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第7話『奮闘と初の紅白戦—-あるか、一軍昇格?』

 練習試合を重ね、オープン戦が始まると、特訓がいくらか身になってきた気がする、少しずつ自信が湧いてきた。初めてのホームゲームでは、妖怪たちの能力を人間目線でまとめ上げ、試合を優位に運べた。

皿田投手の球はまだ制御が難しいところもあるが、俺が位置とタイミングを指示すれば、十分打者を抑えられる。変化球も水との縁を持つ皿田の投げる球はキレが一味違う。

 座敷の俊足も、俺のサインひとつで塁間を駆け抜ける。雪屋の風も、うまく味方にできれば強力な守備補助になる。それから、座敷たっての希望で始めた「野球教室(?)」も少しずつ機能し始めたような気がするよ。カッコいい守備連携、鉄壁の内野陣って言うにはまだまだだけどな。

 試合後、天狗山二軍監督がにやりと笑って言った。

 「やるじゃないか、真田。人間がひとり加わったことで、チームがひと化けした。よくここまでまとめてくれたな。」

 その言葉に胸が熱くなる。


 勝ったり負けたり、オープン戦は続く。そんなある日、チームに連絡が入った。その日の試合が終わると全員集合がかかり、

 「次の休養日に紅白戦を行う。」

っていう天狗山監督の言葉に寮内がざわつく。

 「一軍の胸を借りる。上のお眼に止まれば昇格候補に名を連ねる。その日のプレーによっては、即・昇格もあるそうだ。」

メンバーとして次々名前を呼ばれるみんな。ドキドキしていると

 「大成、お前も出るぞ」

 と。おおお~! 初めて一軍選手と対戦することを思えば、胸が高鳴る。まだ会ったことはないが一軍選手は球速も技術も、二軍とは比べ物にならないらしい。

 沸き立つ心の奥で静かな決意が芽生えていた。

 「でも、ここで負けるわけにはいかないよな……妖怪と人間の二軍混成軍の代表として、そして俺のプロ入りの夢を本当の意味でかなえていくためにも」

 つぶやいて、湧き上がる思いを、浮き立ちすぎるな、と抑え込んで、そんなことを何度も何度も繰り返していた、それは、ちょうど中学の頃、初めてレギュラーに名を連ねた時のような感覚だったと思う。


 そして迎えた紅白戦当日。

 一軍選手は人間も妖怪も入り混じるハイレベルなチーム。対して二軍の妖怪たちは個々の能力は凄まじいものを持ってはいても、作戦や連携がまだまだ課題だ。

 試合前の練習で、俺は作戦を指示しながら、バッティングや守備で手本を示す。

 「皿田、左打者にはカーブの内角を狙え! 雪屋、風を計算してフライを捕れ!」

 少しずつだが、妖怪たちの動きがかみ合ってきた。しかし… 一軍の一員として戦うためには更にひとつ、高いハードルがある。けれど、まだ俺たちはそこには気付いていなかったんだ。

                             to be continued


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