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第3話

 私たちは気付かなかったが、田中恭子は随分と陰湿ないじめを浅木に繰り返していたらしい。浅木が目立ちたくて霊が見えるなどといっているのではないか?と言い出したのも田中だったという話も耳にした。


 その時すでに田中の死が、浅木によるものだと皆、確信していた。


 ある日、掃除の時に浅木真紀子の机の裏にマジックペンで全員の名前が抱えているのを生徒の1人が発見した。


 田中きょうこ、木ノ下とも子、黒崎大吾、山田裕香、大沢輝子、吉田一成、私の名前も上から数えて中程に書かれており、クラスメート全員の名前が記してある。


「これって。」


 その場にいた、数人の生徒は互いの顔を見合わせる。恐らくは、浅木真紀子をいじめていた、彼女がうらんでいた順番だ。彼女が亡くなる前に机の裏に書き記したのだろう。


 3番目に書かれたのが黒崎である事が私には意外だった。


「田中、木ノ下、黒崎、まぁ大沢輝子辺りまでは大分浅木のこといじめてたからなぁ。」

  

 誰かが呟いた。


「黒崎も?黒崎もいじめていたのか?」


「あぁ、俺、見たよ。黒崎が田中達といっしょに・・・。ほら、お前も絡んでいた壁の霊の事件があったろ。壁に向かって頭を下げさせられて・・・。あれで黒崎、恥をかかされたと思ったんだろうな。浅木が自殺する前日だったかな?放課後、黒崎と田中恭子、あと木ノ下が浅木を教室に呼び止めて、壁のシミの辺り霊が見えたっていう辺りを蹴れって命令していたよ。浅木泣きながら随分嫌がっていたけど、壁に向かってごめんなさいってなんども誤りながら蹴ってたよ。それを見ながら3人はケラケラ笑ってさ。お化けはどんな顔してる?泣いているか?怒ってるか?なんて聞きながらね。あれは、流石にやりすぎだったよな。」


 その事はまったく知らなかったが、私も壁に向かって謝ったことを何度か冷やかされたことがあったから、プライドの高い黒崎は随分と根に持っていたのかもしれない。


「黒崎に聞いたけど、恭子は、浅木の姿を風呂場で見て、翌日事故にあったんだろ?この名前って、浅木に殺される順番なんじゃねーの?」


 言った本人は冗談のつもりだったのだろう。しかし、書かれた順位が上の方の者には、笑い事ではない。現に田中恭子は亡くなっている。その場にいた中で、最も上に名前を書かれていた吉田一成が飛び掛った。


「冗談じゃねーぞ。なんで俺が・・・。俺は、何度かあいつの家に悪戯電話しただけだぞ。そんなことで、殺されてたまっかよ。」


 吉田は、涙を流しながら馬乗りになって殴り続けた。


 机の裏に書かれた名前の話はすぐにクラスメート全員に伝わり、木ノ下智子は次の日から学校を休んだ。


 黒崎も学校には顔を出していたものの、とても会話を出来る状態ではなくなり、結局その日の3日後から学校に欠席し始めた。


 黒崎が休みだしてから4日。担任の早瀬に頼まれて置きっぱなしの教科書を黒崎の家へと届けることになった。


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