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第1話『入団決定、そして入寮──チームメイトは妖怪⁇』

 「もののけ野球団」この設定を最初に考えたのって、いったいいつだったんだろう。長いことしまいこんでいた設定がようやく物語として動き出しました。

 岩手県北、ど田舎です。こんなところにプロ野球チームって「マ⁉ 」 そしてプロ野球チームなのにもののけ球団… 「はぁ⁉ 」 ですが、主人公の真田大成をはじめ、登場人物(?)は楽しいやつらですので、どうぞよろしくお願いします。

 プロ野球選手になるっていうのは、俺の小学生の頃からの夢だった。

 俺は真田大成さなだ たいせい18歳。岩手県北の県立高校で4番サードを張り、夏の甲子園ベスト8。大会が終わったその秋、まさかのドラフト3位指名を地元新球団「牧戸Believersまきのへビリーバーズ」からもらった。

 まさかまさかの、だよ。たしかに一応プロ志望届は出してたんだけど…

 正直、あの瞬間は泣いた。親父も母ちゃんも泣いた。爺ちゃん婆ちゃんなんかも

「おら家の孫ぁ新聞さ載った!」

って大号泣してたし。


 ──で。

 夢叶って迎えた入寮初日。迎えのバスはどんどん山奥へ入っていく。たどり着いたのは、本当にプロ野球チームの寮? 古民家じゃね? っていう外見の木造二階建て、たしかに大きな建物ではあるんだけど。新築だって聞いていたのにな。

 「まあ、まだ新しい地方球団だし、二軍寮にまでそんなに金はかけられねえのかな」

 とか思いながらも、ああ、いよいよ夢の第1歩だ、と胸を弾ませて寮の玄関をくぐる。

 「おはようございます! 本日入寮の真田大成です。どうぞよろしくお願いします‼」

 挨拶、やっぱり大事だよな。先輩だっているはずだし。

 廊下を歩くと、最初に出会ったのは赤いちゃんちゃんこを着た小柄な少年。ニコッと笑って

 「新入りだべが? おらは座敷」

 っていうとこを見ると先輩? と思っていると、影がぐにゃりと伸びて、何だ?え、今、天井まで届いたんじゃないか……? 目をこすると次に現れたのは頭に皿を乗せた長身の青年。

 「俺ぁ、ピッチャーの皿田さらだだ。よろしくな。」

 トレーニングウェア姿だけど、頭の皿の中で水がちゃぷんちゃぷん揺れている。え?うそ、河童じゃね??

 さらに白い息をまとった女性が現れ、涼しげに言った。

 「あまり冷え込みすぎ、暖房効いてないと思ったかしら? ごめんなさい、私、こういう体質なの」

 雪屋さん、雪女だそうだ。心臓がバクバクいっていた。


  ……なにこれ、ドッキリ? 地方局のバラエティか?

 軽くパニくっていると、廊下の奥から、二メートルはある巨漢がニコニコと近づいてきた。

 「新入り、顔色悪いなぁ、大丈夫か? 俺はキャッチャーの大入道だ!」

 自己紹介をし合うと、ここにいるのは同期生のようだった、そして、やっぱりみんな妖怪らしい、ドッキリなんかでなく……人間は俺だけ。

  ええ? 妖怪だらけのプロ野球チームってどうなんだよ。軽くめまいがする。胸の奥にあった希望とわくわくが、不安とごちゃ混ぜになる。妖怪と人間でちゃんとした試合って成立するのか?

 だが、反面、決意もあったんだ。だって、せっかくプロ入りできたんだぜ。これを夢への第1歩にしなくてどうするよ。

 (人間だからって、負けてたまるか。ここで結果を出して、みんなと一緒に戦ってみせる)

 決意を胸に、俺はひそかにこぶしを握り締めたのだった。


                             to be continued


さて、この続きやいかに。

こんな設定受け入れてもらえるのか、ドキドキですが、とりあえず書いてみました。楽しんでいただけたら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
導入としては王道的な展開だと思いました 流し読みとして見るとスポーツと妖怪 活発な少年としての一幕だと思うだけでしたが 惹きつけられる要素は弱く感じました どの様に展開するかで今後の興味が変わりそうで…
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