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皇族姫  作者: 春香秋灯
男装の皇族姫-婚約解消のすすめ-
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内乱の後始末

 理不尽というものはいっぱいある。だけど、誰だって、その理不尽を飲み込んで、折り合いをつけて、上手に生きていくものなのだ。

 だけど、それが出来ない、身の程知らずの、欲深い者は、身勝手な言い分を建前に、とんでもない事を起こすのだ。

 私は溜息をついて、目の前で縛られ、転がされている者たちを優雅に椅子に座って見下ろしていた。

「お、お前、実の父親にこんな仕打ちをして、許されると思っているのか!?」

 その中に、私の父ネロがいた。本当だ、いた。驚いた。

「キロン、父上には拘束のまま、椅子だ」

「承知いたしました」

 珍しく、出来る家令のように、キロンは屋敷の外に並べられている椅子に、縛られたままの父ネロを座らせた。

「こ、これは、拷問用の椅子じゃないか!! 貴様、実の父を拷問するつもりか!?」

「実の子でも、気に入らないと暴力をふるうような人ですから」

「ふん、浮気で出来た子かもしれないのにか?」

 そういう噂があったのだ。そのことを父ネロは気持ち悪い顔で、わざわざ、口にする。

「アーサー、可哀想に。こんなのが父親だなんて」

「何度も、母上に確かめましたが、種は父上だ、と頭を抱えて言ってました。浮気で出来た子だと言われたほうが、百倍マシでしたよ。王都の神殿の証明書まで見せられた時は、泣きました」

「そんな、嘘を!?」

「それで、義兄と義妹は、父上の子なんですか? 王都の神殿で調べてもらいましょうか」

「旦那様の子だよ!!」

 義母リサが醜い顔で言い切る。

「だったら、調べてもらいましょうよ。金額次第では、筆頭魔法使いの証明書がいただけます。今すぐ、王都に行きましょう」

「誰が、妖精憑きなんかの証明を信じるものかい!!」

「だったら、証明しようがないでしょう。片親が貴族だと証明出来ないのなら、義兄と義妹は貴族の学校を退学してもらうこととなりますよ。私は、浮気で出来た子といえども、私を産んだ母上は貴族ですから、問題ありません」

「っ!?」

「まあ、いいでしょう。今回は、この方の顔に免じて、見逃してあげましょう」

 私は目くばせすれば、妖精憑きキロンが屋敷から、内乱での協力者を連れて来てくれた。

「と、父ちゃん!!」

「お祖父様!!」

「どうして!?」

 私が呼び寄せたのは、リサの父親である。リサの父親は、今回の内乱が起こった時、水面下で私の指示に従って、内乱側について、領地民全てを一夜だけだが、領地民たちの自宅から引きはがしたのだ。

 リサの父親は、私の前で膝をついて、深く、頭を下げた。そんな彼に、父ネロについて、うまい汁を吸っていた者たちは、縛られ、地面に転がされたまま、信じられないものでも見るように、リサの父親の背中を見ていた。その中には、リサの兄弟姉妹も混ざっていた。

「ど、どうして、親父」

「アタシたちを騙したって」

「跡継ぎの俺を騙すなんて!?」

「身の程をわきまえないお前たちが悪い!!」

 リサの父親は怒りをこめて叫び、怒りの形相で、転がされている者たちを睨み下ろした。

「あれほど言ったというのに、リサの甘言に乗せられおって。亡くなった奥様が、アーサー様が、お前たちのために、うまく帝国と話をつけてくれたんだぞ!! 本当なら、俺たちは、帝国によって滅ぼされていたってのにな」

「そんなこと」

「そいつの嘘で」

「妖精憑きを閉じ込め、散々なことをしていた我々を帝国が許してくれるはずがないだろう。帝国は、妖精憑きの力によって支えられてるんだ。お前たちが当然のように使っている魔道具の原動力は、全て、妖精憑きの力だ!! お前たち、蛇口をひねったら、普通に水が出るが、それは、魔道具だぞ。便利な農具だって、全て、魔道具だ。その原動力は妖精憑きだ!!! そんな恩恵を受けておきながら、俺の親父は、妖精憑きだからと、あのガキを迫害した。何も知らなかったから、俺は、そのまま受け継いだ。そして、真実を奥様から伝えられた時、全てを捨てて逃げ出すことしか考えられなかった」

 その時のことを思い出したのか、リサの父はぶるぶると恐怖で震えた。

 私もそうだったなー。妖精憑きキロンを保護して、キロンの身の上を知った時は、終わった、と思った。まだ十歳未満だった頃の私でさえ、領地内で長年、行われた所業は、もう、神の慈悲に縋るしかない、と思ったほどである。

 リサの父は、とても話のわかる人だったし、何より、領地がどんどんと悪くなっていくのを体験して、母マイアと悩んだ仲である。ほら、リサの実家は、代々、領主代行だから。リサの父は、緩やかに酷くなっていく領地を見て知っているのだ。

 ただ、領主代行といえども、リサの父もまた、領地の洗礼を根底から受けている。妖精憑きを蔑む教育を受けていたため、迫害されている妖精憑きの報告をリサの父は行わなかったのだ。むしろ、妖精憑きの存在のせいで領地が呪いを受けている、とリサの父は言い張ったのだ。

 しかし、妖精憑きキオンが保護され一年後、領地が類を見ないほどの実りを取り戻したことに、リサの父は自らの罪を自覚した。

 それからは、ずっと、リサの父は、母に、母亡きあとは、私に裏で繋がっていたのだ。表立つことは、領主代行の立場を悪くするため、秘密にしていた。

 過去を思い出し、リサの父はまだ、恨み事を口にするリサを蹴り飛ばした。

「お前は、あれほど、身の程をわきまえろ、と言ったのに、将来は子爵夫人になるんだ、と言い張って、家のことは何も手伝わず、家でも外でも威張り散らして!! お前が子爵様と浮気をしていると奥様は知っていた。それでも、奥様は見逃して、生まれてくる子は貴族として引き取ろう、と言ったのに、お前は泥棒といって、手放さないばかりか、養育費といって、奥様に金を要求していたな」

「貰ってないよ!! あの女、何に使うんだ、というばかりで、金を寄越さない」

「お前は知らないだろうが、お前の子たちに必要な衣食住の費用は、全て、奥様が出してくれたんだ。アーサー様は跡継ぎでありながら、ご実家で使いまわされたお古だが、お前の子どもたちには、わざわざ行商人を呼び寄せて、選ばせてくれた。読み書きの教師も、屋敷から派遣してくれた。お陰で、お前の息子は、貴族の学校に入学出来た」

「アタシが旦那様と結婚していれば、同じことをしてたさ!! 恩着せがましいこと言って」

「はっ!! 実際に、子爵夫人になってやったことは、アーサー様の虐待だ。お前はきちんと面倒をみている、と俺に言ったな。俺は、お前のいう事を信じたが、俺がバカだった。だから、償いのために、俺はアーサー様に従ったんだ。裏切ったんじゃない。恩返しだ」

「アタシを裏切ったじゃないか!!」

「我が家の間違った行いを許してくれたのは、奥様だ。お陰で、俺の子も孫も、無事だ。お前が生きて、そうやって言いたい放題出来るのも、奥様のお陰だ」

「領主代行してた父ちゃんが悪いんだよ!! アタシたちは被害者だ!!!」

 何を言ったって、義母リサには通じない。

 領主代行をしていただけあって、リサの父親は頭がいい。それは、リサの兄もだろう。リサの兄は、真っ青な顔になって、近くに転がっているリサの顔に唾を吐き付けた。

「お前の口車に乗ったばっかりに、俺も罪人だ!! どうしてくれる!?」

「アタシは子爵夫人なんだよ!! アーサー、お前が勝ったって、爵位も継いでないガキだ。何の権力もない」

 そんなリサを領地民たちが数人がかりで蹴った。

「な、何するんだよ!?」

「お前とアーサー様とは、天と地ほど違う!!」

「そうだ!!」

「奥様が俺たちに課した借金も全て、なくしてくれたんだ!!!」

「一度は指し押えたものを神殿に寄贈して、そうして、また、俺たちに返してくれたんだ!!!」

「お前なんかとは違うんだよ!!!」

 拘束されていない領地民たちは、私の味方だ。

 領主代理を使って、無人となった家から、一度は食糧から金品全て、差し押さえた。それも、全て神殿に寄贈した。領地民たちは着の身着のままで神殿に保護されていた私の元にやってきた所、神殿は寄贈された物全てを領地民に下げ渡したのだ。

 私は一度は差し押さえた物品は、残った借金と相殺した。そして、差し押さえた物品全てを教会に寄贈寄進したことで、所有権を神殿に移した。神殿は困った者たちである領地民たちに渡したのだ。私はその場で、母マイアと領地民たちが行った契約書を全て、領地民たちに返した。

 いつもだったら、義兄リブロと義妹エリザが私に何かしら口答えする。その二人も、さすがに黙り込んだ。これまで味方だった領地民たちのほとんどが、敵になったのだ。

 領地民でも、拘束されている者たちもいる。彼らは、元は子爵家の使用人たちだ。今回の内乱の火付け役となったため、身内が差し出したのだ。

 家族から見捨てられた元使用人たちは、私に向かって、深く頭を下げた。

「どうか、お許しください!!」

「知らなかったんです!!」

「今度こそ、誠心誠意、お仕えいたします!!」

「今更でしょう。お前たちは、母が亡くなってすぐ、私を裏切って、散々なことをしてくれた。私が実権を握った後も、私の命令には一切、従わない。そんなお前たちを信じるものか。戻る家があるといいですね」

 元使用人たちは絶望しかない。

 この元使用人たちは、自業自得だ。内乱で父たちが勝利した後、私によって財産を差し押さえられた身内や友人知人を見捨てて、屋敷で悠々自適に過ごしていたのだ。

 父たちも、元使用人たちも、リサの兄弟姉妹たちも、何か口にすれば暴力を受ける。私はそれを止めない。それよりも、私は王都からの使者を待っていた。

 帝国で内乱が起こった場合、結果云々はともかく、帝国が間に入ることとなっている。ほら、万が一、帝国への軍事力を持っていた場合、帝国の敵として、その力を削がないといけないからだ。

 内輪もめ、帝国では大歓迎なのだ。止めない。ほら、弱肉強食だから。

 だから、今回の内乱は、敗者が罪人となる。敗者は弱者である。それは罪なのだ。

 しばらくすれば、神殿の馬車がやってきた。どうやら、それなりの実力のある魔法使い同伴の使者だ。

 相手がどこまで偉い人かわからないので、私はすぐに、馬車の側に駆け寄って、出迎えた。それに合わせるように、使用人たちも綺麗に並んだ。

 なんと、馬車の御者は辺境の教皇フーリード様だ。この人を御者に使うなんて、とんでもない権力者が来ちゃったなー。

 フーリード様は、いつもの穏やかな笑顔を私に向けてくれた。安心させるつもりなんだな。

 フーリード様が馬車のドアを開けると出てきたのは、筆頭魔法使いの衣装を来た、とんでもなく綺麗な若い男だ。

「あーーーーー、てめぇーーーーー!!」

 私は無言で叫ぶ妖精憑きキロンの脇腹に拳をめり込ませた。さすがのキロンも、これには声もなく蹲った。

 馬車から下りるなり、筆頭魔法使いは私に抱きついた。

「アーサー、久しぶり!!」

「ティーレット、やめなさい。人前ですよ」

「で、僕のアーサーに悪事を働いた奴らはどこかな?」

 すっかり、大人の姿になったティーレットは、筆頭魔法使いの顔で、転がされている敗者たちを見た。

 辺境のど田舎で、魔法使いの服なんて知っている者のほうが珍しい。さらに、筆頭魔法使いの衣装なんて、知らないだろう。だけど、王都の使者が私寄りだというのは、誰が見ても明らかである。

 私の肩に腕を回したまま歩くティーレット。その間に、無理矢理、キロンが割り込んだ。

「お前は王都で女帝の相手でもしてろよ!!」

「その女帝から許可を貰ったんだ。僕がアーサーに会いたい、とお願いすれば、女帝陛下は二つ返事で許可をくれる」

「ふん、まだ、火傷も治ってないくせに」

「触るな!!」

 やっぱり、まだ、痛いんだ。

 ティーレットは筆頭魔法使いの儀式を行って、まだ、一か月も経っていない。先代となった賢者ラシフ様がいうには、筆頭魔法使いの儀式を行って一か月はベッドから出られないといっていた。

 今回の内乱の話を聞いて、ティーレットは無理矢理、起き上がったんだな。

「ティーレット、そんな無茶しないの。あの儀式、半分は私が無理矢理やったことだから」

「アーサーが与えてくれた痛みだ」

 ティーレットは怪しく笑う。

 筆頭魔法使いの儀式は、とんでもなかった。大人の背中にぴったりの焼き鏝で、契約紋を背中に焼き付けるというものだ。この契約紋は特殊で、儀式を受けた者の回復を阻害して、契約紋となるように、火傷の痕を定着させるという。

 ティーレット、とっくの昔に筆頭魔法使いになっていなければならなかったのだが、この儀式をイヤがって、ずっと子どものふりをしていたのだ。それも、ティーレットのお気に入りとなった私が、その儀式を無理矢理、決行したのである。儀式って、魔法使い全てを集めて、ティーレットを力づくでおさえこんで行うものなのだが、私に時間的余裕がない。私は辺境に次の日には戻るのだ。だから、その日の内に、私に逆らえないティーレットの背中に、私が焼き鏝を押し付けたのである。

 いやー、焼き鏝を押し当てる経験なんて、私の手ではないと思っていたけど、まさか、筆頭魔法使いの儀式でやることとなるとは。未来って、読めないね。

 ティーレットは苦痛で顔を歪めるも、私のもう片方の隣りに移動した。

「キロン、やめなさい。ティーレットは帝国の使者ですよ」

「だってぇ」

「どうせ、状況確認したら、ティーレットは王都に戻るんだから、我慢しなさい」

「アーサー!!」

 ティーレットは情けない顔で半泣きである。そんな顔したって、もう、私は絆されたりしないぞ。立派な大人となったティーレットには、保護欲は動かない。というよりも、逆だ、私を甘やかすのがティーレットだろうに。ティーレット、長年、子どもの姿でいたから、甘やかされたんだな。キロンと逆だ。

 妖精憑きキロンは、子どもの姿ではあったが、領地内で虐待を受けていた。立場も扱いも違うが、キロンもティーレットも、まだまだ子どもが抜けない。

 領地民たちによって、抵抗を封じられた敗者たちは、無理矢理、頭を下げさせられていた。

「アーサーの家族がいると聞いてる。前に出ろ」

 ティーレットが支配者の顔で命じる。

 父は椅子に座らされたまま、義母、義兄、義妹は引きずられて、筆頭魔法使いティーレットの前に放り出された。

 使用人が気を利かせて、ティーレット用の椅子を出してきた。しかし、ティーレットは、何故か私を座らせ、その傍らに立った。

「これらが、アーサーの家族か。似てないな。本当に家族か?」

「私と血のつながりがあるのは、父と、腹違いの義兄と義妹です。義母は赤の他人な上、平民です」

「なんだ、その女はアーサーの家族じゃない上、貴族でもないのか。では、離せ。僕は女帝の代理人だ。平民は側に寄ることも許されない」

「そ、そんなっ!?」

 声をあげる義母リサは、無様にも足を引っ張って引きずられ、罪人となった元使用人たちの元へと戻された。

 いつもは偉そうにしている父、義兄はぶるぶると震えた。図太い義妹は、綺麗な容貌であるティーレットに見惚れ、じりじりと寄っていく。

「あ、あの、わたくし、何もしていません。ただ、付いていっただけなんですぅ」

 気持ち悪い声でいう義妹エリザ。同じ女だけど、私には出来ない芸当だ。

「アーサーお義姉様、同じ女だとは知りませんでした。同じ女同士、これから、仲良くしましょう!」

 ついでに、私にすり寄ってきた。どこまでいっても、可愛い妹を前面に押し出す義妹エリザ。

 ティーレットは嫣然と微笑んで、義妹エリザを見下ろした。誰もが見惚れるそれに、エリザは救いを見た。

「誰が、話していいと許可した? いくら片親が貴族とはいえ、お前はまだ子ども。平民以上貴族未満だからといって、許されることではない。誰か、この女の口を塞げ」

「え、どう、どうして!?」

 すぐに、領地民たちが、義妹エリザの口を塞いだ。暴れるものだから、エリザの頭をおさえこんで、動けなくした。

「私も許可なく口を開いてしまいましたね。無礼でした」

「アーサーはいいんだよ!! そこらの塵芥とは違う!!! アーサーは一生、僕の許可なんていらないからね。いくらだって話して」

「それは、私的の場のみだけにします。ここは、辺境のど田舎といえども、公の場ですよ」

「仕事しないと、叱られちゃう」

 仲良くお話する私と筆頭魔法使いティーレット。それを憎々しいと睨み上げる義兄リブロは、私に向かって叫んだ。

「男と偽っていたが、やはり厭らしい女なんだな!! 女使って男を誘惑するなんて!!!」

 私は自らの姿を見下ろす。

 晴れて、堂々と女と名乗れるようになったが、未だに男の恰好をしている。ほら、家のことが大変で、それどころじゃなかったから。

「このない胸で誘惑出来るのだろうか」

 触ってわかる。男装のために隠す必要がないほど平べったい胸。そして、義妹エリザを見下ろす。

「エリザ、そんなに立派な胸があるというのに、男を誘惑出来ないなんて、どこまで、無様なんですか。男の恰好の上、胸のない私が誘惑出来て、女の服を着て、立派な胸を持つエリザが誘惑出来ないなんて。義兄も酷いことを言います」

「っ!? そ、そんなつもりで言ったんじゃ」

「色々と切り詰めた生活を貴族でありながらしていた私と、義母の実家できちんと食事をとっていたあなたたちとでは、どうなんでしょうね」

「………」

「義兄、その立派な体躯、誰のお陰か、もう、わかっていますよね。それもわからないようであれば、お前に救いがない」

 私が実権を握ってから、食事が質素になった。それを嫌がらせと義母リサたちは考えたのだ。リサたちがリサの実家でお世話になっていた時は、食事はしっかりしていたのだろう。

 そうなるように、亡き母が支援していたのだ。

「母は恩返しをしてほしいから、施したわけではありませんよ。ただ、貴族の義務として、支援していただけです。片親といえども貴族であった場合、成人するまでは、貴族扱いなんです。それを一生貴族だと思いあがって。だいたい、貴族の矜持のないあなた方に、誰が従いますか。その結果が、これです」

 領地民のほとんどが、私の父、義母、義兄、義妹の敵になった。そして、義母リサの実家は、血のつながりの全くない私の味方となった。

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