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愛しい人

新しい話が書きたい………

 アーク様は私とマクスさんを二人きりにしてくれた。

 マクスさんは落ち着かない感じに挙動不審で可愛い。


「あの、その、小鳥様」

「………はい」

「自分の事が怖いですか?」

「へ?怖くないです」

「………」


 おろおろしながらマクスさんは私に近づいて私の手を握った。

 

「自分は、小鳥様に無理矢理キスしました。怯えられても仕方ありません」


 怯えるのとは違うんだよ。

 どんな顔して良いか解らないだけなんだよ。


「怯えません」

「………自惚れてしまいます」

「自惚れ?」

「………小鳥様、愛しています」


 突然の告白に心臓がドキリとした。

 更に、ドキドキしてきた。

 顔に熱が集まるのが解る。


「………ですが、貴女を困らせるだけならこの気持ちはなかった事にしたい」


 えっ?な、無かったこと?

 私が混乱している間にマクスさんは辛そうに言った。


「自分の気持ちは無くなりません。ですが、小鳥様の記憶を消すことはできる。自分の事など無かった事に……」


 気がついたら泣いていた。

 ビックリしたのだ。

 私のマクスさんとの記憶を消すなんて、私の中ではあり得ない話だったからだ。

 可愛いと思ってキュンキュンしていた気持ちも全て忘れるなんて絶対にあり得なくて、キスしてきた妖艶なマクスさんも今では格好良かった気がしているのに………


「小鳥…様…」

「嫌だ……マクスさんの事………忘れたくないよ」


 ぽろぽろと涙が(あふ)れては(こぼ)れた。

 マクスさんはゆっくりと私の頬に触れて涙をぬぐってくれた。


「自惚れてしまいます」

「だって~」


 マクスさんは嬉しそうに口元に微笑みをのせた。

 ああ、可愛い。

 私は背伸びをしてマクスさんの唇を奪った。

 大きく見開かれたマクスさんの目を見て何だか嬉しくなった。

 勿論、マクスさんがしたみたいな大人なキスは私には出来ないがマクスさんがみるみる真っ赤に染まったのが、また嬉しかった。


「私をマクスさんの彼女にしてください」


 精一杯の私からの告白にマクスさんはすぐに答えを出した。


「嫌です」


 ふ、フラれた!

 マクスさんは泣きそうな顔で続けた。


「彼女なんかじゃ嫌です!自分の婚約者になってください」

「………最初は付き合うので良くない?」

「嫌です。自分は絶対に小鳥様と夫婦になりたいので婚約者になってください」


 マクスさんの真剣な顔に私は頷くしか無かった。






 マクスさんの婚約者になることが決まった。

 私を自分の息子の嫁にって考えている権力者が沢山居たらしく、お父さんが恨み言を言われているらしい。

 まあ、お父さんの部下だしね。

 それに、お父さんは一回マクスさんと戦ったらしい。

 結果を聞いたら『瀕死にされました』ってマクスさんが言っていた。

 治癒魔法で治されたらしいけど。

 お父さんは、かなり強いらしい。

 知らなかった。

 まあ、あのお母さんの旦那様なんだからそうだろう。

 

『いずれ、局長に勝てるようになります』


 マクスさんはああ言ってたけど私は別にマクスさんが勝たなくても良いと思ってしまった。

 だって、お母さんみたいに私が強くなれば良いだけじゃない?

 私は思わず笑ってしまった。

 私はこれからも狩人にまざり魔法研究所に通うだろう。


「小鳥様」

「何?」

「自分の事はリリックとお呼びください」

「じゃあ、私の事も小鳥って呼んで下さい」


 マクスさんは暫く考えてから言った。


「小鳥」

「何?リリック」


 マクスさんは真っ赤になって顔を両手で隠してうずくまった。

 可愛い!

 私は年上なのに可愛く照れる愛しい人を見て笑顔を作るのだった。


次で終わります!

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