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皇族姫  作者: 春香秋灯
賢者の皇族姫-男爵令嬢と悪女-
141/353

貴族の学校へ行こう

 貴族の学校の願書は、魔法使いハサンのお陰で、無事、受理されました。男爵家では、ずっと悩んでいたことが、ハサンの養女となってから、簡単に通ってしまったので、呆気なく感じていました。

 男爵家は、嫌がらせみたいに、ハサンの誘拐を訴えています。だけど、全て却下されています。あまりにもしつこい、ということで、とうとう、騎士と魔法使いが動く騒ぎとなりました。ちなみに、動いた魔法使いは、賢者テラス様です。こわっ。

 ようは、わたくしは賢者テラス様の憂さ晴らしの理由に使われたのです。テラス様は、わざわざわたくしの元生家に行きました。

 まさか、賢者テラス様が直接来るとは思ってもいなかった男爵は、しかし、大きく出ました。

「我が家としては、養育にかかった費用を出してもらえば、文句はないんだ」

 金の話となったのだ。それを聞いて、騎士が前に出ようとしましたが、テラス様が止めたそうです。

 賢者テラス様は、魔道具を出して、家の壁に映像を映したそうです。それは、過去、わたくしが男爵家で受けていた仕打ちを映し出したそうです。

「作り物よ!!」

 それを見た男爵令嬢マツキは叫んで、道具に手をかけたといいます。壊されそうになったので、騎士がマツキを止めました。

 だけど、ちょうど、わたくしを足蹴にしているマツキの姿で止まっている映像に、騎士たちはマツキを蔑むように見下ろしました。

「これは、ここら一帯の妖精から集めた記憶です。記憶ですので、主観はありません。見たままがここに映し出されたにすぎません」

「………」

「これを帝国民に見てもらいましょうか。映像の魔道具はなかなか珍しいので、金がとれます。この売上で、養育費とやらを支払ってあげましょう。帝国全土でやりますから、莫大な金額になりますよ」

「そ、そんなっ」

「養育費が欲しいのでしょう。ならば、真実をそのまま表に出しても問題ないでしょう。支払ってあげますよ、養育費」

「そんな莫大な金額でなくて」

「妖精憑きから金をとるということは、妖精の復讐を受ける危険が伴う行為です。そうなることを防ぐために、安全な方法で、養育費を集めてさしあげると言っているのですよ」

 相手は、帝国最強の魔法使いである。腕っぷしでも勝てないし、立場でも勝てない。男爵はそれでも、どうしても何かしたかったのだ。

「か、家族の問題だ。娘を返してくれ」

 男爵は、わたくしという、当たり散らす存在を取り戻したくなった。腹が立って仕方がないのでしょうね。

 そして、とうとう、騎士が動き出した。男爵を拘束したのだ。

「帝国反逆罪で逮捕する」

「どうしてだ!? 娘を取り返そうとしただけだろう!!」

「魔法使いが望んだ者を差し出すのが帝国民の義務だ。それを行わないということは、帝国に反逆したことになる」

 男爵は顔を地面に押し付けられ、震えた。どれほど暴れても、びくともしない。騎士二人で、男爵の身動きをしっかり封じたのだ。

 無様になった男爵を賢者テラスは冷たい笑みを浮かべて見下ろした。

「まだ、言いますか? 妖精憑きからお気に入りを奪うことは、帝国に反逆することですよ。ハサンからは、穏便に、と頼まれました。ハサンの好意を無駄にしないように。いいですね」

「わ、わかり、ました」

「お父様!! ササラを取り返すと言ったではないですか!?」

 男爵がやっと諦めたというのに、男爵令嬢マツキは空気を読めず、責めるようなことをいう。

 騎士に拘束されたままのマツキは、無礼にも、賢者テラスを睨み上げる。

「あの女は、母親が貧民よ!! 育ててやっただけでも、ありがたいと思うべきよ!!!」

「なるほど、これは酷いな。その女は一晩、牢屋にいれて、鞭打ちだな」

「どうして!?」

「もう、お前とササラ嬢では、立場が違うのだよ。今のササラ嬢は、魔法使いの大事な娘だ。お前とササラ嬢とでは、価値が違う。お前が死んでも、帝国は痛くも痒くもない。ササラ嬢は傷つくだけで、帝国は困るのだよ」

 こうして、マツキは男爵令嬢でありながら、平民用の牢にいれられ、鞭打ちをされて帰されたという。





 男爵家の顛末を聞いてすぐ、入学試験となりました。わたくしは、ハサンによって、会場まで連れて行かれました。

「今日はずっと付き添いするつもりですか!?」

「何があるかわからない。本来ならば、個室で試験を受けるべきなんだ」

 養女に対して、随分と心配しすぎだ。ハサンの過保護に、なんだか、わたくしはくすぐったいものを感じました。こういうことされたのは、初めてですから、どうすればいいか、わかりません。

 魔法使いと一緒なので、どうしても目立ちます。

「本当に、母親と同じで、色目なんか使って」

 そして、男爵令嬢マツキは、サツキ様の義妹クラリッサの取り巻きの一人としてやってきて、わたくしに聞こえるように悪く言います。

「あの子、確か、マツキさんの使用人ではありませんか」

 社交によく連れて行かれて、散々なことをされていたので、それなりに、わたくしの顔を知られていました。負け組ですからね。

 クラリッサがわたくしに興味を示したので、マツキは気持ち悪い笑みを浮かべ、クラリッサの隣りに移動します。

「母親が貧民で、父に色目を使って、浮気させたんですよ。母は浮気相手の子でも、貴族らしく引き取って育てたんです」

「そうなのですね。貧民って、本当に卑しいですね」

 わたくしの母が貧民と聞くと、近くの貴族の子息令嬢はわたくしから距離をとります。別にいいけど。

 さらに、マツキはわたくしを悪く言います。

「貧民の血が濃いからか、伯父にまで色目をつかって、養女になったのですよ。家で、どのようなことをしているのやら」

「まあ、血の繋がりがあるというのに、まさか」

「これだから、血筋が怪しいと」

「気を付けないといけませんね。きっと、学校でも同じことをするかもしれませんよ」

 言いたい放題です。わたくしは呆れたように聞き流しています。

 ところが、ただ、横に付き添っていればいい魔法使いハサンは、わたくしを後ろから抱きしめます。

「ハサン、人目があります。やめてください」

「テラス様が見てる」

 そっち!!!

 試験会場の前に、確かに、賢者テラス様がいました。こちらをじっと見ています。

 これはまずいことになりました。テラス様は誤魔化さないといけないけど、噂を肯定するような行動は慎みたい。

 どちらを選ぼうか、と悩んでいても、もう、噂を肯定するほうに傾いています。ここは、諦めが肝心です。

 ハサンとテラス様は、にらみ合っているようにも見えます。会場の入口で、ハサンはわたくしの前に立ち、テラス様に一礼します。

「休みをいただき、ありがとうございます」

「先日、妙なことがありました」

 テラス様、男爵令嬢マツキに視線を向ける。マツキは、テラス様の視界に入りたくない、と誰かの後ろに隠れたりしています。

 それは、サツキ様の義妹クラリッサもです。彼女、舞踏会でテラス様の不興を買ってしまいました。その事実は、まだ、知られていないようで、取り巻きは普通にクラリッサの側についています。

「魔法使いのお気に入りを家族に持った貴族が、帝国に養育費を要求してきた。その貴族が卒業した学校が、ここだ。皇帝のおひざ元でやってくれたんだ。これから、厳しくしてもらうように、話しておいた。皇帝陛下に言われてしまった。貴族が好き勝手して、大事な魔法使いを蔑ろにしている、と」

 マツキは真っ青を通り越して、真っ白だ。わたくしは見ていないのだけど、話だけは聞いている。マツキは、賢者ハガル様に口答えしたのだ。

「テラス様直々に動いていただき、ありがとうございます。お陰で、私の姪は私の養女となって、肩身狭くない生活を送れるようになりました。ササラ、ほら、テラス様にお礼を言いなさい」

「テラス様、ありがとうございます」

 ハサンの教育のお陰で、綺麗な礼は出来るようになった。

 テラス様は、わたくしの動作を見て、満足そうに笑った。

「随分と、愛情をかけましたね。手助けした甲斐があるというものです。ハサン、あなたは働きすぎです。後進に仕事をまかせて、休みをもっととりなさい」

「十分、いただいています。後進育成は、私の仕事です。お任せください」

 賢者テラス様がわたくしの味方となったことは、公然となった。






 試験の結果は次席となって、そちらのほうが驚きです。

「マツキ、次席にすらならなかったのね」

 あれだけ才女だ、と大口叩いていたのに、結果は、なんと五番です。わたくしとマツキの間に、まだ二人もいますよ。

「あの女、五番といっても、一点二点の差だ。そこから後は、点数も似たり寄ったりだ。どちらかというと、サツキ様とササラが高得点すぎるんだ。ササラはあと少しだったな」

「サツキ様が首席ですか。嬉しいです」

 わたくしはまあ、受かればいい程度なので、点数なんて気にしない。それよりも、サツキ様が首席なのが嬉しい。わたくし、顔まで笑ってしまいます。

「そうか。私はササラが次席で嬉しいんだが」

「首席でなくて、残念ですか?」

「あのどうしようもない女に勝てて嬉しい。さすが私が育てたササラだ」

「そうです。ハサンのお陰です」

 無事、合格証書を手に入れました。家を出て、貴族の学校に入学しました。

「これから、どうすればいいですか?」

 そう、この先をわたくしは考えていない。わたくしはただ、サツキ様に言われた通りにしただけだ。

「普通に、学校に通うだけだが」

「そうですけど、サツキ様のお手伝いをするつもりで、頑張ったんです。学校に行ってから、何をすればいいのですか?」

「そういうことか」

 ハサンは苦々しいといった顔をする。何か考えこんでいる。

「元々、私もサツキ様も、ササラを復讐に巻き込むつもりはなかった。あの時はただ、ああ言ったにすぎない」

「ここまで関わったのですよ。仲間外れにしないでください!!」

 サツキ様のお陰で、あの男爵家族をちょっとひどい目にあわせることが出来た。才女と大口をたたいていたマツキよりもいい成績をとった。もう、十分だ。

 それよりも、恨みの根深いサツキ様の力になりたかった。同じ学校に行くのだ。きっと、力になれる。

「そこから先は、サツキ様に相談しなさい」

「相談って、どうやって」

 これまで、秘密裡に会っていた。あの隠された邸宅でだ。でも、もう邸宅に行く必要はない。学校に行けば、サツキ様に会える。

 ただ、秘密裡、というのは難しい。

「普通に友達として会えばいい」

「いいのですか!?」

「学校で久しぶりに会って、普通に意気投合すればいいんだ。そんな、難しいことではない。面識はあるんだ」

「それは、勇気がいりますね」

「そんな勇気だなんて」

「緊張します。どう声をかければいいでしょうか」

「普通だろう。お久しぶりです、と言えばいい。あとは、思った通りに話せばいいんだ」

「やってみます」

 物凄く大変な感じでした。普通に話せるかしら。

「その前に、新入生代表挨拶だな」

「誰がやるのですか?」

「今年の首席はサツキ様だから、サツキ様が挨拶だ。ただ、あの家は、サツキ様のものを全て横取りする。今回も、何かするだろう。ないとは思うが、新入生代表挨拶を作っておいてくれ」

「わたくしが作って、サツキ様に渡せばいいのですね」

「いや、サツキ様が発表出来ない時のための保険だ。首席が出来ない場合は、次席がやるのが通例だ」

「えー、やりたくないー」

 心底、やりたくない。人前でお話するなんて、怖くなっちゃう。

「入学式、病気になって休みましょう」

「それは許さない。一生に一度のことだ。行きなさい」

「どうでもいいですよ」

「サツキ様の義妹がやるかもしれない。それは絶対に防がなければならない」

「………わかりました」

 本当に、サツキ様のあのダメな家族をどうにかしたい。だけど、サツキ様は、あの家族を生かさず殺さずで復讐したいのだ。

 どういう方法で復讐するのか、わたくしは想像も出来ない。わたくしは、次席だけど、所詮、努力して手に入れた次席です。効率よく勉強すれば、次席って、どうにかとれます。

 だけど、首席をとったサツキ様は天才です。後で聞けば、今年から生徒会副会長だという天才を越えた、と言われたそうです。わたくしが次席でも、ハサンは大喜びです。きっと、賢者テラス様は、サツキ様の首席をもっと喜んでいるのでしょうね。


 そして、入学式当日、わたくしは少し早く着き過ぎました。もちろん、ハサンも一緒です。

「サツキ様、やり過ぎだ」

 校門をくぐる前から、ハサンはわけのわからないことを呟きます。

 馬車から降りて、辺りを見回しますが、わたくしには何が起きているのか、わかりません。

「ただの人にはわからないだろう。学校全体に、妖精避けがされている」

「サツキ様がやったのですか!?」

「道具作りの一族だ。それぐらい簡単だ。ここまで強い妖精避けだ。テラス様の妖精でも、おいそれと侵入が出来ないだろう。妖精を使うには、妖精憑き自身が来るしかない」

「それは、いけないことですか?」

「遠隔の監視が出来ない。サツキ様自身も妖精避けをされているから、テラス様の妖精の守護はついていないだろう」

 とても難しい顔をするハサン。よくわからないですが、大変なこととなっているようです。

「何かいけないことでもあるのですか?」

「皇族には基本、筆頭魔法使いの妖精が守護につきます。そういう契約を筆頭魔法使いは儀式で行われるのです。ですが、サツキ様は道具を使って、それを出来なくさせています。たぶん、テラス様が後ろ盾になっていることを隠すために、そうしたのでしょう」

「そんな、わざわざ妖精避けなんかしなくても、隠すことは出来ますでしょうに」

「筆頭魔法使いの契約は、そんな甘いものではありません。皇族を守護するために、特定の命令が契約に施されています。暴力を受けたり、薬を盛られたりすれば、その相手に妖精が復讐します。これは絶対なんです。サツキ様は、妖精の復讐を防ぐために、あえて、妖精をつけないようにしたのでしょう。同じように、ここ一帯を妖精避けをすることで、テラス様の監視や守護を出来ないようにしたのですよ」

「………」

 妖精をつけることは、サツキ様自身のためにはいいことだ。だけど、皇族だということを隠すためには、どうしても、妖精を封じなければならない。

 泣きたくなってきた。身を削ってまで復讐するサツキ様が気の毒でならない。もう、やめてしまえばいいのに。神から与えられた恩恵を捨てる行為は、きっと、サツキ様を不幸にするのだろう。そう思う。

「ササラではないですか!!」

 少し、泣きそうになっているところに、サツキ様が声をかけてきました。

 見て、驚きました。あれほどやせ細っていたサツキ様は、すっかり見違えていました。本当にわずかな間、見ていないだけです。

 笑顔でやってくるサツキ様は、わたくしの手をとって、笑顔で喜んでいます。

「サツキ様、サツキ様!!」

 わたくしはすっかり綺麗になったサツキ様に泣いて抱きつきました。

 まだ人がまばらな時です。でも、たくさんの人がいてもいい。見られたって、いいんです。

「聞きましたよ。わたくしの血族に、それはそれは可哀想な子がいたけど、魔法使いが見染めて、今、囲っているって。良かったですね」

 あれほどガリガリだった体は、少し柔らかくなっていた。サツキ様はわたくしを抱きしめ返してくれた。

「良かった、一緒に学校に通えて。今日から、同級生ですよ」

「はい、サツキ様!!」

「その、様付けはやめましょう。もう、あなたは血族から外れました。それに、同級生ですよ。呼び捨てにしてください」

「そんな、恐れ多い!!」

「わたくしの最初の友達になってください。わたくしも、お母様のように、友達が欲しいのです」

「ですが」

「そうしなさい」

 サツキ様だけではない。ハサンまで言ってくる。

 サツキ様を呼び捨てだなんて、本当に恐れ多いことだ。だけど、サツキ様も、ハサンも、優しい笑顔でわたくしを見ている。サツキ様は、期待をこめてもいる。

「で、では、サツキ、さん」

「呼び捨てですよ」

「サ、サツキ」

「練習してください。明日までの宿題です」

 そう言って、サツキはわたくしから離れます。

「新入生代表挨拶はどうなりましたか?」

 ハサンは魔法で人避けを施して、真面目な話を始めた。もう、誰もわたくしたちを見ていない。どんどんと人が増えていくが、魔法によって、人はわたくしたちを避けていく。その人の流れにあわせて、わたくしたちは進みました。

「お父様ったら、皇族の使者にまでお断りをして、クラリッサを代表に、と売り込んだんですよ。可哀想に、皇族の使者は処刑されたでしょうね」

「愚かですね、その使者も」

 皇族の使者には哀れみなんて感じない。心得違いをしたのだ。皇族の命令に従わず、さらに、勝手に意見をしたのだ。ただの使者のくせに、皇族のような考えを述べたのだ。処刑されて当然だ。

「それでは、サツキ様が新入生代表挨拶をしない話となったのですか?」

「今はそうなっています。ですが、今年は皇族が生徒会長です。そんなこと許されませんよ。だから、わたくしを説得するために、家族を探しているでしょうね」

「サツキ様が先に行けば、代表挨拶がサツキ様になります。ぜひ、行ってください。サツキ様がやらないと、わたくしがやらされます」

「どうしてですか?」

「わたくしが次席だからです。ハサンに言われて、あいさつ文も考えさせられたのですよ」

 恨みがましい、みたいにハサンを睨んでやる。ハサンは涼しい顔をしている。このあいさつ文、かなりダメ出しされたのだ。大変でした。

「後で見せてください。見てみたいです」

「サツキ様が使ってくださっていいのですよ。ハサンの合格をいただきました」

 むしろ、提供しちゃう。サツキ様にやってもらおう。

「いえいえ、ササラが考えたのですから、ササラがやってください。わたくしは辞退してあげます」

「やめてください!? 人前で挨拶なんて、出来るわけがありません!! サツキ様、お願いですから、やってください!!!」

 このまま、サツキ様が隠れていたら、ハサンはわたくしにやらせる!!

 わたくしはサツキ様に泣きついた。サツキ様は悪戯っ子みたいに笑っています。

「大丈夫ですよ。あのどうしようもない家族を皇族の前で恥をかかせてから、きちんと受けてきますからね。それまで、ハサン、わたくしを隠してくださいね」

「わかりました」

 そうして、ハサンの魔法で人除けをされている所に、あのどうしようもないサツキ様の家族が目の前を通り過ぎていきます。そんな家族をおかしそうに見るサツキ様。

 それからすぐ、サツキ様の家族は皇族の前に連れて行かれました。そして、散々なことをして、サツキ様の父ブロンが騎士によって拘束されている所を見て、サツキ様はハサンから離れていきました。

 結果、サツキ様は、無事、新入生代表挨拶をこなしました。助かった。

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