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狂室  作者: みづ きづみ
オワリノ編
29/37

26時限目 残り

◇◇◇◇◇


二〇〇五年 十月二十四日 午後五時三十五分


 「…………西川も捕まったのか」

そう言ったのは、石田だ。

震える手で携帯電話を握り締めている。

「落ち着け、石田」

魚島が宥めた。

二人は未だ体育館倉庫に隠れている。

小木の帰りを待っているのだ。

「小木のやつ、何処に行きやがった? くそったれ!」

魚島がガツンと倉庫の床を叩く。

「お前こそ落ち着けよ。何故帰りが遅いかは分からないが、あいつなりの作戦があるんじゃないか?」

「そうか、そうだな」

魚島は軽い深呼吸をし、自分を落ち着けた。

二人は小木に言われた対策以外何もしていない。

所詮、言われなければ何も出来ないのだ。

石田はリーダーシップがあるが、それ以外は何も取り柄がない。

魚島は強面だが、それは自分を強くみせる為のものであって、実は弱い。

小木が帰って来ないことを最も恐れているのは魚島だ。


沈黙の中、魚島が口を開いた。

「…………石田……こういうことは考えられないか? 小木が………俺達を裏切った……」

「え? どういうことだ?」

石田が眉間に皺を寄せた。

その答えを魚島は深刻そうに言う。

「………つまり、もう一つの男子チームに入ったってことだよ。石田も見ただろ?彼奴の俺達を見る目。……俺は怖かった。奴は俺達を殺すんじゃないか…そう思った」

石田が少しひきつった顔で話す。

「い、いや、それは無いんじゃ………だって裏切りなんて……」

「裏切りはあるだろ! ゲーム開始前の、小木の言葉を忘れたか?! 『いや、無理だろ。生き残りゲームなんだからな。』だぞ。まるで裏切りは当たり前だというようだ。…………まあ、それはそうだが」

「じゃあ、俺達はどうすれば……?」

「小木を………探す。いざとなれば、殺す」

魚島がゆっくりと、そしてはっきりと言った。


現在の予定では、第二章で終わらせるつもりです。

「-summon- 召喚」の方も書きたいし。

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