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皇族姫  作者: 春香秋灯
契約紋の皇族姫-外伝 真の皇族-
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知恵熱です

 神様のことは大嫌いだ。だって、酷いんですもの。創造主だからって、わたくしに子どもらしいものを奪ったんですもの。

 わたくしが、特別な何かだ、と目覚めさせられたのは、三歳の誕生日を迎えた夜です。神様は人の寿命は短いから、なんて言って、三歳の、権力も何もないわたくしに、知識やら経験やらの封印を解除したのです。

 お陰で、しばらく悪夢でも見たように、頭が痛くて、寝込みました。そのせいで、わたくし、皇族ではない、なんて失格を噂されましたの。

 皇族は、筆頭魔法使いの妖精の加護があります。そういう契約紋を筆頭魔法使いが儀式によって背中に受けるのです。妖精って、病気や大怪我、なんと毒殺まで防いでくれる万能を持っています。そんな妖精を筆頭魔法使いは契約により、全ての皇族に分け与えるのです。

 だから、わたくしが寝込んだ時は大騒ぎでした。お父様もお母様も、大騒ぎですよ。

「どうしよう、わたくしたちの子どもが皇族じゃないなんて!?」

「とんだ恥となってしまう!!」

 三歳の子どもが熱で苦しんでいる横で、そんな会話ですよ。この両親、本当にダメ親です!!!

 どうせ、三歳の子どもにはわからないだろう、なんて思っているのでしょうね。それを使用人たちが聞いているものだから、わたくしの扱いは悪いですよ。皇族の使用人たちは、厳しい審査を経て採用です。誇りが山よりも高いのですよ。そんな使用人たちは、皇族ではないかもしれないわたくしの世話なんてしたくありません。だから、放置ですよ、放置!! 元気になったら、解雇してやるんだから!!!

 そんな中、わたくしを大事に、心配してくれるのは、お兄様のイーシャ、そして、わたくしのことが大好きな双子の妹ラーシャです。イーシャは使用人たちが放棄するので、暇があれば、わたくしの看病をしてくれます。ラーシャはというと、わたくしにべったりですよ。

 普通の親だったら、病気のわたくしに、子どもなんて近づけさせません。だけど、皇族を誇りとする両親は違いますよ。わたくしの病気がうつったら、皇族じゃないから仕方ない、ですよ。!!

 本当に、最低最悪です。絶対に、この両親も、使用人どもも、見ていなさい。復讐してやります。

 そうして、一週間苦しんでいる間、やはり心配だったのか、筆頭魔法使いアイシャールがお見舞いに来てくれました。

 あれです、わたくしが皇族かそうでないか、見極めるためですよね。

 現状を見て、アイシャールは驚いた声をあげて、使用人たちを呼びます。

「まあまあ、どうして、使用人どもはナーシャ様のお世話をしていないのですか!! しかも、子どもたちをこんな近く置くなんて」

「我々は、皇族の使用人です」

「最近の使用人は、教育がなっていませんね。皇族というものは、生まれてすぐ発現するわけではありませんよ。血筋の力は、それなりの年齢です。そのため、ある程度の年齢で皇族の儀式を行います。それは、きちんと教育を受けていることです。もしかして、受けていませんか? 誰か、使用人の教育係りを呼びなさい」

 そこから、大変なこととなった。皇族教育では、それは当然のことだった。だから、わたくしが病気になるのは、仕方のないことなのだ。だけど、その事は、外部に漏らされないように契約で縛られている。

 逆に言えば、それを知らない使用人たちは、失格だ。

 そこから、使用人の教育係り数人が処刑された。そして、現在、皇族の使用人としている全ての使用人たちは妖精を介した尋問を受けることとなった。嘘をついた時点で有罪となり、とんでもないことになるという。

 そして、嘘をついても、本当のことを言っても、使用人たちは処刑されていった。皇族の使用人になった時点で、彼らは一生、城から出られないのだ。契約では、あえて、そのことは含まれない。だけど、万が一死んだ時は、家族に見舞金としてはかなりの額が支払われるという。これは、裏を返せば、金で全て解決する、ということである。

 わたくしの両親はというと、わたくしに対して、とんでもない態度をとっていたけど、全て、使用人に押し付けて、優しい両親を演じていた。もう、お前たちのバカ具合と本音を知ったわたくしには、もう通じないんだから。

 こうして、わたくしの発熱騒動は、とんでもない方向へと転がって、わたくしを蔑ろにした使用人たちは処刑されました。おしまい。





 わたくしが熱を出して苦しんでいる間、神様は本当に容赦がないのです。知識をさんざん、呼び覚まして、それをどんどんと普通であるように、夢の中で経験を積ませるのです。もう、寝ても覚めても地獄って、どういうことなのですか!?

 そうして、健康となった頃には、わたくしは聞き分けのよい子どもですよ。与えられた本なんて、もう幼稚すぎて詰まらない。勝手に外に出て、お兄様が使っている皇族教育の本を数冊読んで、やっていました。

「ナーシャ、それは絵本じゃないよ!?」

 もちろん、それを発見したお兄様イーシャは取り上げようとします。大切な本です。破られたり、落書きされたりしたら、大変ですものね。

「大丈夫です、全て読み終わりました」

「ナーシャ?」

「ラーシャ、もっとすごい所に行きましょう」

「あい!!」

 わたくしがあまりにも三歳児らしくないので、イーシャったら、目を白黒させています。でも、それどころではありません。わたくしは、どうしてもやらなければならいことがあります。

 ただの三歳児ラーシャを引き連れて、部屋を出て、そのまま、城の奥へと行きます。イーシャったら、心配して、わたくしたちの後を追いかけます。どんどんと、皇族が暮らす場所から出ていくのです。見知らぬ大人たちがわたくしたちを見下ろしますが、何も言いません。イーシャがいるから、どこかの貴族の子息が妹の面倒をみているのだろう、なんて勝手に思い込んでいるのです。

 そして、どんどんと人がいなくなる先には、貴族も、皇族だって、許可が必要な部屋があります。そこにわたくしは勝手に入ります。

 もちろん、わたくしについてきたラーシャとイーシャだって、入りますよ。

「ここ、どこ?」

「皇帝の図書館ですよ。あったあった」

 わたくしは、歴代の皇帝が書き残した日記の棚に行きます。

「ナーシャ、戻ろう。父上と母上に知られたら、叱られるよ」

「迷ったと言えばいいのですよ。お兄様は、ラーシャを見ていてください」

「やー!! ナーシャがいい!!!」

「仕方ありませんね。ほら、わたくしの膝に座りなさい。詰まらない本でも見て寝ましょうね」

「あい!!」

 イーシャは呆然となる。だって、熱が出る前までは、わたくしは今のラーシャみたいに、お兄様に甘えたりしていたのですから。

 それなのに、今は、妹ラーシャを上手にあやして、分厚くて、子どもでは読めない文字ばかりの本を読んでいるのですから、驚くしかありません。

「ナーシャ、君は一体」

「知りません。こういうもの、と受け入れるしかありません。こういうものは、あるがままです」

 詳細な説明は出来ません。だって、わたくしの役割って、口外しちゃいけないものだもの。本当に、不便!! 放棄してやりたい。

 イーシャはいい人ですし、賢い子です。わたくしが子どもだから、もう、それ以上、追及してきません。わたくしと同じように、過去の皇帝の日記を読み始めます。

 パラパラとめくって、神から与えられた情報を照らし合わせてみる。やだ、帝国が分断されて以降、わたくしみたいな人、生まれていないわ。その間、問題なかったのですね。お陰で、いっぱい、皇帝の日記を読まなきゃ。

 うんざりするくらいの量に、めまいすら覚えます。おのれ、神、三歳児のわたくしに、とんでもない試練を最初からよこしてくれましたね!!

 お兄様はお優しいです。ここからここまで持ってきて、と笑顔でお願いしましたら、いっぱい、往復して、過去の皇帝の日記をわたくしの横に山積みしてくれました。

「こんな、大昔の皇帝の日記、大事に残しておくものなんだな」

「皇帝の視線で残すことに意味があります。皇帝のものの考え方が見えてきますからね。ですが、最初は未熟な皇帝なので、恥ずかしくないような内容ばかりです。それも、立派な皇帝となると、恥ずかしいことも平気で書くのですよ」

「………ナーシャは、皇帝になるのかな?」

「お兄様が皇帝になるのですよね。お父様もお母様も、そう言ってます」

「いや、私は、ナーシャに比べれば」

 乾いた笑いをするお兄様。わたくしが山積みの本をなくなっても、お兄様は一冊読み終わっていません。能力差に、衝撃を受けているのでしょう。

 ラーシャはというと、やはり暇なので、本を山積みにして、遊んでいます。状態保存がされた部屋なので、破れたりしませんけどね。

 しばらく、勝手に本を読み散らかしていると、誰かがやってきます。

「い、いけません、陛下」

「ここは、お前と私しか入れない場所だ」

 女の人が男の人に引っ張られてやってきました。

「あ、皇帝陛下とアイシャール」

 皇帝陛下がイヤがるアイシャールの腕を引っ張ってきました。

 わたくしは笑顔で言ってやります。

「アイシャール、先日は、わたくしに無体なことをする使用人を処分してくださり、ありがとうございました」

「な、な、な、何故、ガキがここにぃいいいいい!!!」

 皇帝陛下の悲鳴のような叫びが、部屋中に響き渡りました。

「う、うぇえええええー-----」

 あまりの声に、ラーシャが驚いて、泣き出しまた。

「す、みません!!」

 長兄だからでしょう。イーシャは綺麗な姿勢で頭を下げました。

 ちょっと騒がしくなったな、とは思いますが、気にせず、わたくしは本をめくります。それを取り上げる皇帝陛下。

「貴様、一体、何者だ!? ここは、皇帝が許可した者か、筆頭魔法使いしか入れない場所だぞ!!!」

「もう、わたくしに入れない場所などありません。そう言えば、わかるでしょう。ほら、返してください。わたくしは、足りない知識を補完しなければなりません」

「ま、まさか、今頃、生まれたというのか!?」

 物凄い冷や汗を流す皇帝陛下。真っ青になる。さすが、皇帝は、わたくしの正体がわかったのですね。わたくしの両親とは大違いです。

 わたくしは皇帝陛下から本をとりあげます。もう、どこまで読んだのか、わからないから、最初からになってしまったではないですか。

「それで、この書庫で、皇帝陛下はアイシャールと何をするつもりだったのですか? ここは、本来、禁書が置かれているだけで、調べものには向きません。だから、厳重な魔法により、制限がかけられてします。そんな場所で、何か御用ですか?」

「ガキがガキらしく、部屋で遊んでいろ!!」

「子どもだからわからないのですよ。ぜひ、教えてください」

「っ!?」

 やだ、子どもにも言えないことやろうとしてたんだ。やだー、不潔ー。

 わたくしは軽蔑をこめて皇帝陛下を見上げます。ラーシャなんか、皇帝陛下のことが怖いので、わたくしの背中にしがみ付いて泣いていますよ。こんなのでも、孫までいるというのにね。

 アイシャールはというと、不安そうな顔を見せます。帝国最強の魔法使いアイシャールは、無敵に見えます。だけど、筆頭魔法使いの儀式による契約紋で皇族に絶対服従の契約を施されます。そのため、皇帝には逆らえないのです。

 アイシャールは、物凄く長生きで、二百歳から数えていない、という話です。だけど、妖精憑きの力が強すぎて、老いることなく、魅了する美貌そのままに生き続けています。

 見れば、間近で見るアイシャールに、お兄様は頬を染めています。きっと、イーシャの初恋はアイシャールですよね。わかります。こんな美人ですもの。男は皆、アイシャールが初恋ですよ。

 そして、皇帝陛下だってアイシャールが初恋でしょう。こんな綺麗な女性が側にいれば、色々と考えてしまいます。しかも、皇帝には絶対に逆らわないのですからね。あー、いやだいやだ。

 わたくしが笑顔で答えを待っててあげます。さて、どうするか、よーく考えてみてください。

 わたくしがじっとアイシャールの腕をつかむ皇帝の手を見てやります。

「皇族未満のくせに、生意気なガキめ!!」

「良かったですね、皇帝になってからわたくしが生まれて。その前だったら、もしかした、あなた、皇帝でなかったかもしれませんよ」

 軽く脅してやれば、皇帝陛下はアイシャールを置いて、部屋から出て行ってくれました。

「ナーシャ、あんなこと言って大丈夫なの!?」

 大人の顔色を見過ぎてしまったイーシャが心配します。

「皇帝陛下だって、わたくしが何者かわかっているのだから、下手なことはしないでしょう。あ、アイシャール、こちらは読み終わったので、棚に戻してください」

「喜んで」

 大輪の華が咲き誇るように笑うアイシャール。ちょっと目を向けるだけで、本は勝手に動いて、本棚に戻されていく。そして、わたくしがお願いする前に、新しい本がわたくしの横に山積みです。さすが筆頭魔法使いは、心遣いも神がかっていますね。

「ラーシャ様、わたくしが絵本を読みましょう」

 ラーシャは、アイシャールの魔法に呆然とするも、アイシャールの笑顔と優しい声に、あっという間に姉から離れる。やっぱり、美人が一番いいのよね。仕方ない。

「イーシャ様はどうしますか? もうそろそろ、講義が始まりますが」

「え、そんな時間!?」

 慌てるイーシャ。

「講義なんて、受けなくていいのに」

「父上と母上に全て報告されるんだ。さぼるわけにはいかない」

「お兄様に妙な期待ばっかりして、お父様とお母様は皇族の役割は最低限しかこなしていないくせに、威張ってばっかり」

 酷い両親だ。お父様とお母様は、表向きでは、きちんと仕事をこなしているように見える。だけど、その仕事は全て、イーシャがやっているのだ。

 酷い親なのよ。イーシャは頭がよくて、将来は皇帝になるかもしれないから、これは予習だって、投げ渡すの。きちんと出来ていれば、両親の功績、失敗したら、イーシャを叱るの。

 イーシャ、わたくしが両親の所業まで知っている、という事実に、ちょっと恐怖を感じている。おっと、言い過ぎてしまいましたね。

「ナーシャ様、わたくしは知っていますよ。イーシャ様、あんな難しいことをこなすなんて、素晴らしいことです。あなたの成長を楽しみに待っています」

 慈愛がこまった目で見るアイシャール。アイシャールにとって、皇族の子どもは、愛しい我が子同然なんだろう。

 だけど、そんな機微なんてわからないのはが子どもだ。誉められて、特別に見られた、なんて勘違いするイーシャは照れて、部屋を出ていった。

「アイシャールは罪づくりですね」

「? どうしてですか?」

 あ、天然だ。わかっていませんね。首を傾げるアイシャールに、わたくしはこれ以上、言わない。そこは、わたくしの役割ではありませんからね。

 せっかく、アイシャールがラーシャの面倒をみてくれるので、わたくしは過去の皇帝の日記を読破しました。


 そして、知識を詰め込み過ぎて、また、わたくしは寝込むこととなりました。

 今度は、きちんと使用人たちは、わたくしの面倒を見てくれました。めでたしめでたし。






 めでたくなかった。わたくしが熱を出して倒れているところに、なんと、皇帝陛下が怒鳴り込んできたのですよ。

「貴様らの娘は、禁書庫に入ってきたぞ!!」

「申し訳ございません」

「すみません!!」

 熱で辛い時に、あのクソジジ、もとし、皇帝陛下は煩いの。両親はぺこぺこ頭を下げています。ちょっとわたくしのことを恨みがましい、みたいに見たりしますけど。

「ナーシャ様、また熱が」

「やはり、こいつは皇族ではないな」

 アイシャールはわたくしを心配してくれるのに、皇帝陛下はわたくしを蔑むように見てくる。このクソジジイ、もう、そういうと、今夜から、大変な目にあわせてやる。

 わたくしが熱で浮かされながら笑ってやる。見方によっては、気味が悪いだろう。

 だけど、わたくしの両親に当たり散らして気が晴れた皇帝陛下は出ていきます。

「もう、皇族の儀式が終わるまで、外に出るんじゃない」

「ただでさえ、また病気になって、まわりから、皇族ではないんじゃないか、と恥ずかしいことを言われているというのに」

 わたくしの心配なんてしてくれない。本当に、最低な親の元に送ってくれて、神様、ありがとー!!! ちくしょー----!!!!

 でも、恨み事も、高笑いも、そこまでよ。今頃、大変なことになっているのだから。

 やっと静かになって、安眠かなー、とうとうとしていると、また、皇帝陛下がやってきた。

「貴様、何をやったんじゃ!?」

「う、眠い、辛い、寒い、頭痛い」

 わたくしは布団を深くかぶって、全てを拒絶してやる。ほら、病人だから。

「出てこい!!」

「もう、布団返してください!! わたくしに何か用ですか? わたくしは皇族じゃないかもしれないから、何も出来ないお子様ですよね」

「っ!?」

 悔しそうな顔で皇帝陛下、わたくしに布団を返してくれる。でも、わたくしの怒りの沸点は低いのよ。寝てやる。

「寝るなー--!!!」

「謝罪は?」

「何をっ」

「熱で苦しい子どもに酷いこと言っておいて、謝罪もないのですか? だったら、部屋に入れなくても、魔道具や魔法具が使えなくても、別に文句はありませんよね」

「っ!?」

 あんまりにもわたくしのことを怒らせるから、本領発揮です。

 そう、どうあがいたって、そこら辺の皇族でも、妖精憑きでも、わたくしには勝てません。だって、わたくしは、真の皇族です。帝国の真の支配者ですから、魔法具も魔道具も、わたくしの意思一つで動かなくなるのですよ。

 アイシャールはわたくしが眠るベッドの横に跪きます。

「大変、無礼なことをしました。お許しください」

「アイシャール!!」

「皇帝陛下、真の皇族の前には、わたくしも無力です。魔法がききません。それに、真の皇族は、帝国の悲願です。もう一度、正しい帝国領を再興出来るのですよ。これは、神から与えられた試練です。我々、魔法使いは、一丸となって、真の皇族に従う所存です」

 アイシャールまでわたくしの味方だ。仕方がないですよね。そういうものなのですから。

 謝罪が出来ない皇帝陛下。だって、皇帝陛下は謝罪しちゃいけないんだもの。そういう教育ですよ。それに、歳をとると、謝罪が出来なくなってきちゃうのですよね。妙に自尊心が高いから。

「もう、反省したようなので、いいですよ。これで、帝国中の営みは戻ります。もう、出てってください。わたくしには、まだまだやらねばならないことが、いっぱいなのです」

 こうして、わたくしは安眠をやっと手に入れた。

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