33時限目 残ったのは………
◇◇◇◇◇
バキャッ。
空間に、堅いものの砕ける音が聴こえた。
「…………くそっ!くそっ!」
大野田は半分に折り曲げた新型携帯電話を床に投げ棄てた。
携帯はワックスの掛けられた床の上を颯爽と滑り抜けて行った。
大野田は悔いていた。自分の無力さを実感し、そのやりようの無い気持ちは段々と怒りへと変わっていった。
「…………………こうなったら、意地でもこのゲームを終わらせてやる……」メラメラと燃え上がる怒りは、大野田の中で最大の原動力となった。
大野田はまず、小木を探すことにした。
あいつは翔を殺した。そして、多くの人間の命を奪ってここまで生き残った………これは不合理だ。まるで辻褄が合わない。命を奪うことは屑の行うことであり、決して生き残る人間のすることではない。
大野田は、小木と別れる時に発した『俺はお前の同胞にはなりたくない。』という言葉を完全に忘れていた。
頭の中に在るのは唯唯怒りのみ。小木を殺すという考え意外には何も思い浮かばなかった。
「小木!何処にいる!」大野田は、”死神サン”に見付かるリスクも何も考えなかった。
携帯電話で呼び出そうと思ったが、先程自分で壊したことを思い出し、落胆する。
しかし……そんな悩む大野田に簡単な解決策が飛び込んで来た。
『ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ』長い長い非常ベルが校内を満たした。
「………っるせぇ………何だ?」大野田は反射的にスピーカーを仰いだ。
『オ報セ致シマス。参加者ガ残リ二名トナッタタメ、ゲームヲ一時中断シマス。体育館ヘオ集マリ下サイ。』
……………残り二名?………そうか、希崎、魚島が連続で罰を受け、残ったのは小木と自分だけ………………
これは願ってもないチャンスだった。
小木も自分も体育館に集まる……………………もし支配人が、二人を一気に殺すことが出来る…………
大野田は、懐に仕舞っておいた包丁を取りだし、ぐっと握り締めた。
◇◇◇◇◇
体育館。
舞台にはあの支配人。
大野田の隣には薄ら笑いを浮かべる小木の姿があった。
「へぇ!お前が支配人か。面白いゲームだったよ。」
『それは有難い言葉だ。ところで…何故ここへ集まって貰ったのか………知りたくはないか?』
「殺し合わせる為だろ!さっさとルールを言え!」大野田が支配人に吠える。
『まあまあ。そう慌てるな。今回はそんなことはさせない。………………まあ、驚くだろうが、今を持ってこのゲームは終了する。』
「……………………………?………???………???はぁぁあ?!ちょっ……何言ってんだ!決着は?!」『ん?決着?何の話をしている。言ったよな……私の目的は超人を集めることだと。』「え、でも…このゲームは全国各地で行われてるんじゃ……?」小木が割って入る。
『ああ。全国各地で行われているが?それがどうした。』「…………いや、もういい。あんたの言おうとしてることを話してくれ。全く先が読めない。」『ああ。それは有難い。俺の正体は…………』支配人は自分の仮面をぐいっと外した。
その顔に二人は驚愕する。「なっ?!?!」「…………嘘…………だろ…………?」
『俺は、稲川翔だ。』
現在時刻不明
ゲーム終了
あ、これ終わってないんで。




