↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
36/56

第36話 旧声優部の活躍

挿絵(By みてみん)

「声優」と言うお仕事の存在を知らなかった女子高生が声優を目指して奮闘する、笑いあり涙ありの……いえ、ほとんど笑いだらけの楽しい青春ストーリーです。

声優の井上喜久子さんが実名で登場しますが、ご本人と所属事務所のアネモネさんには快く承諾をいただきました! ありがとうございます!!

第1話と第2話を井上さんに朗読していただきましたが、このたび第16話と17話も、朗読していただきました!

朗読を聞くには下のURLをコピペして飛んでください!

謎の対談も、聞いていただけると幸いです(笑)

https://x.gd/9kgir

更新情報はXで!「@dinagiga」「@seitsuku」

「もうずいぶん前の話なんだけど――」

 そう言った城島に、アニ研部員全員の視線が集中する。

「昔この学校にあった声優部のみんなに、うちのラジオ番組に出てもらってたことがあるのよ」

 雫がぐっと前に出て城島に詰め寄る。

「それって、ラジオノむさしので放送されていたってことですか!?」

 うんと、大きくうなづく城島。

「すごーい!」

 部員全員の声が揃っていた。

 驚くのは当然だ。高校生の部員たちの番組が、実際に電波に乗っていたのである。どうしてそんなことが可能になったのか、さっぱり想像すらできない雫たちであった。

「うちの番組『わが町ムサシノ』って知ってるかな?」

 全員がうんうんとうなづく。

『わが町ムサシノ』は、この地域ではなかなかの人気番組だ。場所を限定すれば、聴取率も東京のキー局に負けていない。

「番組で、ある年の創造祭を取材したの。その時に出会ったのが声優部。確か、他の部と一緒に校内ラジオ番組をやっていたわ」

「それって!?」

 部員たちが顔を見合わせる。

「声優部とアニ研、それに放送部がコラボしたラジオ番組ですよね!」

 それまでは見せていなかった雫の迫力に、城島と栗山は少し驚いていた。

「よく知ってるわね」

 その疑問には、英樹が答える。

「みんなで、アニ研の古い部誌を調べたことがあって、そこに載っていたんです」

「へぇ、過去の部誌が残されているんだね。それ、今度ボクたちにも見せてくれないかな?」

 栗山が興味津々にそう言った。

「もちろんです!」

 それから城島によって語られた話に、雫たちはずっと目を丸くしていた。

 創造祭で出会った旧声優部の面々に、城島は何かの才能を感じたのだという。それはラジオのプロとしての直感であり、インスピレーションだったのだと。

 青山ひかり。

 田中美紀。

 久慈沢菜央。

 棚倉愛理。

 声優を目指して活動している彼女たちの姿は、城島の目にキラキラと輝いて見えたのだ。しかもその時すでに声優部は、創造祭のラジオだけでなく、様々な活動を頑張っていたという。

 アニ研といっしょに新入部員勧誘のために生アフレコを見せたり、近所の商店街に頼まれてアーケードで流れるバーゲン情報のナレーションを担当したり、地域の子供向けイベントでの読み聞かせなど、その活動範囲は部活動の枠を超え、地域社会にも貢献していた。

 そんな彼女たちに魅了された城島は、大胆にも“ラジオノむさしの”でのレギュラー番組を提案する。もちろん、局内でも前代未聞の企画だった。素人の、しかもまだ高校生である彼女たちに番組を任せようというのだ。だが、大方の心配は杞憂に終わる。

 声優部の番組は多くのリスナーたちに受け入れられ、人気番組となったのだ。

「ふぅ……」

 そこまで聞いた時、雫が大きなため息をついた。

 昔の声優部と自分たちのあまりの違いに、つい漏れてしまったのだ。

「凛ちゃん」

「どうしたのよ雫、情けない声出しちゃって」

「だって、先輩たちはとっても頑張ってたのに、私たちの声優部はまだなんにもできてないよ」

 がっくりと肩を落とす雫に、姫奈が優しい笑顔を向ける。

「まぁ、すでにスタート地点には立っていると思うわよ」

「そうだよ、声優について何も知らなかったのに、声優部をちゃんと作ったじゃないか。それってすごいことだと思うよ」

 英樹も姫奈に同意した。

 凛が雫の肩をパンと叩く。

「そうだよ雫、笑顔笑顔! 笑う門には福来たるって言うでしょ?」

 そう言った凛を、結芽がじっと見つめる。

「何よ?」

「凛、笑わないと裸」

「へ?」

 凛の頭にクエッションマークが浮かぶ。

「今、笑うと服着たるって」

「そういうことじゃないっつーの! えーと、英語でハッピーがどうとかって」

「happy-go-lucky」

 結芽のつぶやきに、凛が笑顔になる。

「それそれ! 結芽、英語も分かるんだ! ハッピーだったらラッキーにゴーだよ! ね、雫!」

「なんだかよく分かんないけど、凛ちゃんと結芽ちゃんの会話聞いてたら、なんか笑顔になっちゃった」

 ニコニコしている雫。

 だが、そんな三人の隣で、いつもの巨大な本をパラパラとめくっていた麗華がひと言。

「happy-go-lucky の意味は“能天気”ですわ」

 結芽が部室の窓から外に目をやる。

「雨?」

「ノー天気ではありません。能天気です。何事も深く考えない、という意味ですわ」

 麗華の解説を聞いた結芽が、スッと凛に視線を向けた。

「私、ちゃんと考えてるっつーの!」

 彼女たちの会話を聞いて、思わず吹き出してしまう栗山。城島もニヤニヤしている。

 その時、いつものように手をパンパンと打つ音が部室に響いた。姫奈である。

「ほら! また話題がズレてるわよ!」

 ハッとして城島たちに頭を下げる雫と凛。

「ごめんなさい!」

 実に素直である。

 若いっていいなぁ、と思わずにいられない城島であった。

「チーフ」

 栗山の言葉に我に返る城島。

「例のアレ、確認しておいた方がいいんじゃ?」

「そうだったわね」

 首をかしげる声優部の面々。

 雫が城島に視線を向ける。

「アレって、何ですか?」

 すると結芽がボソリと言った。

「きっといやらしいこと」

「ええーっ!? アレって、アレのこと!?」

 過剰に反応する凛。

 栗山が苦笑を城島に向けた。

「また話題がズレていく前に、さっさと言った方がいいんじゃないですか?」

「そうね」

 そう答えた城島に、部員たちの視線が集中する。

「創造祭で朗読劇をするって聞いたんだけど、取材前に今のあなたたちの実力を知っておきたいの。短くていいから、何か聞かせてくれないかな?」

 思わず顔を見合わせてしまう雫たちであった。

雫たち声優部の現在の実力!?

そう言えばレッスンとか何もやってないですよね(笑)

はたしてどうなるのか!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。