父と4人の合流者達
俺は急ぎ二階に降りて部屋に入り弓を手にして階段を駆け上がり屋上に戻った。
弓を弓袋から出し矢を番えて5人の背後に追いかけてきた二体のうち一体の頭部に向け矢を強化しますようにーと妄想し矢を射った。発光しながら一体のゾンビの頭部に当たり、数秒後に霧散して消えた。ついでもう一体に向けて妄想で強化した発光矢を放つと眼球辺りを撃ち抜きさらに霧散して消えた。
その場に矢2本と魔石が落ち
ステータスウインドウに
ーー経験値が追加されました。SP10が加算されます。またソロ時において、遠方に落ちた宝や武器などは自動でアイテムボックスに収納が可能です。今後はメッセージ無しで自動で収納を選択いたしますか?ーー
Y/N
と現れた、俺はほんの少しだけ事情を認識してから「イエスで。」と呟いた。
自動的にアイテムボックスやステータスの更新がされたとは思うが、確認は後回しにして母と弟をその場に残して、急ぎ一階に降りた。
玄関を開け外に飛び出すと父が門まで到着していた。
門前には背後に20代サラリーマン男性を殿に、ブレザーを着た制服の女子と手を繋いでいた若い女性がその前を、そして先頭に1人国立の制服を着た男子小学生を抱えた父がいた。
「「「「「ハァハァハァ」」」」」
皆、息も絶え絶えに今にも倒れそうに立っていたので、
扉を開け中を指し示してから
「とりあえず中にどうぞ、父さんもおかえり。」
と告げた。
「あ、あぁ」父はキョトンとした顔をしてから中に入って、他の人らも後を続いて入った。
入って居間に続く扉を開けて中に入ってもらった後、居間のソファーに座ってもらい、屋上から降りてきた母に麦茶など用意してもらい、俺と弟は父から4人の紹介と電車からここまでの話を聞いた。
20代サラリーマンは原口 大地と言う父の会社の部下であり、帰宅の方向が同じな為たまたま同じ電車に乗り合わせていたらしい。父の会社は家から3駅先の場所にある為、同じ駅の我が家は南口だが、原口さんは北口のマンションに住んでいるらしい。
若い女性は若月夏美さんと言う隣町の大学に通う19歳の大学生で、同じく線路で父らと合流。
一緒に手を繋いでいた女子学生は花房 香織さんと言う14歳の都内私立中学に通う中2の子で、家はここから後数十メートル先にあるらしいが、家にはまだ誰も帰っていないらしく、電話も通じない為、父らと一緒に避難してきたらしい。
最後に父に抱えられてきた小学生はやはり近所にある国立の小学校に通う小学3年生の千賀 尚弥くんで、走るより抱えられていた方が早かった為に真っ赤になりながら父にお礼を言っていた。
「じゃあ、連絡がついて迎えに来てもらうまで、または送るまで尚弥くんと香織ちゃんはゆっくりしていてね。」
大地さんと夏美さんは暫く様子を見てから部屋に戻ると話していたが、駅の周りの様子から避難所の様子がわかるまで父に我が家に避難を打診されたとのことだった。
「とりあえず俺は帰って来たばかりだから30分ほど荷物を片付けてから、備蓄品とか確認してくる。足りないやつは後で仕入れてくるから、母さんいるやつあったら教えて?あと三階の倉庫部屋の品物は俺の部屋に動かしとくから、部屋を使えるようにしとくよー尚弥君は連絡くるまで俺の部屋のベッドに寝かせる?皆さん疲れたでしょ。」
母が頷くと俺は3階に向かい母のShop倉庫となっていた部屋の荷物をアイテムボックスに収納して、軽く掃除した後、夏美ちゃんと香織ちゃんを呼んで部屋に入れ、尚弥君は弟の部屋で横にならせてもらったらしい。倉庫の荷物は俺の部屋に異次元空間を
開いて、そこに置いておいた。空間は果てが見えない位広く、カスタマイズ可能な為
空間A〜Zまで4畳部屋〜東京ドームの大きさまで
1個分ずつに区切り、草原空間や雪原空間や洞窟空間やワンルームタイプや一軒家タイプなど各空間を設営した。
(実際使っているのはまだ数部屋になる)
A空間⁑家荷物【主に母ショップ品】
(東京ドームsize)
俺の部屋と常時接続 家族のみ認証し、出入り可能
(母には置き場を見てもらい承知済み)
B空間⁑ 俺の部屋荷物 (現在1R)
部屋の荷物は全てこちらに仕舞い込んだ
その間父らで話し合いがされた時に、俺はといえばステータスとアイテムボックスを確認していた。
アイテムボックスには
魔石3個
矢2本
25000ラグー
宝箱1(罠なし)
があり
先ほどのゴブリンとゾンビ2体の討伐報酬が入っていた。ゾンビが魔石を落としたと言うことは、ゾンビになるとダンジョンから排出されたモンスターと同義のものなのか、噛まれてゾンビになった人間が討伐されたら死体は消えるのか、あの消えたのは人が変わったのかシステムのゾンビか?
悩んだので調べてみたら、ヘルプ「極」によると、討伐されて消えるのはシステムのゾンビで人がゾンビに変わった場合には死体は消えずに燃やすと普通に骨が残るらしい。
またたまに聖魔法やハイポーションで元に戻る場合があるらしく、ポーション類は錬金術師のジョブ持ちが薬草と精製水で作成が可能で、薬草はどうやらこのシステムがダンジョンやあちこちの草っ原や雑草横に生やし始めているらしい。
とりあえず宝だ!
ボックスから外に出して、開けてみると中には本が入っており
『初心者にもわかる初級火魔法』
が入っていた。
とりま収納に入れて後で弟にでも渡すか‥‥‥
ステータスは隠蔽をかけておいて、職は遠距離を選ぶと、ステータスに補正数値が付いていて、
基本➕(基本✖️1.0倍)となっていた。
ミカミ サトル【人型】
(常時隠蔽)隠蔽箇所は()
遠距離職(01ダンジョンマスター)
レベル3
HP30(+30)
MP30 (+30)
体力30 (+30)
攻撃力30 (+30)
器用30 (+30)
防御30 (+30)
魔法防御30 (+30)
速さ30 (+30)
魔力30 (+30)
知力30(+30)
SP10
固有スキル
(スキル妄想power)
特別スキル
(01World機能 )
(ヘルプ「極」)
簡単な確認も終わり、細かいところは後回しにして、アイテムボックスに弓を閉まってから、とりあえず一階に降りて居間に戻った。
居間では大人達が話し合っていて、ニュースとネット環境は繋がっており、政府主導で各地の被害を自衛隊や警察消防が鎮火し始めて入りるとの話だった。
とりあえず夜は動かないように話し、明日一人暮らしの2名の部屋に荷物を取ってから避難所に向かうことになり、妹も明日向かえに行く事に話がついたらしい。
尚弥君と香織ちゃんの家族には連絡がついて、尚弥君の母は近くのスーパーに籠城中と香織ちゃんの母は今職場から電車から歩き避難していたらしいが、歩くのが危険になった為、近くの公民館に避難したらしい。
そして俺はダンジョン機能の一つを使用して家に結界を張ってみた。
小さく薄いものが貼られたのだが、家人は通り抜けれるようにしておいた。黒パーカーを頭を隠しながら羽織り、黒マスクと黒いシャツと黒のズボンを履いて、YAMAMOTO YG-6000BB ゴーグルを目に当てて、財布を収納にしまい、部屋に内鍵をして、スマホを内ポケットに入れてから、転移で庭に出た。
まだ10m程度しか飛べないので、尚弥君の母のいるというスーパーに向けて、棍を取り出して走った。
序章続きます。
読んでくださりありがとうございます。