キャラクタークリエイト
真っ暗な暗闇に覆われ目の前には小さく弱い白い光が円を描いている。
10秒待たずに白い光は強く輝き中央に渦を巻いていく。
ピカッと光りが辺りを照らすと反射的に目を閉じる。
目を開けた時には、既に白い部屋に立っていた。
目の前には青く淡く光る球が浮いている。
「……」
部屋中を見渡す。
下を向くと体が黒い輪郭線だけで形作られているのに気づく。
「ようこそ、ゲノム・オペレーション・ライフ・オンラインへ」
「えっ!!」
ビックリした。
現状を把握していると、白い部屋に声が響く。
「私はキャラクタークリエイト担当の案内AIモーデリングと申します。質問があれば気軽に聞いてください」
「あっ、はい。お願いします」
「この部屋では、貴方が使用する事になるキャラクターを製作して頂きます」
「はい」
「それでは、初めにそちらで浮いてる球に触れてみてください」
言われた通りに浮いてる球に歩み寄り手を伸ばす。
触れると球がより強く光りだす。
俺と浮いた球の間に縦40センチ横30センチのウィンドウが現れる。
ウィンドウにはキャラクター名と性別の選択肢が書いてあった。
「ん~、……?」
名前か悩むな。
適当に付けても良いんだけど、名前は体を表すって言うしな。
「ん~……」
悩みに悩んで10分。
__________________
プレイヤー名 【イカダ】
性別 【 男 】
__________________
これでいっか。
色々考えて、諦めた。
頭に浮かんだ単語を名前にした。
「次は」
ウィンドウを進める。
淡く光って浮いていた球が人の形に変わる。
ウィンドウには選択可能な種族が記載される。
選択可能種族___________
ヒューマン…科学を発展させた。
エルフ…魔法を発展させた。
ドワーフ…物作りにおいて右に出るものなし。
魔人…生まれつき魔力が高い。
鬼人…強靭な肉体を持つ。
巨人…大きい。
小人…小さい。
獣人…種族特性のバリエーションが豊富。
魚人…水中では、絶大な力を発揮する。
竜人…攻撃的なステータス。
龍人…防御的なステータス。
ランダム
___________________
何にしようかな。
ここまで多いと悩むよな。
ランダムまであるのか。
「あの、ランダムは何ですか」
「ランダムは、まず上記の種族とレア種の中からランダムで5種選ばれます。
その後ルーレットを回して頂き、矢が指した一種が選択可能になります」
「選択可能ってことは、嫌なら選ばなくても大丈夫なんですね」
「はい、勿論です。選択肢が一つ増えるぐらいに思って下さい」
「わかりました。……んー」
じゃあまず、ランダムを選ぶか。
ランダムを押すと部屋が暗くなる。
一点に光が降り注ぐ。
光に照らされた地面がパカっと割れて、ルーレットが現われる。
ルーレットは、5マスに分かれ中央に矢印がある。
マスには1~5の数字がランダムに振られている。
目の前にウィンドウが現われてランダムの結果が書かれている。
ランダムの結果は……。
1・・エルフ
2・・魚人
3・・ダブル(竜人・魚人)
4・・鬼人
5・・ダブル(小人・獣人【狼】)
「あのダブルって何ですか」
「ダブルは二つの種族の特徴を持ち合わせた存在ですね」
「ダブルの方が強いんですか」
「そうですね。そこもランダムです。
種族的利点ばかり引き継いだ子もいれば種族的欠点を補う子もいます。
または欠点が増えてる子もいますね」
「……なるほど」
「それでは、ルーレットを回しましょう。
矢の向きを決めて下さい。
矢の向きを決めたらスタートでルーレットが回転し始めます。
回転を止める時はストップでお願いしますね」
「わかりました。んー」
折角だし、ダブル狙いで行きたいかな。
「ん~、何処に向けても一緒か……」
悩みながらも矢を向ける。
「スタート」
ルーレットが回りだす。
「ストップ」
ルーレットのスピードが落ちていく。
ルーレットが止まる。
矢が指した先は。
5・・ダブル(小人・獣人【狼】)
「こっちか~」
竜人と魚人の方が強そうだったんだけどな。
気持ちを切り替えて、ウィンドウに新しく増えたダブル(小人・獣人【狼】)を選択する。
__________________________
ダブル(小人・獣人【狼】) 身長(40㎝~75㎝)
ステータス
HP 90 MP 10
攻撃 9 防御 8
魔攻 8 魔防 10
素早さ 18
運 --
適正属性 (10P)
選択可能属性
火(5)水(5)土(5)風(5)
木(10)雷(10)光(10)闇(10)
身体能力 (100P)
視力 Lv 0 聴覚 Lv 0
嗅覚 Lv 0 声量 Lv 0
握力 Lv 0 腕力 Lv 0
肩 Lv 0 器用 Lv 0
体幹 Lv 0 腹筋 Lv 0
腰 Lv 0 健脚 Lv 0
跳躍 Lv 0 体力 Lv 0
柔軟 Lv 0 バランス Lv 0
寒冷 Lv-3 温暖 Lv-6
スキル (10P)
種族特性
素早さ1.4倍
聴覚1.2倍 嗅覚1.2倍 跳躍1.5倍
握力1割減 腕力1割減
気配(小)変化(狼)
_____________________
「ん~スピード重視かな。運には数字がふられてないですね」
「運は日によって変わります」
「そうですか。適正属性はなんですか」
「適正属性は適正と同じ魔法を使用する時にプラス補正が得られます」
「じゃあ身体能力はなんですか」
「キャラクターの身体能力を表します。1P振るごとにレベルが上がります」
「詳細とかありますか」
「それは、こちらをご覧ください」
ウィンドウの横に二枚目のウィンドウが現れる。
そこには、能力の詳細が書かれていた。
身体能力詳細______________________
視力・・・範囲内のピントが合う。
聴覚・・・範囲内の音を拾う。
嗅覚・・・範囲内の匂いをかぎ分ける。
声量・・・範囲内に声を届けられる。
握力・・・物を掴む力に影響。
腕力・・・物を持ち上げる力に影響。
肩 ・・・物を投げる力に影響。
器用・・・手ぶれ補正、生産能力に影響。
体幹・・・体の動きに影響。
腹筋・・・腹に受けた衝撃とダメージ軽減。
腰 ・・・強いにこした事わない。
健脚・・・休まず正常に移動できる距離。
跳躍・・・ジャンプする力に影響。
体力・・・持久力に影響。
柔軟・・・体の柔らかさに影響。
寒冷・・・寒冷地での身体能力、行動に影響。
温暖・・・温暖地での身体能力、行動に影響。
バランス・・・幅の狭い所や振動に影響。
______________________
「なるほど」
ダブルを表示しているウィンドウに目を向ける。
身体能力、これがこのゲームの大きな特徴だ。
ちょっと、面倒だが、自分に必要な物から自分好みに成長させていくことが出来る。
二枚のウィンドウを交互に見ながら情報を頭に叩き込んでいく。
軽く理解して、種族選択に戻り、ヒューマンを選択する。
__________________________
ヒューマン 身長(120㎝~240㎝)
ステータス
HP 100 MP 10
攻撃 10 防御 10
魔攻 10 魔防 10
素早さ 10
運 --
適正属性 (10P)
選択可能属性
火(5)水(5)土(5)風(5)
木(10)雷(10)光(10)闇(10)
身体能力 (100P)
視力 Lv 0 聴覚 Lv 0
嗅覚 Lv 0 声量 Lv 0
握力 Lv 0 腕力 Lv 0
肩 Lv 0 器用 Lv 0
体幹 Lv 0 腹筋 Lv 0
腰 Lv 0 健脚 Lv 0
跳躍 Lv 0 体力 Lv 0
柔軟 Lv 0 バランス Lv 0
寒冷 Lv-5 温暖 Lv-5
スキル (15P)
種族特性
なし
_______________________
「ん~」
なるほど、種族ごとにステータス値が違うのか。
小人は……。
________________________
小人 身長(40㎝~70㎝)
ステータス
HP 80 MP 10
攻撃 8 防御 6
魔攻 10 魔防 10
素早さ 14
運 --
適正属性(10P)
火(5)水(5)土(5)風(5)
木(10)雷(10)光(10)闇(10)
身体能力 (100P)
視力 Lv 0 聴覚 Lv 0
嗅覚 Lv 0 声量 Lv 0
握力 Lv 0 腕力 Lv 0
肩 Lv 0 器用 Lv 0
体幹 Lv 0 腹筋 Lv 0
腰 Lv 0 健脚 Lv 0
跳躍 Lv 0 体力 Lv 0
柔軟 Lv 0 バランス Lv 0
寒冷 Lv-5 温暖 Lv-5
スキル(10P)
種族特性
素早さ1.3倍
跳躍1.4倍
握力2割減 腕力2割減
気配(小)
_______________________
「ダブルの方が優秀だな」
戻るを押して獣人を選ぶ。
「あれ、狼がないな」
獣人は幾つかのタイプがあるが選択肢の中に狼は無かった。
あるのは【犬、猫、羊、牛、兎】の5種類。
狼はレアだったのかな。
比較できんな。
犬を見てみるか。
_________________________
獣人【犬】 身長(110㎝~270㎝)
ステータス
HP 100 MP 5
攻撃 12 防御 12
魔攻 8 魔防 10
素早さ 12
運 --
適正属性(10P)
火(10)水(10)土(10)風(10)
木(10)雷(10)光(10)闇(10)
身体能力 (100P)
視力 Lv 0 聴覚 Lv 0
嗅覚 Lv 0 声量 Lv 0
握力 Lv 0 腕力 Lv 0
肩 Lv 0 器用 Lv 0
体幹 Lv 0 腹筋 Lv 0
腰 Lv 0 健脚 Lv 0
跳躍 Lv 0 体力 Lv 0
柔軟 Lv 0 バランス Lv 0
寒冷 Lv-3 温暖 Lv-9
スキル (10P)
種族特性
嗅覚1.2倍 聴覚1.2倍
変化(犬)
_______________________
「なるほど…」
どうしようか。
それからは種族見比べ悩みに悩んで種族が決まるまで1時間かかった。