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狂室  作者: みづ きづみ
オワリノ編
18/37

15時限目 自己紹介

◇◇◇◇◇


二〇〇五年 十月二十四日 午前十時二十分


「俺の名前は大野田智。大布高校出身だ。在席していたクラスは二年四組だ」

二年四組に集まっている九人の生徒達は、教卓に立つ男を観ている。

今自己紹介したのは、翔を案内した男だ。

大野田をよく見ると、髪の毛はかなり短めで、筋肉が結構付いている。

翔は辺りを見渡した。

何となく体育会系の人間が多いのは気のせいだろうか。

やはり生き残るには知力だけではなく体力も必要ということか。

次は、今津の番だ。

「今津準。出身校は西川高校。二年四組に居た。よろしく」

今津は軽く会釈した。

教室には沈黙が佇む。

「…俺?」

のそりと今津が教卓から降りた。

大野田が翔に首で合図した。

翔は教卓に立った。

「えーと、俺は稲川翔。出身校は浅川高校。クラスは二年四組だった」

それだけ言うと、教卓から降りた。



「俺は魚島俊。沢野高校出身だ。在席クラスは二年四組」

大野田に問い掛けた強面の男だ。

やはり高校生。

皆、狂室を体験している。それは嘘偽りない事実だ。

「名前は小木真也。原河高校。クラスは二年四組」

小木はやけに暗かった。眼鏡がきらりと光った。

こんな奴が何故生き残れたのだろうか。

そう考えていると次の生徒が自己紹介を始めた。

「石田光。星球高校出身。クラスは二年四組だ。皆、頑張ろう」

石田は皆に笑顔を振り撒いた。

しかし、九人が九人シカトした。

それからは女子が自己紹介を始めた。

「西川姫野です。えと、東実高校出身です。在席していたクラスは二年四組です。よ、よろしくお願いします」

西川は顔を赤らめながら言った。

カールの髪がちょこんと揺れた。

「里宮優花。鉄高校にいた。二年四組」

里宮は髪が短かった。何処か体育会系を匂わせる雰囲気がある。

「えええと、わわ、私はえと名前はき、希崎麻衣です。えとえと、し、出身校は大谷高校です。居たクラスは二年四組です」

おどおどしながら彼女は教卓に立った。

希崎は焦り屋か。翔は苦笑した。

「河木飛鳥です。出身は古賀高校です。クラスは二年四組」

最後に河木と名乗った女は、いかにもクールビューティーといった感じだった。

切れ目で長い髪。それをかき上げて教室の九人を一瞥した。

どこかお嬢様気質がある様だ。

この自己紹介で分かったのは、体育会系が多い。そして、高校でのクラスが全員二年四組だということだ。



「よし、自己紹介は一先ず済んだ。あと…約二時間ある。それまでは自由にしていよう」

大野田はスポーツタイマーを確認しながら言った。

大野田の言葉を聴いた数人は、「はぁ」と溜め息を吐いて教室から何人か出ていった。


「稲川ー」

翔が床に座って考え事をしていると今津に話し掛けられた。

「あのさ、稲川って運動部だよな?」

「……? 何で分かった?」

「やっぱりな! いやぁー、目付きが何かこう、周りの人間を睨み殺す感じがあるからさ。これは勝負を知る者の眼だと思って」

「そういうお前は?」

「ふふふ。よくぞ聞いてくれた。俺はバスケ部キャプテン、そしてエース」

「…………ふーん」

翔はドヤ顔でこっちを見てくる今津をシカトした。

「おい! お前が聞いたんだろ!」

「そうだな、どーも」

翔はそう言いつつ壁にもたれた。

「まあいいや。稲川はさ、あ、翔って呼んでいいか?」

「別に構わないけど…」

「翔はさ、スポーツ何してた?」

「陸上だよ」

翔は面倒臭そうに言った。

こっちは考え事をしている。

「陸上で良い成績残せたか?」

「いや。てか、まだだよ。俺は長距離。長距離は駅伝で本領を発揮するんだよ。だから、もうちょい先だ。……まあ、出られるか分からないけどな」

翔は再び怒りが込み上げるのを感じた。

ぐっと拳を握った。手が怒りに震える。くそ!

「へー、そうか。ありがとうな」

今津は翔の状態に気付いたのか、そそくさと翔から離れた。

こんなことが無ければ俺は……

夢に向かって………………………

この下らないゲームを必ず終わらせる。

翔はもう一度心にそして桜田に誓った。


現在時刻十一時十六分

ゲーム未開始

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