22時限目 翔の死
「……くははははははははははははははははははははははは!!!」
小木が恐ろしい顔で笑いだした。
「く!」
翔は粉々に砕けた指に痛みが走るのを感じた。
よく見ると骨が剥き出しになっている。
「………はははははははは…………」
小木が笑いを止めた。
「正に笑止。死ね」
小木はサバイバルナイフを翔の腹に突き立てた。
「……ぐっ! ああああああああ!!」
◇◇◇◇◇
同刻。
大野田を連れた今津は保健室にいた。
大野田の怪我を治療する為だ。
だが、何から手をつければ良いか分からない。
取り敢えず今津は消毒液を取り出した。
「大野田! 生きてるか!」
今津がガーゼに消毒液を浸けながら言う。
「………ああ。生きてるよ。悪い…な。今津………。? …翔は何処だ?」
大野田は翔の姿を確認出来ず、今津に聞く。
「え、えと。翔はあいつと戦ってる」
今津は目線をあちこちに移しながら答えた。
一目で誤魔化していると分かるが、幸い今の大野田は逆を向いているため見えていない。
「うっ! ……ふぅ。あいつは拳銃を持っていた…だろ? だ…大丈夫なのか?」
今津が背中にガーゼを当てたので、大野田がうめきながら言った。
相変わらず血は出ているが、マシになってきている。
今津は次に止血剤を大野田の肌に塗りつけた。
「……大丈夫……きっと戻るって言ってた」
「お前………それ……」
大野田は今津の言葉に指摘しようと思ったが、思い留まった。
それを言っても何も特は無い。
空気を悪くするだけだ。
今津は包帯を取り出した。
今津は自分が予想以上に手際が良いことに驚いていた。
人間、ピンチになれば何でも出来るのだ。
包帯をぐるぐると大野田に巻いていく。
止血剤を塗った部分はまだ血は止まっていないが、微妙に固まってきている。
「大野田、傷の治り早いな」
今津は傷口を見ながら言った。
「ああ。昔からそれだけが取り柄だった。どんな傷も2、3日で治る。勿論物凄い重傷ならそれは有り得ないがな」
大野田の声が途切れなくなった。
治りが早いのは本当らしい。
「大野田、次、隠れる場所探さないと駄目だな。どうする? もう少し休むか?」
「そうだな。恐らく俺達はつけられていたんだろう。場所を変える必要があるな。休憩はいい。もう行こう」
大野田はすくっと立ち上がった。
よろけることはない。
今津も続いて立ち上がる。
2人は保健室を早々と出ようとした。
だが、それは叶わなかった。
2人がドアを開けるより先に保健室のドアが開いた。
ガラガラガラ
そこには薄ら笑いを浮かべる小木の姿が在った。
現在時刻 午後四時五分
ゲーム開始から約三時間
はい、翔くん死亡。




