表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

命の欠片たち

誰か一人でも泣いたなら。

作者: 羽入 満月

 教壇に立った先生が話を始めました。

 「皆さんが楽しみにしている、修学旅行の班を決めたいと思います。一班三人づつで、後で男女合わせた六人の班を作りたいとおもいます。小学校最後の大イベントです。楽しく好きな子と班を作ってください。誰か一人でも泣いたなら、くじ引きできめます。くじ引きになったら変更はしません。いいですか?それでは三人の班を作ってください。」

 先生の話が終わるとすぐに私は、何時も一緒に帰っているひとみちゃんと成ちゃんのところにいきました。

 先生は、黒板の真ん中にたて線をかき、男子、女子と分けました。そして、それを五等分して、そこに、自分の名前のマグネットを貼るように言いました。


 三人グループなんて早く作れるだろうと思っていたのに、一つのグループが揉めていました。

 そこのグループは、六人集まっていて、どの三人になるかで揉めているようです。

 そのうち、一人の子(あれは、ゆりちゃんです。)が泣き出しました。


 と、言うわけで、くじ引きになりました。

 先生が黒板のマグネット(女子のみ)を剥がして箱に入れました。

 そして、一枚ずつひき、一班ずつマグネットをはりました。


 素晴らしいことに泣いたゆりちゃんは思い人と一緒の班のようです。そして、ほぼ先ほど自分たちで決めた班とかわりはありませんでした。

 私がひとり、納得のいかない班に入りました。しかし、みんなは、想いの班だったので文句をいいません。

 先生も最初に、やり直しはしないと言ったので、私のことを気にしながらも、決定を下しました。


 私は、ゆりちゃんのように、泣きませんでした。

 やり直しはしないと、決まっているからです。そして今、いい雰囲気で終わった班決めを私一人のワガママで台無しにはできません。


 小学校最後の大イベントである、修学旅行。急に楽しくなくなってしまっいました。


 「泣けば何とかなる」と思っている人は、きっとこれかも自分にとって不利益があると泣けば何とかなると思うでしょう。

 

 私は、そう言う考えの人のことをどうにも好きにはなれません。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ