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狂室  作者: みづ きづみ
オワリノ編
27/37

24時限目 電話

少しやる気も戻ってきました。

これからも、狂室を宜しくお願いします。

◇◇◇◇◇


二〇〇五年 十月二十四日 午後四時四十五分



 「……生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ………」

「? 急にどうしたの?」

突然喋りだした、西川に希崎が反応する。

「今のはね、シェイクスピアの物語の台詞」

「な、何だ」

希崎はふぅっと息を漏らした。

心配だったようだ。

「私が死ぬと思ったの? あはは! 死なないよ? ずっと希崎さんと居るよ」

西川は明るい笑みを希崎に投げ掛ける。

だがその瞳は笑っていなかった。

どこか悲しそうだ。

だが希崎はそれには気付かず、「そうだよね!」と答えた。

ここは三階の事務室だ。危険云々よりも、休憩することを考えた。

里宮が捕まり、あの”死神サン”は自分達も捕獲しにくるかもしれない……という恐怖に煽られ、走りに走った。

結果、疲れてしまい、呼吸を整える為にこの部屋に入った。

事務室はその名の通り事務員の休憩、そして着替えの部屋だ。

位置的には階の端にあたる。


「あのさ、ちょっとお腹減らない?」

希崎がぽそりと呟いた。

「うん。確かに、お昼食べてないもんね。希崎さんも、あれあった?」

「あれって?」

「食料の支給」

「あ、うん。勿論。じゃないと死んでるよ」

二人はにこやかな雰囲気だ。

そこで西川が。

「あのさ、ちょっと男子達に電話しようよ。食料見付けたかどうかとか聞けるからさ」

「あ、そうだね」

希崎は携帯電話のボタンを押し、電話帳を開く。

「あ、でも位置を教えちゃ駄目だよ?」

「うん。分かってるよ」


プルルルル プルルルル

コール音が耳元で騒ぐ。

ブツッ

回線が繋がった。

『誰だ?』

希崎が選んだのは今津だった。

「あ、もしもし! 希崎ですけど」

『おー、何だ』

「あ、うん。大したことじゃないんだけど、食料とか、ある場所知ってるかなー? って」

『おー。知らね。と、ところでよ。希崎』

「ん? 何?」

『…………一目見て好きになりました!ここをでたら付き合って下さい!』

「…………えええ!!」

希崎は不審に思われないように、西川から離れた。

「………い、今の本当?」

『…………………』

沈黙が長い。

『アア! ワカッテル!………おう、御免。本当だ』

「嬉しい。ありがとう。今津君。私からもよろしく」

『やったああ! マジか! ……えーとさ、言いにくいけどさ、今からそっち行って良い?』

え。たしか西川さんが駄目って……でも告白してくれたし、殺されることなんてないよね。

「うん。良いよ」

『今、何処?』

「事務室」

『分かった。すぐ行く。………アリガトウ』

最後の一言が凄く冷たく感じたのは気のせいだろうか。

希崎は何故か不安感を背負い、電話を切った。


現在時刻 午後五時

ゲーム開始から約四時間

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