が聞こえてくることを何よりも恐れている。




