尚弥君ママを回収
目的地は近所のスーパーで我が家からは住宅街を右に左に曲がりながら10分程度で目的地につくのだが、まだ日は落ちてないもののあと、I時間したら日が落ちて夕飯の時間なのだろう。
一応結界を体に薄く纏わせてみたものの、曲がり角から現れるシルバーウルフlevel5やゴブリンレベル3が4.5匹まとまって現れてくるので、棍で薙ぎ払いながら経験値とSPを積み立てて魔石なども自動で回収です。
‥‥‥しかし人かモンスターか区別つかないかなぁ曲がり角いきなりモンスター現れると秒で誤差が出そうだ。
『01World機能MAPが構築されしました。現在 モンスター赤 人族青 指定。MAPは歩いた距離を中心に直径1キロ円状にマッピングされます。』
ヘルプさん。ありがとうございます。
そして目的スーパーまでもう目の前となったのだが、なにやら様子がおかしい?
裏の倉庫には血溜まりと徘徊するゾンビが。そろそろと隠れながら正面に回ると入り口の自動ドアは電気を切っており、手動で開け閉めできそうだが、ダンボールやスーパーの棚などを動かされて、防衛されているようで、中に人が隠れているようであった。
せっかくなので棚やダンボールの柵はこのままにして、転移で中に入った。スーパーは一階は食料品、二階は生活用品、その上は駐車場となっている。MAPを見ると二階と屋上に人が集まっているのが見えた。一階はバックヤードに人が数人取り残され、また店内は多少乱闘されたような、暴れた跡が残っていた。
一階の肉、魚、野菜、果物米、パン、アイス、冷凍食品、調味料を全て植物鉱物生物作成機能をつかい同じ物を01World機能に記憶させてから、バックヤードに向かった。記憶しておくと、魔力で自分のダンジョンに生み出せるようになるのだ。もちろんまだダンジョンは用意してないので、実験はこれからなのだが。
バックヤードは、店長とお客1名と店員さんの3人が取り残されていた。
「きみ?上から降りて来たのかい?危ないから上に戻ったほうがいい。」
「いえ、駅からこちらまで人を探しに来たんですが、こちらのスーパー周りはとりあえず裏にモンスターがいるだけで、途中の道は処理して来ました。皆さんもお気をつけください。」
「あ、あぁ」
スーパーはどうするかは店側の話だろうし、暫くは日常生活は破綻だろうな。
俺は二階の階段を登り、日用品や100均が入っている売り場の全商品を再度ダンジョンの作成機能をつかい記憶させ、同じようにバックヤードを覗くとお客さんと店員さんの2名が隠れていた。
電話で事前に尚弥君のお母さんが二階に取り残されたと聞いていたので、
「尚弥君のお母さんですか?三上です。お迎えに参りました。」
聞くと、自動車でスーパーに来たらしく、三階に車を取りに来たいと言われ、MAPを見るも車の出口にもバリケードが作られているようなので、どうやってバリケードから出るかを頭を抱えてしまったが、尚弥君を連れて帰りやすいのではないか?と車を取りに行くのに3階について行った。
3階に上がると20名弱の人が車の中や外に出ては、ぐったりと座っていた。
尚弥君ママの車はすぐスーパー3階出口近くに、止まっている軽ワゴンで乗り込んでもらい、俺が先導する形で降った。途中のバリケードには男性が3人見張っており、苛立った顔で
通るのはやめてもらいたいと告げられた。
ーー困ったなーー
仕方なく戻ろうと背中を向けた瞬間、バリケードが破壊された。
煙が消えたそこには3mはあるだろうオーガが立っていた。
鑑定すると、鑑定がまだ初級なため、僅かしか記載が見れない。
オーガlevel10
HP180
MP50
巨大な金棒を手に破壊の限りを尽くす鬼。
逃げ惑う人を横目に弓を取り出し、オーガの右目に向けて矢を放った。
ーーズバーンーー
目に矢が当たったオーガが矢を抜こうと周りの壁にぶつかった。
『グギャアアアアーー』
怒り叫びながらこちらに向けて歩くオーガに向けて、左目に当てるべく強化した矢を放った。
わずかに外れて眉間に当たり、背中から倒れ込み、暫くして霧散し、
ーーオーガを倒しました。SP50
経験値35630獲得。
レベル23にあがりました。
魔石と宝箱は自動で収納済みです。ーー
SPが100に増えたので各ステに10ずつ増やしておく
魔石大1個
矢2本返却
140万ラグー(ラグーはダンジョンなどに使用する異界金貨です。)
宝箱1(罠なし)
が入っていた。
宝箱の中身は
『隠れ蓑マント』であった。
羽織ると姿形が認識されなくなる黒マントであった。
バリケードはなくなってしまったので、また出さないと言われる前に、急ぎ尚弥君ママの車に戻り、『出して!出して!』と尚弥君ママに向けて騒ぎ、スーパーを走り去った。
途中スライムを踏み潰し
ゴブリンを跳ね飛ばし
併走するシルバーウルフを
窓を半分開け、矢で射抜いた。
地道に経験値とSPを積み上げたが、何故か俺にだけ経験値が積み上がり尚弥君ママには変化がないようだったので、ステータスが構築されるには何らかの区別があるようだ。
時間が長く感じたが、車だと帰りが早いので帰宅までは、わずかカップラーメンが出来るだけの時間であったことは
間違いない。
無事我が家に着き、道路脇に車を止めてから弟に電話し、中から鍵を開けてもらった。
尚弥君ママに家に帰るかを尋ねた所、旦那さんも心配らしく、家に戻ると話されたので、ボディガードとして、俺と原口さんで家に送る事になった。
今宵も、ありがとうございました。