プレイ二日目
ゲームを起動すると暗闇に包まれ文字が浮かぶ。
ログイン中……。
ログインしました。
目を開けると部屋は暗い。
ニワトリは隣で寝ていた。
今の時刻は午前三時、暗いのは当たり前か。
クローゼットの中に掛けといた服を触る。
ちょっと湿っているけど、許容範囲かな。
家を出て、鍵を忘れずにちゃんと閉める。
村は幾つかの街灯で照らされていた。
ほとんどの店はしまっているが、開いてるところもあるようだ。
まず、ギルドに行こう。
飲み屋もあるらしく、笑い声が聞こえる。
ぐぅ~
「お腹空いたな」
このゲームは空腹状態で一定時間経つごとに症状が出てくるらしい。
始まったばかりだから、どんな症状かは確認されてないけど。
ギルドに着き、カウンターに向かう。
ギルドには、眼鏡を掛けた女性のギルド職員さんが一人カウンターにいるだけで他は誰もいない。
カウンターの下には、台が置いてあった。
台を動かしその上に乗る
「ギルドへようこそ、ご用件は何でしょうか」
「納品したいのですが」
「はい、納品ですね。ギルドカードをこちらにかざしてください」
ウィンドウにギルドカードをかざし、ウィンドウに手を合わせる。
「確認しました。薬草、ウサギの毛皮、ニワトリの納品ですね」
ギルドの職員さんがクエストの確認をしてくる。
「はい、そうなんですけど、ニワトリの捕獲はまだで、ウサギの毛皮と薬草をお願いします」
「わかりました。薬草とウサギの毛皮ですね」
ギルドの職員さんがカウンターにトレイを置く。
どれが薬草かを教えてもらい、納品を完了する。
薬草は28本あったから、クエストを二回達成できた。
薬草は、ほうれん草のような見た目で、黄色い線が入っていた。
「それでは、薬草の454Gとウサギの毛皮370Gで、合計824Gになります」
「はい」
ウサギの皮は品質が悪かったみたいで、報酬が少なくなった。
ピーン【薬草の納品 達成】
ピーン【薬草の納品 達成】
ピーン【ウサギの毛皮の納品 達成】
ギルドの職員さんがカウンターに置かれたトレイにお金を桁別に置いていく。
お金を受け取り、財布にしまう。
これで総額3184G。
1Gは100Gや10Gより小さく、銀色で柄はGをバックに1が描かれている。
「あっ、専門書はどこで買えますか」
本を買える場所を聞いとかないとな。
「専門書でしたら、ギルドでも扱っていますよ」
「本当ですか」
「はい、ご覧になりますか」
「お願いします」
「それでは、こちらによろしくお願いします」
カウンターが違うらしく台を持って一つ隣に移動する。
「こちらのウィンドウにギルドカードをかざしてください」
ギルドカードを出してかざし、手を合わせると新たにウィンドウが現われる。
ギルドカードをしまい、ウィンドウに目を向ける。
「欲しい商品がございましたら、商品名に触れて個数を決定して下さい。
そうしましたら、こちらの購入リストにチェックした商品と合計金額が表示されますので」
「はい」
「商品を選び終わったら、下にある購入の文字に触れて下さい。
必要な商品が無かった場合、ウィンドウにある閉じるの文字に触れればウィンドウは閉じます」
「わかりました」
_______________
アイテム
本
地図
イベントリ
_______________
「ん」
イベントリもあるのか、なんだろう。
イベントリを選択してみる。
「おっ」
どうやら、収納枠と収納量を増やせるみたいだ。
本棚もある。
収録枠はイベントリの枠が一つ増えて、収納量は1キロ増えるみたい。
本棚は棚が増えて新たに5冊収納できるみたいだ。
ここで、イベントリを拡張できるのか、興味はあるが今は本だ。
本を選択
結構あるな。
スキルに関係ある本は指導書・魔導書・専門書に別れてる。
今のギルドランクで買えるのは全部見習いまでみたいだ。
本は均一で1000G。
全部ほしい。
でも、お金は足りない。
本の詳細を見ていく。
指導書は武器の使い方、体の動かし方、武器のメンテナンスの方法が書かれているみたい。
魔導書は使える魔法とその魔法の魔法陣の他に魔法文字が書かれてるみたい。
専門書は各分野の基礎的な事が書かれているらしい。
この本を集めれば、スキルが使えるようになるんだな。
まず、土の魔導書・見習いは買おう。
適正属性だしな。
土の魔導書・見習いに触れ、1冊購入する。
これでいいのかな、・・・・・・いいみたいだな。
他は、・・・鑑定にするか。
アイテムの名前は知っておきたい。
解体は素材を無駄にするがオートで解決しよう。
図鑑も別にあったが、こっちは5000Gと高く、手が届かなかった。
図鑑は鑑定を掛けた時により詳しく情報を教えてくれるらしい。
本を決めて、地図を見る。
ここは、夢現の村と言うらしい。
エリア別で売られていた。
エリア1~2の二つ購入するといくら残るかな・・・・・・えっと。
本と地図で2400G、手持ちは3184Gか
残り784Gか。
アイテムはどんなかな。
あっ砥石がある。
剣の研ぎ方って包丁と変わらないのかな。
「すいません、武器の研ぎ方がわからないんですけど」
「研ぎ方は本に記載されていますよ。これから剣一本でいくなら指導書・剣見習いを、複数の武器を使うのであれば鍛冶専門書・見習いがおすすめですね」
「鍛冶ですが」
「はい、鍛冶専門書には、剣以外に他の武器のメンテナンス方法が記載されてますので」
「なるほど」
そういや、メンテナンスって書いてあったな。
買うものを決め、ウィンドウの購入の文字に触れる。
すると、ウィンドウに購入を確認する文字が浮かぶ。
再度、購入の文字に触れて、ギルドの職員さんを見る。
「お決まりですね」
「はい」
「それでは、改めて確認させていただきます。
解体ナイフが一本、エリア1とエリア2の地図、見習い鑑定専門書と見習い魔導書・土でよろしいですか」
「はい」
「少々お待ちください」
本が無いと分からないから、砥石はまた今度にする。
ギルドの職員さんが鈴を鳴らすと、少し経って奥の扉から赤い髪の女性ギルド職員さんが現われて、言葉を交わす。
対応してくれた、ギルドの職員さんが奥の扉に向かい、扉の奥へ消えていく。
赤い髪のギルド職員さんがカウンターに残るようだ。
どうやら、必ず1人は居ないと駄目みたい。
ギルドの職員さんは5分経たずに戻って来た
「お待たせいたしました」
商品をカウンターに置いていく。
「解体ナイフ、エリア1、2の地図と見習い魔導書・土見習い、鑑定専門書、以上で宜しかったでしょうか」
「はい、大丈夫です」
「それでは、2700Gになります」
財布から2700Gを出して、お金を払う。
「ちょうどですね。ありがとうございました」
解体ナイフをイベントリに収納、解体ナイフは20センチぐらいのナイフだった。
地図を地図の欄に収納、本は本棚に収納する。
「すいません、鑑定はどうやって使うんですか」
「鑑定は鑑定したい物にピントを合わせると、鑑定したい物に重なる様に名前や情報が浮かび上がってきます。
情報の詳細を更に知りたい場合は情報に意識を向けるといいですよ」
「なるほど、魔法はどうすればいいんですか」
「使いたい魔法を意識すると魔法名が浮かびます。
あとは魔法名を唱えれば発動します」
「なるほど」
「ここで試さないでくださいね」
「……はい、わかってますよ。ありがとうございました」
顔に出てないよな。
大丈夫だよね。
スキル欄からスキルポイントを2P消費して、一応鑑定を取る。
「イベントリの草どもは何かな」
薬草以外に確定してないのは6種類。
イベントリから出さなくても、大丈夫なようで確認していく。
鑑定は名前と簡単な詳細が出る。
図鑑があったから、図鑑を手に入れたら、より詳しい情報が手に入ると思う。
6種の内4種が雑草だった、残り2種は毒草が2本、解毒草が13本だった。
クエストボードに寄って、解毒草の納品を受ける。
「度々、すいません」
さっきまで対応してくれていた、女性職員さんに話しかける。
「はい、大丈夫ですよ。クエストですね」
「そうです」
「では、ギルドカードをこちらにかざしてください」
言われた通りに本人証明を済ませる。
「解毒草の納品ですね」
「はい」
「こちらに、お願いします」
ギルドの職員さんがトレイを出す。
「はい」
「丁度10本、お預かりします。少々お待ちください」
ギルドの職員さんはトレイを持ってテーブルに向かい、解毒草の品質を確認する。
「お待たせしました」
品質確認を終えた職員さんがカウンターに戻ってきた。
「いえ、大丈夫です」
「解毒草の納品を確認しました」
「はい」
「解毒草10本の内6本が。品質規定が上等でしたので、報酬250Gに24Gを足して、しめて274Gになるります、よろしいでしょうか」
「お願いします」
ピーン【解毒草の納品 クリア】
「では、274Gです」
ギルドの職員さんから、お金を受け取り財布にしまう。
財布総額 758G
「ありがとうございました」
礼を述べてギルドを後にする。
「ヨシッ」
ひとまず、冒険に必要な物は確保したかな、次は生活に必要なものだな。