29時限目 解散
お久しぶりです!読み直しに時間掛かりました。気をとりなおして描きます!
◇◇◇◇◇
「…………解散だな。俺達……」
大野田が動画が切れると同時に呟いた。
「ああ。んじゃあよ、この馬鹿みてぇなゲームをさっさと終わらせるか」
小木が相変わらずのにやけ顔で言い放った。
「希崎は一人で大丈夫なのか? 女の子だしよ……」今津がひょいっと希崎を指差した。
「そうだな、希崎……どうする?」
小木がじろりと希崎を見た。
「え、ええーと。だ、大丈夫! 一人でも行けるよ!」
「……………でも、もしお前が生き残って、男子と殺し合いにでもなったら……」
「大丈夫だよ」
……そう言ったのは小木だった。
「何?」
「だって、希崎は今ここで死ぬからな」
「は?!」
大野田と今津の声が重なった。
小木は懐からサバイバルナイフを取り出した。
「悪いな、俺には生き残らなきゃならない理由がある。惚れかけた女でも容赦はしない。消えろ」
小木はサバイバルナイフを希崎目掛けて降り下ろした。
「きゃあああ!」
希崎の黄色い声が応接室に響く。
ざくっ。
「う……」
ナイフが刺さったのは今津の腹だった。深々とその刃が内部へと食い込んでいる。
「ちっ! てめぇ!」
小木は苛立った様にナイフを抜く。
にちゃぁっと血液が患部から垂れ出した。次第に出血は増していく。
「要らねぇことを……偽善者が!」
「くっ!」
今津は刺さった場所を手で庇った。
「今津! しっかりしろ!」
大野田が今津を助け起こす。
「………大野……田…………俺からの願いだ………この下らないゲームを……終わらせてくれ……お前ならやり遂げれる……必ずな………『世の中の関節は外れてしまった…………嗚呼……何の因果か………それを治す為に産まれてきたとは……』…………」
「はっ? おい! 今津! 何だ! 世の中の関節って! おい、答えろよ!」
「ふっ、ハムレットか。意外に教養があったな、こっ………!」
「だまれ、クズが……」
大野田が小木を力一杯に殴った。
眼は血走っている。
「いってぇなぁ! くそがぁ!」
小木は焦点の合わない目のまま大野田にナイフを向けて突進した。
「くそはてめぇだろが!」
ここは体育会系の本領発揮というべきか。
大野田は軽い身のこなしでナイフを受け流し、その腕を掴んでそのまま相手の背中へ回した。
「あっ?!」
小木は腕の痛みにナイフを落とした。
大野田はそのナイフを足で遠くへやる。
「お前、前のゲームでもこうやって生き残ったのか。どうしようも無ぇクズだな。俺は………翔を………今津を殺したお前を許さない! 憎い! ………殺してやりたい! でも…お前の同胞にはなりたくない。そんなのまっぴらだ! 俺は、俺のやりかたで方をつける」
大野田は小木の腕を掴んだまま壁へ押しやった。
「くっ!……」
小木は壁に顔面を打ち付けた。
「…………………」
大野田を睨み殺す様な目で見た……いや、睨み殺そうとしたのかもしれない。
「希崎………どうする。俺と来るか?」大野田は教室を出かけて、希崎を目にして止まった。
「んー、うん」
希崎は少し目線を泳がせた後、軽く頷いた。
現在時刻午後七時十分
ゲーム開始から約六時間




