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エマール王国へ

 カミラがワイバーンの一体に魔法をかけて操りアルバートと王都を脱出してから数日後カミラとアルバートの去った王都ではエディの戴冠式が行われていた。


 戴冠式が終わりエディが正式な王となってからさらに数日後、王都に滞在していたルシアスとルヴェーラそしてマナは国王となったエディから謁見の間まで来るように言われ、王となったエディからの話を受けていた。


 「ルシアス、貴方とルヴェーラ殿、マナ殿に頼みたい事があります。」


 「はい、陛下。」


 「知っての通り前王エイベル様を暗殺したカミラとアルバートはエマール王国へと恐らくは亡命したでしょう。」


 「カミラとアルバートの行いは許されるものではありません、しかし同盟国でもあり大きな影響力を持つエマール王国と事を構えれば混乱がラーナ大陸中に起きるかもしれません」


 「エマール王国は今、他国との交流を絶っていて国中に魔物達が活発化しているという噂も流れています。私は貴方と魔法使いのルヴェーラ殿そして司祭のマナ殿ならば少数で魔物達やカミラのような邪悪な魔法使いにも対応できると思っています。」


 「危険な頼みですがエマール王国へと潜入してカミラやアルバートそしてエマールの情報を集めてきていただけませんか?これは命令ではなくお願いです。ルシアス、貴方達自身に決めて貰いたい。出来なければ他の者を行かせましょう。」


 「エディ陛下。私達の答えは決まっています。その役割私達にお任せください。」

 

 「ありがとう、本来ならば公爵である貴方に頼む事ではありませんが感謝します。」

 

 「いえ、陛下それでは私達は一度公都ハウルナートに戻り準備を済ませ次第エマール王国へと向かいます。」


 「分かりました、ルシアス、ルヴェーラ殿、マナ殿もお気をつけて。」


 「ありがとうございます、陛下」


 謁見の間を去り王城の外に出る途中で客として王都に居たアルマはルシアス達に気づくと近づいて来た。


 「皆さん!」


 「アルマ殿。」


 「私の事はアルマと呼んでください敬語も使わなくて大丈夫です。出来れば私も皆さんと気軽に話したいのですが大丈夫ですか?」


 「わかったよ、アルマ」


 「それならさっそく、皆はこれから公都に戻るの?」

 

「ああ、一度公都に戻りエマール王国へと向かう予定なんだ。」


 「エマール王国に?どうして?」


「カミラやアルバートの事はそのままには出来ない、それにエマール王国に魔物達が現れだしている事も気になるんだ。」


 アルマはその話を聞いて少しの間、無言になり再び口を開いた。


 「それなら私も一緒に行っていい?」


 「一緒に?ウォレル侯爵にはどう話すんだい?それに危険な旅になるよ。」

 

 「お父様には手紙でも書いておくよ。前の戦いの時は全く役に立て無かったから今度は侯爵家の娘として戦い起きても恐れないようにしたい!」


 「どうする?ルヴェーラ、マナ。」


 「私は構いませんよ。」


 「私もいいと思う」


 「決まりね!皆!改めてよろしく!」 


 アルマを仲間にしたルシアス達は王城の外に出てバルアの元に向かった。

 

「ルシアスよ、用事は済んだか?」


「ああ、バルア。ハウルナートまで乗せてくれ」


 「承知した。三人と可愛いお嬢さん、私の背に乗るが良い」


 「貴方の名前は?」


 そう聞いたアルマにバルアは自身の名を告げた。


 「私はアルマ、よろしくね。バルア!」


 そしてバルアの背に乗った四人はハウルナートへと向けて飛んで言った。


 王都から飛びたって半日ほどでハウルナートにつく、城へと入って行くとベアトリスやデイル達がルシアス達を迎える

  

 ルシアスは城の玉座に座ってハウルナートの騎士や兵士達そして執事のラッセルを呼び出してアカトス領内での責務を自分が帰るまで行なってくれるように頼むと弓兵のラルフを呼ぶ


 「閣下、お呼びでしょうか?」


 「ラルフ、危険な旅になるけど俺達と共にエマール王国にいってくれないか?」


 「分かりました。ルシアス様、ご同行いたします。」


 緊張した面持ちでラルフはルシアスにそう答えた。

 

 5人になったルシアス達は城の武器庫に装備を整えに来ていた。


 ルシアスとアルマそしてラルフはそれぞれに合う装備品を選んでいた。

 

 ルシアスは盾役がいない5人だったため普段あまり使わない盾を持っていく事にした。そして身体に身に着けていたチェインメイルも軽く固い金属で出来たプレートメイルに変えた。


 ラルフは軽いレザーアーマーに弓矢とショートソードそして投げれるナイフを手にした。


 アルマは丈夫で軽いチェインメイルを身に着けたあと武器庫の奥に飾られている一振りのクレイモアを見て言った。


 「ルシアス、あのクレイモアは?」


 「ああ、あれは母上がアルムガルド帝国やグムハザの司祭達と戦った時に使っていた宝剣だよ。」

 

 「グムハザの司祭、デーモン達に大きな効力があるってきいたな。」


 「私もクレイモアを使うんだけどあの剣借りれる?」

 

 「そうだな、グムハザの司祭達とも戦う事になるかもしれないから。いいよ」


 「ありがとう、ルシアス大事に使うね。」


 「ああ」

 

 装備を整えた5人はバルアに乗せて貰いエマール王国の付近へと向かった。


 旅立つアルマの置き手紙をみたウォレルは心の中で呟いた。


 (まったく、あの娘は、、、、。)

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