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キューブが俺と合成?

 頭がズキンズキンする。


 確か何かに体を飛ばされて‥…病院の天井なら白いはずなんだよね?にしてはドームのような小さな半円の中か?地面に寝かされてるって、可笑しくない?ここは病院じゃない?それに辺りが暗い。


 真っ暗で何も見えない。

 ここはどこだ?


 てか、俺どうしてこうなった?。


 確か、部活終わって帰る所だった気がする・・。

授業終わってから部活に向かい、柔軟で体をほぐしてからの弓打ち100本打ち。


 ちいとばかし疲れたなぁと周りを見渡すと部活連中は早々と先に帰っており、ゆっくり中庭を‥‥‥。


 そこで、俺の意識は覚醒した。


 俺の名前は、三上悟。もうすぐ誕生日を迎える16歳高校2年。中庭を抜ける途中である場所に黒い渦が現れて中に呑まれたんだわ。


 よし、覚えてる。大丈夫だ、まだ慌てる時じゃない。大体、俺が慌てた事なんて、小学生の頃下校時にう○こ漏らした時くらいのものだ。


 帰り道にある中庭にベンチがあり、忘れ物だろうかゲーム解説本が置かれていたのだ、厚さ5センチもあり30cm✖️15cm程度の大型でゲームに目がない自分には手に取るしかない物であった。


 題名は『ORENO』見た覚えがないゲーム題名だ。俺は近くにある自販機でミルクティーを買うと、ベンチに座り解説本を手に取り中を見てみた。


 表紙は黒く金字で題名が書かれたそれの中身は剣と魔法の世界を主人公が冒険をするファンタジー世界観のゲームガイドブックで、様々な武器や防具アクセサリーの解説や魔法の概要やモンスターやキャラクターの設定やステータスの選択の説明が記されていた。


 各種ステータスは補正値が数字で解説され固有のスキル、簡単な説明が数行書いてあった。


また主人公には


爪や腕力を得意とする近接タイプ

タンクなどの防御を得意とするタイプ

弓などを得意とする遠距離得意タイプ

僧侶職である回復タイプ

バフをかけたり罠解除を得意とするサポート職タイプ

鍛治やアクセサリーや防具などを作成する職人タイプ


と分かれていて補正数値の成長率が異なっていた。


近接タイプ1.5

防御タイプ1.2

遠距離1.0

回復0.8

サポート0.7

職人0.5

が戦闘後に貰う経験値+補正値(経験値✖️補正率)となっていた。


 ステータスの成長率はレベル✖️10でたとえばレベル1なら各能力値が10が基本で、それにタイプや防具などの補正が追加されるというものだ。


 レベル1で装備アクセなしならステータス上の強さはほぼ変わらず固有スキルや装備などにより若干の強さに差が出る程度だろう。

例えるなら普通の初期スキルはこうなるのだろう

【ノーマルタイプ】レベル1

HP10

MP10

体力10

攻撃力10

器用10

防御10

魔法防御10

速さ10

魔力10

知力10


固有スキル なし

スキル  なし


********************


 誰の私物かわからないが、ここで先生に見つかると忘れた本人にまずいだろう。明日から暫く様子見て落とし主をそれとなく探すか‥‥‥。


 本をカバンにしまった瞬間、大きな揺れで地面に倒れてしまった。


「震度5程度かな。」


 揺れが収まってから、辺りに倒れたものはないか見渡して、特に変わり映えのないようだったので、ひとまずベンチに座り直してから、ふと右端を見ると近くにあるゴミ置き場の扉が開いて奥に暗い闇が見えた。確か灯りがついているはずなのに暗く穴のようなものが見える。

 

 変だな?興味本位で、ゆっくり中に近づく、扉の前まで来た時には中の様子も見えてきた。穴の様なものは僅かに4畳ほどの広さで中央に光るキューブが回りながら動いていた。穴に近づきキューブを取るとグニュグニュした柔らかさのようで、重さがほぼ感じなかった。


 光が一旦とまり、赤く、青く、黄色に変わり、そしてまたまばゆい白い光に変わった瞬間キューブが俺に向かい吸い込まれるように胸に消えて行った。



  そして冒頭に戻る。





 周りを見回そうとして、気づく。

瞼が開いてない。周囲が見えてるのに‥‥‥だ。


 まいったなと、頭をかこうとして・・・手が反応しない。すると、瞼の裏でゲーム画面のような映像と文字が現れた。



    『個体名サトル覚醒』

 『『ORENO』データ参照ダウンロード開始』

    『失敗』


    『再ダウンロード』

    『成功』


    『ステータス構築』

    『成功』


    『スキル構築』

    『成功』


    『特殊ステータス構築』

    『成功』


    『ダンジョン討伐報酬付与』

    『失敗』


    『再度付与』

    『成功』


    『ヘルプ機能構築』

    『失敗』


    『再構築』

    『失敗』


    『ヘルプ「極」機能構築に変更』 

    『成功』


    『ダウンロード完了しました。』



 やっと目が開けれて体が動けるようになったので、荷物と怪我の具合を確認してから先程のステータスとヘルプを確認してみた。スポーツバックと弓はすぐ傍にあり、中身は全てあった。傷や痛いところは見当たらなかったので、ほっとため息をついてから「ステータス」と呟いてみた。



「なんだ?」


『01World error』


『修復開始』


『error』


『ソロによる01World打破確認』

『固有「スキル妄想power」付与』

『特別スキル 「01World機能」付与』

 


ゲームアナウンスのような機械音が流れる。


 頭の中にはヘルプ機能があるようでベンチのガイドブックがデータに入っている感じであった。パラパラと読んだだけでデータに読み込まれたようだ。

何が何だかわからないが、どうやらあの穴はダンジョンになる前のなり損ないであり、キューブはダンジョン操作中のコアではないだろうか?


 俺はその力を吸収してしまい、知識も当たり前に頭にあると言う感覚だった。慌ててガイドブックをカバンから取り出すと全て頭に入っている知識と遜色ないもので「ステータス」と呟くと目の前にゲームのステータス画面が現れた。


ミカミ サトル(人型)

レベル1


HP10

MP10

体力10

攻撃力10

器用10

防御10

魔法防御10

速さ10

魔力10

知力10


固有スキル 

スキル妄想power


特別スキル 

01World機能 ヘルプ極機能


初期装備 なし


ー『ORENO』参照ー


 初期ステータスだからかなり弱いステータスである。人型?そんなタイプはガイドブックにはなかったような?固有スキルと特別スキルを確認の為に目の前の画面にそっと触れてみると、▼と開き内容が確認できた。



『スキル妄想power』使い手の妄想力が具現化


『01World機能』

鑑定

アイテムボックス

結界

転移

隠蔽

ダンジョンモンスター生成

ダンジョンボス生成

フィールド作成

植物鉱物生物作成

ダンジョン深掘り

ダンジョン罠作成

ダンジョンセーフティ地点作成

セーブポイント作成

宝箱作成機能

モンスターハウス作成機能

モンスター店作成

宝部屋と守護モンスターセット機能


『ヘルプ極機能』ガイドブック


『ダンジョンマスター』

ダンジョン内にてソロの際にステータスが各ステータスの1000倍


 ガイドブックには01World機能なんて書いてなかったし、ましてや妄想力なんてものはなかった。妄想は選択肢がさまざまなのかもしれない。


 ゲームならぶっこわれチートなのかもしれない、この能力は様子見していかないと不味いかもしれない。このスキルとかステータス画面とかは、多分あのキューブが影響してるんだろう。


 ステータスを眺めてやっと落ち着いてカバンを肩にかけて校門に向かって歩き始めた。



『地球の皆様へお知らせ致します。No.01〜999まで全世界に24時間以内にダンジョンが生成されます。それに先立ちモンスターがダンジョン外に排出が開始されました。処理の程よろしくお願いします。』



 続いて俺にだけアラート音が聞こえステータス画面に文字が流れてた。


『‥‥‥01ダンジョンerror』

『繰り返します‥‥‥01ダンジョンerror』


『確認しました。01Worldは討伐済。討伐者に初討伐報酬が与えられます。


報酬は3つ選択可能です。


1 異次元空間

2 魔剣ハリエッサ(大剣攻撃力999)

3 ガチャ


 アナウンスがあった同時に俺は少し悩んで『1』と叫んだが、一瞬の目眩がして目眩がおさまった後ステータス画面のスキル部分に異次元空間が追記された。


 アナウンスと自身のステータスは気になる所だが、自宅の様子が気になってたまらない。


 これから世界に何が起こるかわからないが、少しドキドキワクワクしている自分がいる。門を出ると学校の周りに立っ木造の家屋は倒れ、ビルの窓ガラスは割れ、アスファルトにはヒビが入っていた。日常と異なってしまった景色に目を見開いて、慌てて自宅を目指した。


 途中飲食店裏に置かれていたモップを手に取り妄想で初級武器の木の棍に変えてから右手に持ちながら走って周囲を見渡しながら走り抜けた。

学校から家までは15分の距離にあり、道は歩きにくいが人々は避難所となる広域避難場所の指定地域を目指し進んだり自宅に向かう人の流れが出来ていた。


「これがstartならゴブリンやゾンビまたはスライムが出始めてもおかしくはないが、フラグになるか?」


 曲がり角からフラフラしたサラリーマンが現れ、向かいから来た人にぶつかると、その人に縋り付くように抱きしめて‥‥‥。


「ぎゃあーー痛い痛い噛むな!やめろぉお!」

 

 その人型はまさしくゾンビの姿で、スーツを着た男の顔は崩れ、口の周りに血がべっとりとついていた。噛みつかれた中年はことぎれていた。


「キャー」「うわぁ」「逃げろぉお」


 辺りに悲鳴が巻き起こり、そしてゾンビはネズミ算式に増えていくことになった。まだ力の弱い俺はその場を走り逃げ右の曲がり角を曲がると自宅に向けて加速して行った。


 あとわずか50mという所で小さな緑の子供がパンツ一枚で歩いているのに気がついた、


「キミ、危ないからお家にいなさ‥‥‥。」


 違う!子供じゃない!あれはあれは



 ゴブリンじゃないか!


 近づいてくるそれは1匹で歩いていて、まるでチュートリアルの開始かのようであった。


 棍を両手に握りしめ、走りながらゴブリンに向けて幾度も叩き抜けた。幾度目かの打撃でそれは霧散し体が少し熱くなった後、声が聞こえてきた。


   ーーゴブリン討伐しました。ーー


  そして小さく白い魔石が足元に落ちていた。


 俺はスポーツバックにそれをしまいこみ、後わずかの距離にある家に向けて走り抜けて行った。

よろしくお願いします



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