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皇族姫  作者: 春香秋灯
賢者の皇族姫-公爵夫人と悪女-
135/353

謝罪

 二年の役員は、名前だけ使われるサツキを、勝手に生徒会室に呼び出したのだ。

「あの、家の仕事の手伝いがありますので、帰らないといけませんの。お話は手短にお願いします」

「何が家の手伝いだ!? クラリッサ嬢にやらせていることだろう!!」

「婚約者を束縛しすぎるのもやめてくれ。生徒会の仕事が滞っているんだ!!」

 クラリッサとエクルドが使う机の上にある書類を叩いていう二年の役員。

 サツキは、面倒臭そうに息を吐き、一生徒だというのに、生徒会の仕事を手にして、パラパラとめくって、書き込み二年の役員の手に押し付ける。

「終わりです。帰ります」

「こら、勝手に!!」

「痛いではないですか!!」

 二年の役員に腕を強く掴まれたのだろう。サツキは悲鳴をあげる。だけど、二年の役員は離さない。

「大袈裟に痛がって」

 ところが、サツキは本当に痛がっていた。それには、マクルスが前に出て、二年の役員を止める。

「腕を見せなさい」

「その男がちょっとバカ力なだけですよ。大したことはありません」

「いいから」

 かなり失礼なことだが、マクルスは無理矢理、サツキの服の袖をめくった。

 腕に物凄い青あざがあった。これは、確かに痛いな。

「そんな、青あざが出来るようなほど、力いっぱい、握ったりなんかしていない!?」

 二年の役員は無罪を訴える。しかし、サツキの腕は酷いこととなっている。

 サツキは袖を元に戻して、すぐにいつもの笑顔を浮かべる。

「ちょっと、転んだだけですわ。ですが、淑女の体を断りもなく触れるのは、失礼です。今後は、気を付けてください」

「し、しかし」

「わたくしが相手だと、謝罪もしなくていいと思っているのですか? その程度の男が生徒会の役員だなんて、世も末ですわね」

「君のせいで、あの二人は生徒会の仕事が出来ないでいるんだぞ!! そのことはどうなんだ!!!」

「わたくしが謝罪することですか? 結果を見なさい。仕事は終わりました」

「君は生徒会役員ではない!!」

「もう、煩い男ですわね。わたくしは責任をとって仕事を終わらせました。あなたは淑女の体に断りもなく触れて、謝罪もしない。無責任な男ですわね」

「何が淑女だ。噂では、男遊びも酷いと」

「その噂、真実なんだろうな?」

 とうとう、皇族ルイ様が怒りの形相で口を挟んできた。

 サツキは相手が皇族なので、黙り込む。礼儀がしっかりしている。

 しかし、二年の役員はダメだ。胸をはる。

「はい、確かなことです!!」

「僕も聞いています!!」

 二年の役員は、サツキの悪い噂を真実と言い切る。

「実は、サツキ嬢の噂があまりに酷いので、僕の権限で、素行調査をした。噂では、入学してからもずっと、学校の外では噂通りのことが続いているという話だ」

 まさか、皇族がたかが一貴族の噂を確かめるために動くとは思ってもいなかった二年の役員たち。しかし、彼らは自信があった。あそこまで悪く噂されるサツキだ。噂通りのことをしているだろう、と。

「サツキ嬢は、行きは早朝から真っすぐ学校に来て、帰りも真っすぐ、家に帰っていると報告を受けている」

「そんな、バカな」

「きっと、彼女に篭絡されたのですよ!!」

「魔法使いにも頼んだ。サツキ嬢のその腕、婚約者がふざけてやったそうだ。妖精の記憶もある。見せてやろうか?」

『………』

 まさか、魔法使いまで動いているとは思っていなかった二年の役員はがたがたと震える。噂は、真実ではなかった。

「サツキ嬢、生徒会役員が、大変、失礼なことをした」

「皇族は、謝罪してはなりません!」

 失礼なことだというのに、サツキは叫ぶようにいう。

 それを聞いた皇族ルイ様は嬉しそうに笑う。

「そう、皇族は貴族に対して謝罪をしてはいけない。君は、よく知っているね。さすが、新入生代表になるだけのことはある。こちらも完璧だ」

 サツキが一瞬で終わらせたという書類を確認するルイ様。マクルスと私も受け取るが、綺麗な字で、完璧に出来上がっている。

「子どものお遊びですわ。義妹と婚約者がわたくしのせいで、生徒会のお仕事が終わらせられなくて、ご迷惑をおかけしたそうですね」

「あなたのせいではない。それは証明された」

「情けは結構です。もう、魔法使いを使っての素行調査はおやめください。年頃の娘なのですよ。隠したいことだってあります」

「その腕の怪我とか?」

「転んだだけです」

「妖精の記憶をここで見せようか?」

「もう、いいではありませんか。過ぎ去った過去のことを蒸し返すのは、男らしくありませんわ。それよりも、人としての正しい事を指導してください。謝罪一つ出来ないなんて、生徒会役員として、恥ずかしい限りです」

 サツキは、謝罪を求めるだけで、それ以上のことは何も言わない。

 だが、この謝罪が難しいのだ。サツキの言い方が良くない。だから、二年の役員は、謝罪が出来ない。

 サツキは嫣然と微笑む。

「わたくし、正しい行いをする方には、正しい行いで返しますわ。ですが、間違ったことをする方には、死よりも苦しい目にあわせると、決めています。出来ないとお思いですか? わたくし、頭だけはいいんです。いつか、あなたは死よりも苦しい目にあわせてみせます」

「き、脅迫とは、噂通りの」

「謝罪一つできないお前は、今、役員から下ろす。出ていけ」

 もう、ルイ様は許さない。

 生徒会役員となることは、名誉なことである。それを取り上げられるということは、不名誉なことだ。しかも、皇族が生徒会長である時だ。この二年は、もう、将来は真っ暗だ。

「まあまあ、ルイ様、そのようなこと言わなくてもいいではないですか。頭一つ下げることくらい、五歳の子どもでも出来ることですよ。人として、とても大事なことです。それが出来ない、ということは、あなたのご両親の子育てに問題があったということになりますよ。あなたのご両親は、そういう方なのですか?」

「そんな人たちではない!! お前のせいで、こんなことに」

「やったことの責任をとれないような男に育てられたのですか? わたくしは、あなた方がいうので、仕方なく、責任をとるように、婚約者と義妹が残した生徒会のお仕事を終わらせました。あなたがたのは、ただの言いがかりではないですか。わたくしは、あなた方の言いがかりを認めたわけではありません。忙しいのに、足止めされたので、仕方なくです。あなたとわたくしでは、時の長さが違います。同じにしないでいただきたい」

 本当に、サツキは言い方がよくない。もっと、優しい言い方がある。だから、二年の役員も謝罪できないのだ。

 とうとう、怒りに、マクルスが二年の足を蹴って転ばせ、無理矢理、土下座させる。

「不出来な役員を選んだのは、こちらだ。すまなかった。ほら、ごめんなさいしろ」

「わ、悪かった」

「詰まらない自尊心ですわね」

「このっ」

 心底、軽蔑するように、サツキは二年を見下ろした。たかが謝罪だ。それ一つ出来ない、この男に、サツキはさっさと背中を向けて、部屋を出て行った。

 マクルスは二年を解放した。二年は縋るようにマクルスと私を見る。

「あ、謝り、ました」

「サツキ嬢は、謝罪を受け入れていない。お前のそれは、謝罪じゃない。一度、死んで生まれ変わってこい。今生のお前は、終わりだ」

 この二年は、サツキがせっかく機会を与えたというのに、無駄にした。いくら私でも、もう、救いようがない。

 残る二年の役員は、目を合わせない。震えて、距離をとる。それを見て、役員をやめさせられた二年は走り去っていた。



 その後、この二年は、街を歩いている婦女子に暴力をふるったところを通りかかった騎士に捕らえられることとなった。犯罪者となり、二度と、貴族に戻ることはなかった。




 このようなやり取りをした翌日、皇族ルイ様は、サツキの婚約者エクルドと義妹クラリッサが帰ろうとするのを止めた。

「昨日、サツキ嬢に、生徒会役員の仕事の邪魔をするようなことをしないでほしい、とお願いした」

「でも、わたくしは、家の手伝いが」

「サツキ嬢が代わりにやると言っていた」

 嘘だ。そんなこと、言っていない。しかし、皇族ルイ様の怒りを買いたくないので、役員全員、沈黙する。

「しかし、今日は約束を」

「婚約者の邪魔はしない、と言ってくれたんだが、サツキ嬢を呼んで聞いてみようか」

「あの女は、すぐ約束を忘れるし、気分でころころと変わる」

「呼んでくれ」

 言い訳ばかりのエクルドに、業を煮やしたルイ様が二年の役員に命じる。ルイ様は怒らせると怖いことを知ってしまった二年の役員は走って、サツキを引っ張ってくる。

 サツキは、あまり体力がないようだ。引っ張られてやってきたサツキは、失礼なことながら、その場に座り込む。

「サツキ、皇族の前でなんて態度だ!?」

「許す。サツキ嬢、ほら、こちらに座りなさい」

「ご親切にありがとうございます」

 婚約者は責めるというのに、皇族ルイ様は優しくサツキの手を引っ張り、椅子に座らせる。

「相変わらず、人を誑かすのがお上手ですこと」

「この僕が、彼女に誑かされたというのか?」

 余計なことをいうクラリッサに、ルイ様は剣呑となる。皇族としての誇りが高いルイ様は、それを貶める言葉や行為には容赦ない。

「そうです! お義姉様は、そうやって、すぐに男にすり寄るのですよ」

「黙りなさい!」

 珍しく、サツキがクラリッサを叱るようにいう。それに、クラリッサだけでなく、エクルドまで、サツキを睨む。

「お義姉様のせいで、わたくしたちは、時間がないのですよ!!」

「そうだ、貴様のせいで、満足に時間がとれないというのに」

「生徒会役員をやめたらどうですか。だいたい、わたくしのせいで時間がないというのは、どういうことですか? 昨日も、同じことを生徒会役員の皆さんから責められました。身に覚えのないことで、困りました」

 サツキは、はっきりと婚約者エクルドと義妹クラリッサの批難を否定した。

「お義姉様のせいです。全て、悪いことは、お義姉様のせいなんです!!」

「そうだ、全て、サツキのせいだ!!」

 あまりにも酷い言い方だ。クラリッサとエクルドは、全ての悪事をサツキのせい、と二人がかりで責めている。

 サツキは否定しても一人だ。肯定者が二人となると、サツキには勝ち目はない。だから、入学式でも、家族の言いなりだったのだ。

 そして、二年の役員は、このやり取りを聞いて、怒りで真っ赤になる。どちらに対して怒っているのか、この場ではわからない。何せ、迂闊に口を開くわけにはいかないのだ。

 皇族ルイ様が怒りに震えている。冷たい眼差しで、事の成り行きを見ている。

「エクルドとは約束自体していません。買い物を手伝わせた、といいますが、具体的にどのような買い物をしたのですか? クラリッサに家の手伝いをお願いした、と言いますが、具体的におっしゃってください。どういう手伝いですか? 全て、ここで、おっしゃってください」

 黙り込む婚約者と義妹。サツキは悪女のようにふんぞり返って、鞄から、いくつかの紙を取り出す。

「学校帰りに、随分と無駄な買い物をされていますね。こちら、エクルドの字で、こちらはクラリッサの字で、わたくしの名前を使ってサインされています。これらの請求は全て、伯爵家となっています。わたくしに全てを押し付けるのなら、サインくらい、上手に偽造しなさい。情けなくて、笑うしかありませんでした」

「し、知らない」

「わたくしではありません!!」

「もういいです!! 面倒臭い!!! 言い訳ばかりで、うんざりです。あなたがたの素行調査は、わたくしがルイ様にお願いしました。わたくしの事情を知ったルイ様が親切に、申し出てくださいました。お陰で、この使い込みの証拠もしっかりととれました。もう、同じ店では、二度と、買い物は出来ません。皇族の調査が入ったのです。店側は、あなたがたの出入りを今後、断ると念書まで書いてくださいました。立会人は、ルイ様です」

 とんでもない話だ。たかが伯爵家の内輪もめが、皇族まで巻き込む大問題となっていく。

「わたくしは忙しいのです。エクルドもクラリッサも、好きなだけ、生徒会のお仕事をしてから帰ってきてください。むしろ、遅く帰ってきてください。あなたがたがいると、わたくしの仕事が増やされます!!」

 サツキの怒りは相当なものだった。偽造された請求書をエクルドとクラリッサに叩きつけ、部屋から出ていった。

 怒りやら羞恥やらで真っ赤になって震えるエクルドとクラリッサ。その二人を放置して、皇族ルイ様は、二年の役員にいう。

「サツキ嬢の義妹が問題を犯した時は、お前が責任をとることとなっている。きちんと、手綱をとるんだな」

 ルイ様に言われ、二年の役員は過去、やってしまった約束を思い出し、真っ青になる。皇族に向かって、この二年は口答えしたのだ。この二年も、もう明るい未来はなかった。




 翌日、珍しいことに、皇族ルイ様のもとに、サツキがやってきた。何か気まずいことがあったようである。

 皇族ルイ様も、サツキが言わんとしていることがわかっていた。

「素行調査はしたけど、買い物の不正調査は、僕ではないよ」

「怒りで頭に血が上ってしまい、つい、間違えてしまいました。ですが、さすがに、その、本当のことは言えませんので、どうか、泥を被ってください」

「サツキ嬢の頼みです、喜んで」

 サツキはルイ様から了承を得られて、何度も頭を下げて、離れて行った。

「一体、何の話?」

 昨日のことだろう。話に出てきた、サツキの義妹クラリッサと婚約者エクルドのことだ。素行調査、実は我が家がやったんだな。ルイ様、もう、我が家のこと知ってるから、普通に命じてきたよ。

 だけど、不正調査はしていない。何か買い物しているな、とは聞いていたが、それだけだ。

「ちょっと前に、抜き打ち査察があったんだ。そこで、サツキ嬢のサインを使って、あの二人が勝手に買い物していることがわかったんだって。あまりのことだから、帝国からサツキ嬢へと知らせたんだ。見逃してはいけない不正だから、今、抜き打ち査察を広げるかどうか、話し合いをしているんだ」

「それはまた、酷いな」

 噂では、無駄使いをしているのは、サツキだ。だが、サインの不正をして、クラリッサとエクルドが買い物をしているのなら、サツキは無実となる。

 そう考えると、ぞっとする。サツキの悪い噂、実は、クラリッサとエクルドがしているということだ。

 サツキが暴力を受けているのも、妖精ではなく、人を使っての調査でわかったことだ。妖精の記憶、とは言ったが、そういう魔道具で記録を残したにすぎない。

 実際に調査させて、記録を見て、私もぞっとした。サツキは、学校では平然としている。まるで何もないような態度だ。だけど、家に帰れば、そうではない。

 そして、この記録を残った生徒会役員二年にも見せるルイ様。

 相変わらず、クラリッサとエクルドはさっさと帰ってしまっている。もう、生徒会役員であること、忘れているな?

 だから、堂々と、記録の鑑賞会だ。

 用事がある、と言って帰ったクラリッサとエクルドは、手をとりあって、仲良くお買い物である。買い食いまでしているよ。とても忙しいとは思えない。

 そして、家に帰ってからの記録が変わる。

 サツキは、家では貧相な服を着ていた。いつもの笑顔で登場するが、エクルドは何が気に食わないのか、持っていた本をサツキになげつけた。そのため、サツキは腕に青あざが出来るほどの怪我をしている。それでも、サツキは平然としている。それを見て、さらに気に入らない、とばかりにクラリッサが熱いお茶をかけたのだ。

 周りで傍観する使用人たち。皆、サツキが暴力を受け、ひどい目にあっていても、嘲笑っているだけだ。それどころか、汚れた雑巾で拭くのだ。その行為に、さすがにサツキは怒った。それも多勢に無勢だ。サツキは使用人たち複数でやられるままにされる。

「噂では、サツキ嬢が気に入らない使用人に暴力をふるっているんだな」

「確かにそうだ、と二年が言っていたな」

「サツキ嬢が使用人から暴力をふるわれているんだが、これはどういうことだ?」

「………」

 真っ青になる二年の役員。

 ここまでとは、調査をするまで、私も思ってもいなかった。まさか、使用人たちまでやっているとはな。

 二年の役員は、何を思ったのか、映像を映す魔道具を投げて壊した。

「これで証拠はないというわけか」

「ち、違います!! あの二人に、騙されてたんです!!!」

 貴重な魔道具を壊したという事実に気づき、慌てる二年の役員。

 ほとんどの役員は、二年に同情した。運が悪かったんだ。あれほどの悪評と、あの二人の口上である。誰だって騙される。

 しかし、皇族ルイ様はそうではない。皇族は絶対なのだ。

「サツキ嬢が言っていました。男であれば、武勇伝だと」

「それは、晒しものにされた時だろう」

 ルイ様がやろうとしているのは、そういうのじゃないよな。一応、私は突っ込んだ。

「貴重な魔道具を壊したのは、許してあげましょう」

「ちょっと待て!! その魔道具は我が家の持ち物だ!!!」

 いやいや、許さないよ。それ、壊されて、私が父上に叱られるんだよ。

「僕のほうから、公爵に言っておきますから、大丈夫ですよ。許してください、と」

「お願いしますよ!!」

 怖い怖い怖い怖い!! 後が恐怖だ。ルイ様の態度次第で、私は鞭打ちか、ちょっと引っぱたかれるか、そういう体罰が決まるんだ。何もなしは、絶対にない。

 魔道具についての罰はないと喜ぶ二年の役員。だけど、容赦ないのが、副会長のマクルスである。

 クラリッサを生徒会役員として任命してしまった時に、一筆、契約書みたいなのを書かされてしまった。その現物をマクルスは二年の役員の前に置く。

「今日もあの二人は来なかった。責任をとってもらおう。お前はもう、生徒会役員から除名する。新しく、二年から選任だ」

「ど、どうか、もう一度」

「あげただろう、一度。ほら、サツキ嬢が尻ぬぐいした書類仕事。あれだけだ。その後は、もう見逃さない。一年のやらかしは、二年の教育が悪い、ということだ。お前は除名だ。見る目がなかったな」

 こうして、残りの二年の役員も、除名となった。ただし、彼は退学になるようなことはしなかった。それどころか、心を入れ替えて、サツキに謝罪したのだ。

 サツキは、謝罪する者には寛容だ。

「いえ、わたくしも言い方が悪いとよく言われます。わたくしも、気を付けます」

 笑顔で、彼の謝罪を受け入れた。

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