26時限目 残り
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二〇〇五年 十月二十四日 午後五時三十五分
「…………西川も捕まったのか」
そう言ったのは、石田だ。
震える手で携帯電話を握り締めている。
「落ち着け、石田」
魚島が宥めた。
二人は未だ体育館倉庫に隠れている。
小木の帰りを待っているのだ。
「小木のやつ、何処に行きやがった? くそったれ!」
魚島がガツンと倉庫の床を叩く。
「お前こそ落ち着けよ。何故帰りが遅いかは分からないが、あいつなりの作戦があるんじゃないか?」
「そうか、そうだな」
魚島は軽い深呼吸をし、自分を落ち着けた。
二人は小木に言われた対策以外何もしていない。
所詮、言われなければ何も出来ないのだ。
石田はリーダーシップがあるが、それ以外は何も取り柄がない。
魚島は強面だが、それは自分を強くみせる為のものであって、実は弱い。
小木が帰って来ないことを最も恐れているのは魚島だ。
沈黙の中、魚島が口を開いた。
「…………石田……こういうことは考えられないか? 小木が………俺達を裏切った……」
「え? どういうことだ?」
石田が眉間に皺を寄せた。
その答えを魚島は深刻そうに言う。
「………つまり、もう一つの男子チームに入ったってことだよ。石田も見ただろ?彼奴の俺達を見る目。……俺は怖かった。奴は俺達を殺すんじゃないか…そう思った」
石田が少しひきつった顔で話す。
「い、いや、それは無いんじゃ………だって裏切りなんて……」
「裏切りはあるだろ! ゲーム開始前の、小木の言葉を忘れたか?! 『いや、無理だろ。生き残りゲームなんだからな。』だぞ。まるで裏切りは当たり前だというようだ。…………まあ、それはそうだが」
「じゃあ、俺達はどうすれば……?」
「小木を………探す。いざとなれば、殺す」
魚島がゆっくりと、そしてはっきりと言った。
現在の予定では、第二章で終わらせるつもりです。
「-summon- 召喚」の方も書きたいし。




